日本における2009年新型インフルエンザ
日本における2009年新型インフルエンザの感染は、2009年5月9日に成田空港での検疫でカナダの交流事業から帰国した高校生ら3人において初めて確認された[3- 1]。 5月16日には国内で初めての感染が確認され[3- 2]、その後兵庫県や大阪府の高校生を中心に急速に感染が拡大した。
当初は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第7項の「新型インフルエンザ等感染症」に分類され、感染者は強制入院の対象となっていたが、2009年6月19日に厚生労働省がこの方針を変更し、季節性インフルエンザとほぼ同等の扱いとなっている[2- 1]。また、同年7月24日からは感染者数の全数把握を中止し、クラスターサーベイランスに移行した[2- 2] [2- 3] [2- 4]。
2010年1月3日までに、日本では203人が新型インフルエンザにより死亡したと発表されている [3- 3]。 これらの死者は、気管支喘息や糖尿病などの基礎疾患(持病)を持っている者が多かった。しかし、死因が新型インフルエンザと確定しきれない例なども含まれている。
H1N1亜型は猛威を振るうことはなく、大量に蓄えられたオセルタミビル(タミフル)は不発に終わった。
背景と収束
[編集]2004年1月の山口県の養鶏場において、日本では79年ぶりにH5N1型の高病原性鳥インフルエンザが流行し、多くの鳥が死んでいる映像が報道され、行政によって大量処分がなされ大々的に注目されるようになり、2005年2月大分県で、続いて京都府で確認された。
また大韓民国・中華人民共和国・東南アジアで、鳥インフルエンザの流行が報道され、翌2006年から2008年でもH5N2型も含め日本の養鶏場から、また2008年4月には、十和田湖とサロマ湖で死んでいた白鳥からも、鳥インフルエンザウイルスが発見され、人間には感染しにくいが、インフルエンザウイルスは変異しやすいため、種を超えて数千万人の死者を出した1918年のスペインかぜのようなインフルエンザのパンデミックを引き起こしかねない、抗体をもつワクチンの製造には、6か月かかるため接種の優先順位を定め、国家レベルで重症化を防ぐために抗ウイルス薬のノイラミニダーゼ阻害薬(タミフルなど)を備蓄すべきだ、日本は対策が遅れていると、そのように世論が煽られていたさなかにあった[2]。
本来、H5N1の鳥インフルエンザの予測と対策で論じられてきた脅威であったが[3]、そのようなさなかに、H1N1亜型の新型インフルエンザ(豚インフルエンザが由来)のパンデミック宣言が2009年6月に世界保健機関からなされ、かつ死者は少ないことを喚起し、ほとんどが軽症で処置がなくても快復するものであり、致命的な症例の急激な拡大の性質がないものであった[4]。
世界で新型インフルエンザの感染が報告されてから1か月、5月25日には、テレビ朝日のゴールデンタイムの報道番組「報道発ドキュメンタリ宣言」では、「緊急特集 感染拡大 WHO女性監視官は見た」[5]として、WHO感染症監視対策チームの中村理子に関西での感染調査を依頼してそれを報道した。番組では、WHO新型インフル対策改訂メンバーの賀来満男は、今回の新型インフルエンザは病原性が低いため外出を控えることはないこと、まずタミフルで重症化を防ぐことが大切とコメントした。
大量に蓄えられた処方箋医薬品は不発に終わった。世界でも、欧州評議会は、国際的な豚インフルエンザ・キャンペーンは製薬会社の影響を受けているとして調査を開始[6]。『BMJ』(英国医師会雑誌)もタミフル・キャンペーンとしてサイトを立ち上げ[7]、備蓄に値するほどの有効性があるのか、調査を開始した。
日本でも同様に不発であり、参議院議員の山谷えり子も、インフルエンザワクチン確保の決定は正しくなかったと述べた。
大臣政務官(藤田一枝君)その意見等を踏まえて、政府の新型インフルエンザ対策本部が二十一年十月一日に新型インフルエンザワクチン接種の基本方針というものを策定をいたしまして、二回接種を前提としたワクチンを、七千七百万人分程度のワクチンを確保する方針を決定したところでございます。
○山谷えり子君 その決定は、だから正しくなかったんですね。結局、弱毒性で、はやりもなかったということでたくさん余っちゃったんですよ、注文したのが。だから、外資の製薬会社に違約金を払わなければならなくなりました。 — 参議院内閣委員会. 第180回国会. Vol. 12. 17 April 2012.
