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パンジシール州

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パンジシール州

پنجشیر
パンジシール渓谷、パンジシール川、アフマド・シャー・マスードの墓、パンジシール風力発電所の風景
パンジシール渓谷、パンジシール川、アフマド・シャー・マスードの墓、パンジシール風力発電所の風景
パンジシール州が強調されたアフガニスタンの地図
パンジシール州が強調されたアフガニスタンの地図
座標 (Capital):北緯35度24分 東経70度00分 / 北緯35.4度 東経70.0度 / 35.4; 70.0座標: 北緯35度24分 東経70度00分 / 北緯35.4度 東経70.0度 / 35.4; 70.0
アフガニスタン・イスラム共和国の旗 アフガニスタン(一部地域)
アフガニスタンの旗 アフガニスタン
設立年月日 2004
州都 バザラック
政府
 • 州知事 ムハンマド・アリフ・サルワリ英語版
面積
 • 合計 3,610 km2
人口
(2021)[1]
 • 合計 172,895人
 • 密度 48人/km2
等時帯 UTC+4:30 (アフガニスタン時間)
ISO 3166コード AF-PAN
分離元 パルヴァーン州
主要言語英語版 ダリー語
支配勢力

アフガニスタン・イスラム共和国

パンジシール州(パンジシールしゅう、Panjshīr Velāyatダリー語 پنج شیرタジク語: Вилояти Панҷшер)は、アフガニスタン北東部にあるである。州都はバザラック。面積は3,610km2、人口約17万3千人[1]である。

名称

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パンジシールとはサンスクリット語またはペルシャ語で「5頭の獅子」の意である。

地理

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パンジシール川英語版カーブル川支流)が流れるパンジシール渓谷は、カーブルの北150 km、ヒンドゥークシュ山脈の裾にある。

歴史

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エメラルドの有名な産地で、古くはプリニウスも同地域の宝石について記述を残している。

中世には、の産出が盛んに行なわれ、サッファール朝サーマーン朝によってコインが鋳造された。

ヒンドゥークシュ山脈サラン峠を巡ってパンジシール攻勢1980年 - 1985年)が行われた。

本州の中心地、パンジシール渓谷は、ジャマーアテ・イスラーミーペルシア語版ロシア語版英語版(イスラム協会、後に北部同盟)のアフマド・シャー・マスード将軍の根拠地(タハール州と並んで)として知られた。マスードの指揮の下、パンジシール渓谷はソビエト連邦軍にもターリバーンにも制圧されなかった唯一の地域であった。

アメリカ同時多発テロ事件以降

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パンジシール州は1957年から約半世紀間パルヴァーン州の一部だったが、2004年4月に分割されて独立した州になった[2]。10月には第一回の大統領選挙が実施され、パンジシール州ではユーヌス・カーヌーニー(約95%)が最多得票を得た[3]。2009年8月、第二回の大統領選挙が実施され、パンジシール州ではアブドラ・アブドラ元外相が最多得票(約68%)を得た[4]。2011年7月、ISAF軍はパンジシール州の治安権限をアフガニスタン軍に移譲した[5]。2015年2月24日~25日未明にかけての雪崩で約100棟の住宅が倒壊した。[6]

現状

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2021年にターリバーンの攻勢によってアフガニスタン・イスラム共和国政府が事実上崩壊すると、アフマド・シャー・マスード将軍の息子アフマド・マスードは国外に脱出したアシュラフ・ガニー大統領に代わって暫定大統領就任を宣言したアムルッラー・サーレハ英語版第一副大統領英語版と共にパンジシール渓谷での抵抗運動を呼び掛けた[7]。2021年9月3日にターリバーン関係者がパンジシール州の制圧も完了し、アフガニスタン全土を支配下に置いたと主張したが、一方で抵抗勢力はこれを否定した[8]。9月6日、ターリバーンは記者会見でパンジシール渓谷を完全支配下に置いたと宣言し、マスードとサーレハがタジキスタンに逃亡したと報告があったことも同時に公表した [9]

人口統計

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パンジシールのクチ族遊牧民英語版

2021年現在、州の総人口は約17万3千人[1]

