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ラリー・フィンランド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラリー・フィンランド
状況 平行
種類 世界ラリー選手権
日程 7-8月
頻度 毎年
会場所在地 フィンランド湖水地方
開催国  フィンランド
初回開催 1951年 (1951)

ラリー・フィンランド(Rally Finland)は、フィンランドで開催される世界ラリー選手権 (WRC) のイベント。旧称1000湖ラリー (1000 Lakes Rally) 。毎年50万人が訪れる北欧最大のモータースポーツの祭典である。

特徴

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2012年 モリー・テイラー

1951年にラリー・モンテカルロの予選「ユヴァスキュラン・スールアヨット(ユバスキュラ・グランプリ)」としてスタートし、1959年には「1000 Lakes Rally(1000湖ラリー)」としてヨーロッパラリー選手権 (ERC) の1イベントとなる[1]。1973年からはWRCのレースに組まれる。1994年以降現在に至るまで、フィンランドの石油会社ネステが冠スポンサーを務めている。2020年は新型コロナウイルスの影響により、開催中止となった[2]。 2021年も感染症の影響はあったが10月に延期しての開催となった。また同年はラリー・スウェーデンが中止となり、その代替として国内選手権であるアークティック・ラリー・フィンランドもWRCのイベントとして開催された。

開催地はフィンランド中部の学園都市ユヴァスキュラの周辺。美しい湖と針葉樹の森に囲まれた林道を走るグラベルコースだが、平均速度は135km/h[3]、最高速度は200km/h以上[4]に達するWRC屈指の超高速イベントであり、しばしば「フィンランドグランプリ」と形容される[3]。道幅は広く路面も岩盤質で固く平坦なためスムーズで、ヤンプス[5]と呼ばれる多数のジャンピングスポットや、先の見通せないカーブやクレスト(起伏)が連続する。高速ジャンピングスポットでは20〜30m級の大ジャンプが見られるが[6]、着地地点の先にコーナーがあることが多いため、進入角や空中姿勢のコントロールが要求され、精密なペースノートも必要とされる[3]

名物ステージとして知られる「オウニンポウヤ[7][8]」は平均速度が高すぎるとして2分割されたりルートから外されてしまったが、2012年に33kmのロングステージとして復活した[9]。スタートから6km地点にあるジャンピングスポットには飛距離測定用の標識が立てられ、2003年にはマルコ・マルティンが57mの最長記録を残している[10]

地の利がある北欧勢が強いラリーとして知られているが、グロンホルム引退後の2008年以降は若干その傾向が薄れ11年間で5勝にとどまっている。それでも北欧以外出身の優勝者は未だ7人と少ない。

長年マルク・アレンが最多勝記録である6勝及び連覇記録3連覇を保持していたが、1994年〜98年にかけてトミ・マキネンが連覇記録を5に更新し、2007年にはマーカス・グロンホルムが7勝目を飾って最多勝記録を更新した。

歴代優勝者(1973年以降)

