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青い花 (文芸誌)

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青い花』(あおいはな)は、1934年昭和9年)12月に太宰治今官一が中心となって創刊した文芸同人誌[1]。誌名は太宰の案による[1]

概要

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同人は、岩田九一、伊馬鵜平斧稜太宰治檀一雄津村信夫中原中也、太田克己、久保隆一郎安原喜弘小山祐士今官一北村謙次郎木山捷平、雪山俊之、宮川義逸、森敦の18人[1][2]

この同人誌は寄合所帯であり、太宰と檀の身勝手な狂乱によって同人はバラバラの状態となり、続刊されることはなく創刊号(1号)で廃刊となった[3][4]。その後、メンバーの大半は「日本浪曼派」に吸収された[3][4]。しかし、森敦は、日本浪曼派へは参加せず、放浪生活に入った。

創刊号

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編輯兼発行人は「今官一」、発行所は「青い花編輯所」[1]。発行日は1934年(昭和9年)12月1日[3]

創刊号の収録作品は下記の通り[3][5]

  • 太宰治『ロマネスク』(5-27頁)
  • 津村信夫『信濃ところどころ』(28-31頁)
  • 中原中也『近刊詩集『山羊の歌』より』(32-35頁)
  • 雪山俊之『ナポレオンとラスコリニコフ』(36-43頁)
  • 青い花・同人
    • 斧稜『あをければ』(44-45頁)
    • 北村謙次郎『われ失ふ』(46-47頁)
    • 久保隆一郎『Van Gogh の画に』(48頁)
    • 青井はな[注釈 1]『かくれんぼ』(49頁)
    • 伊馬鵜平『広告』(50-51頁)
  • 檀一雄『詩譜』(52-54頁)
  • 山岸外史『一枚の絵葉書』(55-58頁)
  • 今官一『三つの祈り』(59-63頁)
  • 木山捷平『青い花の感想』(64-65頁)

書誌情報

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  • 『青い花』青い花編輯所、1934年12月。 NCID AA12865606 

脚注

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注釈

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  1. ^ 太宰治の別名[5]

出典

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  1. ^ a b c d 近畿大学日本文化研究所『書簡番号 1 ~ 10』翰林書房〈近畿大学日本文化研究所編〉、2006年、9-29頁http://id.nii.ac.jp/1391/00003936/2023年1月29日閲覧 
  2. ^ 伊馬 1981, p. 183.
  3. ^ a b c d 中原中也記念館 館報[第9号]” (PDF). 中原中也記念館 (2004年3月31日). 2023年1月29日閲覧。
  4. ^ a b 檀 2003, p. 166.
  5. ^ a b 山本 2009, p. 34.

参考文献

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