民族と言語

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戦争研究所(ワシントンD.C.のシンクタンク)によると、タジク系住民が人口の大半を占めている[10][11]。その他、ハザーラ人ヌーリスターン人en:Kochi peopleが居住している。 州内ではダリー語(アフガン・ペルシャ語)が主流である。

宗教

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全住民はイスラム教英語版を信仰しており、アフガニスタンの他の地域のハザーラ人がほとんどシーア派英語版であるのに対し、この地域はスンニ派が多数派となっている[10]

地域別人口

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パンジシール州の行政区分
郡(District) 州都 人口[1] 面積 村の数
Abshar District 12,707
Anaba 20,682 164 km2 31[12]
Bazarak バザラック 21,629 378 km2 29[13]
Darah 15,951 709 km2 134[14]
Khenj 45,961 688 km2 154[15]
Paryan 17,033 1270 km2 67[16]
Rokha 26,360 144 km2 72[17]
Shotul 12,572 55 km2 23[18]

産業

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鉱業

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パンジシール渓谷ではエメラルドの鉱脈が発見されており[19]、1985年には190カラットの原石が発見された[20]

脚注

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  1. ^ a b c d Estimated Population of Afghanistan 2021-22”. National Statistic and Information Authority (NSIA) (April 2021). June 29, 2021時点のオリジナルよりアーカイブJune 21, 2021閲覧。
  2. ^ "Provinces of Afghanistan". Statoids. 2014年3月2日閲覧
  3. ^ Panjshir Province”. Independent Election Commission of Afghanistan. 2014年3月10日閲覧。
  4. ^ Panjshir Province”. Independent Election Commission of Afghanistan. 2014年2月17日閲覧。
  5. ^ アフガニスタン:治安情勢”. 外務省. 2014年2月6日閲覧。
  6. ^ アフガニスタン北東部で大規模な雪崩相次ぐ、124人死亡”. TBS News. 2015年2月26日閲覧。
  7. ^ “アフガン暫定大統領を宣言 ガニ氏逃亡でサレー第1副大統領”. 産経新聞. (2021年8月18日). https://www.sankei.com/article/20210818-LBCKSBTG2RMRHLYNLT2FFKV4YY/ 2021年8月18日閲覧。 
  8. ^ “タリバン、パンジシール制圧し全土完全掌握と表明 新政権発表は最終段階”. ロイター. (2021年9月4日). https://jp.reuters.com/article/afghanistan-conflict-idJPKBN2FZ1UJ 2021年9月6日閲覧。 
  9. ^ “タリバンがパンジシール渓谷完全掌握と表明、新政権近く発表”. ロイター. (2021年9月6日). https://jp.reuters.com/article/taliban-idJPKBN2G20GV 2021年9月6日閲覧。 
  10. ^ a b Panjshir Province”. Understanding War. 2013年8月17日閲覧。
  11. ^ Afghanistan”. Library of Congress Country Studies. Library of Congress (1997年). 2006年11月19日閲覧。
  12. ^ Onaba District (Re-elected) Archived 2016-03-03 at the Wayback Machine.
  13. ^ Bazarak District (Re-elected) Archived 2016-03-04 at the Wayback Machine.
  14. ^ Dara District (Re-elected) Archived 2016-03-04 at the Wayback Machine.
  15. ^ Khenj District (Re-elected)
  16. ^ Pariyan District (Re-elected) Archived 2016-03-04 at the Wayback Machine.
  17. ^ Rukha District (Re-elected) Archived 2016-03-03 at the Wayback Machine.
  18. ^ Shotol District (Re-elected) Archived 2016-01-24 at the Wayback Machine.
  19. ^ Ministry of Mines and Petroleum (2011年10月2日). “New Information Management System for Ministry of Mines, Afghanistan”. Islamic Republic of Afghanistan. 2014年2月10日閲覧。
  20. ^ Bowersox, Gary; Lawrence W. Snee, Eugene E. Foord, and Robert R. Seal II (1991). “Emeralds of the Panjshir Valley, Afghanistan”. Gems and Gemology (Gemological Society of America) Spring: pp26-39. 

関連項目

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参考文献

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外部リンク

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