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優勝者 車輌
ドライバー コ・ドライバー
1973年 フィンランドの旗 ティモ・マキネン イギリスの旗 Henry Liddon フォード・エスコートRS1600
1974年 フィンランドの旗 ハンヌ・ミッコラ イギリスの旗 ジョン・ダベンポート
1975年 フィンランドの旗 アッツォ・アホ トヨタ・カローラ
1976年 フィンランドの旗 マルク・アレン フィンランドの旗 イルッカ・キビマキ フィアット・131アバルト
1977年 フィンランドの旗 キュオスティ・ハマライネン フィンランドの旗 マルッティ・ティウッカネン フォード・エスコートRS1800
1978年 フィンランドの旗 マルク・アレン フィンランドの旗 イルッカ・キビマキ フィアット・131アバルト
1979年
1980年
1981年 フィンランドの旗 アリ・バタネン イギリスの旗 デビッド・リチャーズ フォード・エスコートRS1800
1982年 フィンランドの旗 ハンヌ・ミッコラ スウェーデンの旗 アーネ・ヘルツ アウディ・クワトロ
1983年 アウディ・クワトロA2
1984年 フィンランドの旗 アリ・バタネン イギリスの旗 テリー・ハリーマン プジョー・205T16
1985年 フィンランドの旗 ティモ・サロネン フィンランドの旗 セッポ・ハルヤンネ プジョー・205T16 E2
1986年
1987年 フィンランドの旗 マルク・アレン フィンランドの旗 イルッカ・キビマキ ランチア・デルタHF 4WD
1988年 ランチア・デルタHFインテグラーレ
1989年 スウェーデンの旗 ミカエル・エリクソン スウェーデンの旗 クラエス・ビルスタム 三菱・ギャランVR-4
1990年 スペインの旗 カルロス・サインツ スペインの旗 ルイス・モヤ トヨタ・セリカGT-Four
1991年 フィンランドの旗 ユハ・カンクネン フィンランドの旗 ユハ・ピロネン ランチア・デルタHFインテグラーレ 16V
1992年 フランスの旗 ディディエ・オリオール フランスの旗 ベルナール・オセッリ ランチア・デルタHFインテグラーレ
1993年 フィンランドの旗 ユハ・カンクネン フランスの旗 デニス・ジロード トヨタ・セリカGT-Four
1994年 フィンランドの旗 トミ・マキネン フィンランドの旗 セッポ・ハルヤンネ フォード・エスコートRSコスワース
1995年 三菱・ランサーエボリューションIII
1996年
1997年 三菱・ランサーエボリューションIV
1998年 フィンランドの旗 リスト・マニセンマキ 三菱・ランサーエボリューションV
1999年 フィンランドの旗 ユハ・カンクネン フィンランドの旗 ユハ・レポ スバル・インプレッサWRC
2000年 フィンランドの旗 マーカス・グロンホルム フィンランドの旗 ティモ・ラウティアイネン プジョー・206WRC
2001年
2002年
2003年 エストニアの旗 マルコ・マルティン イギリスの旗 マイケル・パーク フォード・フォーカスWRC
2004年 フィンランドの旗 マーカス・グロンホルム フィンランドの旗 ティモ・ラウティアイネン プジョー・307WRC
2005年
2006年 フォード・フォーカスWRC
2007年
2008年 フランスの旗 セバスチャン・ローブ モナコの旗 ダニエル・エレナ シトロエン・C4WRC
2009年 フィンランドの旗 ミッコ・ヒルボネン フィンランドの旗 ヤルモ・レヘティネン フォード・フォーカスWRC
2010年 フィンランドの旗 ヤリ=マティ・ラトバラ フィンランドの旗 ミーッカ・アンッティラ
2011年 フランスの旗 セバスチャン・ローブ モナコの旗 ダニエル・エレナ シトロエン・DS3 WRC
2012年
2013年 フランスの旗 セバスチャン・オジェ フランスの旗 ジュリアン・イングラシア フォルクスワーゲン・ポロ R WRC
2014年 フィンランドの旗 ヤリ=マティ・ラトバラ フィンランドの旗 ミーッカ・アンッティラ
2015年
2016年 イギリスの旗 クリス・ミーク アイルランドの旗 ポール・ネーグル シトロエン・DS3 WRC
2017年 フィンランドの旗 エサペッカ・ラッピ フィンランドの旗 ヤンネ・フェルム トヨタ・ヤリスWRC
2018年 エストニアの旗 オィット・タナック エストニアの旗 マルティン・ヤルヴェオヤ
2019年
2020年 中止
2021年 イギリスの旗 エルフィン・エバンス イギリスの旗 スコット・マーティン トヨタ・ヤリスWRC
2022年 エストニアの旗 オィット・タナック エストニアの旗 マルティン・ヤルヴェオヤ ヒョンデ・i20 N ラリー1
2023年 イギリスの旗 エルフィン・エバンス イギリスの旗 スコット・マーティン トヨタ・GRヤリスラリー1
2024年 フランスの旗 セバスチャン・オジェ フランスの旗 ヴァンサン・ランデ

脚注

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  1. ^ 森と湖のグランプリ。”. やっぱりラリーが好きなのだっ!?編集代表のラリーな日々ブログ?. ラリーXモバイル (2017年7月23日). 2017年8月7日閲覧。
  2. ^ ラリー・フィンランド、新型コロナウイルスの影響で2020年の開催をキャンセル”. オートスポーツ (2020年6月3日). 2020年6月18日閲覧。
  3. ^ a b c "FJL12-017:ラトバラ、地元ラリーで表彰台獲得2012年FIA世界ラリー選手権第8戦ラリー・フィンランド". Ford Japan.(2013年8月6日)2013年12月2日閲覧。
  4. ^ "Rd.10 Neste Rally Finland". SUBARU モータースポーツ.(2005年7月29日)2013年閲覧。
  5. ^ 英語のjumpsをフィンランド語風に読んだもの。フィンランド語ではhyppy(ヒュップ)あるいはhyppyjä(ヒュップヤ)と呼ばれる。
  6. ^ "第8戦 ラリー・フィンランド:プレビュー". 日本ミシュランタイヤ.(2013年7月31日)2013年12月2日閲覧。
  7. ^ "名物ステージ「オウニンポウヤ」のコースレコードを8秒短縮! ミシュランタイヤが驚異のパフォーマンスを披露!". 日本ミシュランタイヤ.(2013年8月4日)2017年7月19日閲覧。
  8. ^ Ouninpohja、よりフィンランド語に近い表記ではオウニンポホヤ。
  9. ^ "ラリーフィンランドにオウニンポウヤが復活". RALLY PLUS.NET.(2012年2月16日)2013年12月13日閲覧。
  10. ^ "大ジャンプはコ・ドライバーの脅威!? オウニンポヤへの挑戦". SUBARU モータースポーツ.(2004年8月7日)2014年1月3日閲覧。

外部リンク

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