感染の状況
[編集]厚生労働省は、重症化や死亡した例などを除いて、新型インフルエンザかどうかを調べるPCR(遺伝子)検査を当分の間行わなくてよいとしたため、現在の国内の正確な感染者数は不明である。国立感染症研究所が発表した、全国約5000カ所の定点医療機関での2009年11月18日現在の都道府県ごとに簡易検査でインフルエンザA型と診断された人数と、これら1医療機関あたりの人数を下の表に掲げる。また、この表には、2009年11月21日までの新型インフルエンザによる死者数(疑い含む)も含ませてある。
もちろん、全国の感染者数はずっと多く、2009年11月9日~11月15日に全国でインフルエンザに新たに感染した患者が推計で164万人、累計の患者数も902万人に上ることが2009年11月20日に国立感染症研究所から発表された [3- 4]。
しかし、この新型インフルエンザは誰もが感染する可能性があり、予期せぬ重症化や死亡も小児を中心に多数報告されている。また、ウイルスの変異による強毒化などの可能性もあるため、引き続き警戒が必要である。
※1 新型か季節性かは不明だが、ほとんどは新型と考えてよい[2- 5]。
都道府県 | 感染(※1) | 1医療機関あたり | 死亡(疑い含む) |
---|---|---|---|
合計(全体) | 169095+ | 35.15+ | 68[8] |
愛知県 | 11447+ | 58.70+ | 7[8] |
大分県 | 3111+ | 53.64+ | |
石川県 | 2389+ | 49.77+ | |
山口県 | 3456+ | 48.68+ | |
新潟県 | 4557+ | 46.98+ | |
福岡県 | 9208+ | 46.51+ | 3[8] |
秋田県 | 2554+ | 46.44+ | |
滋賀県 | 2409+ | 46.33+ | 1[8] |
佐賀県 | 1729+ | 44.33+ | |
香川県 | 1950+ | 41.49+ | |
長野県 | 3625+ | 41.19+ | 1[8] |
鹿児島県 | 3721+ | 40.45+ | 1[8] |
宮崎県 | 2375+ | 40.25+ | |
高知県 | 1863+ | 38.81+ | 1[8] |
青森県 | 2517+ | 38.72+ | 1[8] |
三重県 | 2713+ | 37.68+ | 1[8] |
宮城県 | 3543+ | 37.29+ | 3[8] |
埼玉県 | 9197+ | 37.08+ | 3[8] |
山形県 | 1774+ | 36.96+ | |
岡山県 | 2954+ | 35.17+ | |
千葉県 | 7309+ | 35.14+ | |
長崎県 | 2442+ | 34.89+ | |
群馬県 | 3446+ | 34.46+ | |
岩手県 | 2191+ | 34.23+ | 1[8] |
広島県 | 3820+ | 33.22+ | 1[8] |
愛媛県 | 2002+ | 32.82+ | |
福島県 | 2616+ | 32.70+ | |
神奈川県 | 10509+ | 32.44+ | 8[8] |
沖縄県 | 1872+ | 32.28+ | 2[8] |
福井県 | 1029+ | 32.16+ | 1[8] |
兵庫県 | 6354+ | 31.93+ | 8[8] |
茨城県 | 3809+ | 31.74+ | 1[8] |
岐阜県 | 2742+ | 31.52+ | |
山梨県 | 1259+ | 31.48+ | |
栃木県 | 2365+ | 31.12+ | 2[8] |
京都府 | 3787+ | 30.54+ | 4[8] |
北海道 | 6767+ | 29.68+ | 3[8] |
富山県 | 1424+ | 29.67+ | |
徳島県 | 1135+ | 29.10+ | |
熊本県 | 2183+ | 27.29+ | 1[8] |
大阪府 | 8293+ | 27.19+ | 7[8] |
奈良県 | 1480+ | 26.91+ | 1[8] |
静岡県 | 3414+ | 25.67+ | |
和歌山県 | 1282+ | 25.64+ | |
東京都 | 7076+ | 24.57+ | 6[8] |
島根県 | 896+ | 23.58+ | |
鳥取県 | 501+ | 17.28+ |
発生からの動き
[編集]2009年
[編集]4月
[編集]- 4月28日
5月
[編集]- 5月1日
- 5月6日
- 5月7日
- 5月8日
- 5月9日
- 5月10日
- 前日、感染が確認された3人の濃厚接触者として、成田空港に留め置かれていた大阪の男子高校生1人が新たに新型インフルエンザに感染していることが確認された。この男子高校生は、前日に感染が確認された3人とカナダで共に行動することが多かったという[3- 22]。
- 5月12日
- 沖縄県嘉手納基地で、県、国、在沖米軍の衛生部門により、新型インフルエンザ対策について組織的な連携体制を確認するための合同対策会議(非公開)が開催された[9]。米軍は、嘉手納基地に到着した航空機の搭乗者について簡易検査を実施しているが、PCR検査はできないとのことで、米軍側からPCR検査の依頼があった場合、沖縄県衛生環境研究所が協力することになった[9]。
- 検査依頼は 6月10日~8月10日の間に6 件あり、PCR検査によるA(H1N1)pdm09陽性例は4件であった[9]。
- 沖縄県嘉手納基地で、県、国、在沖米軍の衛生部門により、新型インフルエンザ対策について組織的な連携体制を確認するための合同対策会議(非公開)が開催された[9]。米軍は、嘉手納基地に到着した航空機の搭乗者について簡易検査を実施しているが、PCR検査はできないとのことで、米軍側からPCR検査の依頼があった場合、沖縄県衛生環境研究所が協力することになった[9]。
- 5月16日
- 5月17日
- 5月18日
- 5月19日
- 5月20日
- 5月21日
- 5月22日
- 日本国政府は麻生首相と全閣僚による「新型インフルエンザ対策本部」の会合を開いた。この中で、新型インフルエンザが弱毒性であることを踏まえた新たな「基本的対処方針」を決定し、今後の対策を感染拡大の防止と糖尿病などの持病があり重篤化する恐れのある人の感染防止・治療に集中するとした[2- 19]。
- また、厚生労働省別途「運用方針」を定め、「患者が少数で感染拡大防止に努めるべき地域」と「急速な患者数の増加が見られ重症化の防止に重点を置くべき地域」の二つに分類した。大阪府や兵庫県のような「急速な患者数の増加が見られ重症化の防止に重点を置くべき地域」に分類された地域では、一般の医療機関での診療や自宅療養を認めるなどをした[2- 20]。
- このほか、水際対策も大幅に縮小され、メキシコ、米本土、カナダからの旅客便の一律の機内検疫は終了した。また、患者の周辺にいた旅客の停留措置も行わないこととした[2- 21]。
- 埼玉県は、鷲宮町の29歳男性が新型がインフルエンザに感染したと発表した。埼玉県内では初[3- 34]。
- この日昼までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった5人を含め、7都府県で累計302人になった[3- 35]。
- 5月23日
- 厚生労働省は、神戸市で初めて新型インフルエンザの国内感染が確認されて以来1週間の患者数の推移を公表し、「ここ数日は新規の発症者が減ってきた」との見方を明らかにした[2- 22]。
- 5月24日
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった6人を含め、7都府県で累計343人になった[3- 36]。
- 5月25日
- 5月26日
- 5月27日
- 5月28日
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった8人を含め、10都府県で累計367人になった[3- 43]。
- 5月29日
- 製品評価技術基盤機構と国立感染症研究所は、関西での新型インフルエンザの集団感染は同一のウイルスで起きたと考えられると発表した。また、8日に成田空港の検疫で見つかった患者のウイルスとは別系統のもだったとした[4- 1]。
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった8人を含め、10都府県で累計370人になった[3- 44]。
- 5月30日
- 5月31日
6月
[編集]- 6月1日
- 6月2日
- 6月3日
- 6月4日
- この日昼までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった8人を含め、16都府県で累計410人になった[3- 55]。
- 6月5日
- 6月6日
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった8人を含め、16都府県で累計420人になった[3- 57]。
- 6月8日
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった8人を含め、16都府県で累計457人になった[3- 58]。
- 6月9日
- 6月10日
- 6月11日
- 6月12日
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった10人を含め、22都道府県で累計571人になった[3- 68]。
- 6月13日
- 6月15日
- 6月16日
- 栃木県は、宇都宮市の幼児2人が新型インフルエンザに感染したと発表した。栃木県内では初[3- 74]。
- 奈良県は、奈良市の20歳代の女性が新型インフルエンザに感染したと発表した。奈良県内では初[3- 75]。
- 長崎県は、長崎市の29歳の女性が新型インフルエンザに感染したと発表した。長崎県内では初[3- 76]。
- 岐阜県は、関ケ原町の8歳の男児と多治見市の10歳代の男性の2人が新型インフルエンザに感染したと発表した。岐阜県内では初[3- 77]。
- 愛媛県は、伊予市の20歳代の男性が新型インフルエンザに感染したと発表した。愛媛県内では初[3- 78]。
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった10人を含め、30都道府県で累計661人になった[3- 79]。
- 6月17日
- 6月18日
- 6月19日
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった11人を含め、33都道府県で累計774人になった[3- 85]。
- 6月20日
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった11人を含め、33都道府県で累計818人になった[3- 86]。
- 6月21日
- 6月23日
- 6月24日
- 6月25日
- 6月26日
- 6月28日
- 金沢市は、市内で開かれたフィギュアスケートショーへの参加で来日した20~30歳代のロシア人男女計3人が新型インフルエンザに感染したと発表した。石川県内では初[3- 98]。
- 高知県は、南国市の30歳代の女性が新型インフルエンザに感染したと発表した。高知県内では初[3- 99]。
- 厚生労働省は、新型インフルエンザの患者全員について報告を求めるのを7月中旬に中止することを明らかにした。その後は抜き出し調査に変更し、学校や職場などで複数の患者が出た場合の届け出は求め、集団発生の早期把握に重点を置く方針を示した[3- 100]。
- この日までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった11人を含め、41都道府県で累計1216人になった[3- 101]。
- 6月29日
- 6月30日
7月
[編集]- 7月1日
- この日午前11時までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった15人を含め、44都道府県で累計1351人になった[3- 106]。
- 7月2日
- この日午前11時までに国内で確認された患者数は、成田空港での検疫で見つかった15人を含め、44都道府県で累計1443人になった[3- 107]。
- 7月3日
8月
[編集]- 沖縄県宜野湾市の57歳男性が新型インフルエンザで死亡。日本初の死者。県によると、この男性は人工透析を受けており心臓に持病があったという[10]。
- 夏の甲子園大会において、選手や応援団に感染者が続出した。また24時間テレビ 「愛は地球を救う」に出演した芸能人などにも感染が広がり、「真夏のインフルエンザ大流行」として耳目を集めることとなった。
10月
[編集]- 10月14日
- 日本では26人が(疑い含む)新型インフルエンザにより死亡している[3- 109]。
11月
[編集]- 11月6日
- 国立感染症研究所によると、10月26日~11月1日に全国で新型インフルエンザに新たに感染した患者は推計で154万人、累計の患者数も585万人に上ることがわかった[3- 110]。
2010年
[編集]3月
[編集]- 3月31日
- 厚生労働省が新型インフルエンザの最初の流行が沈静化したとの見解を表明、第一波の終息を宣言[2- 27]。
第1波
[編集]2009年4月27日-6月18日:発熱相談センターへ相談の後、発熱外来を受診・検査
感染可能性[5- 1] | 発熱、せき、鼻水、のどの痛み等の症状がある (症状がおさまった場合も含む)[5- 2] |
症状がない | |
---|---|---|---|
感染が報告されている地域への渡航歴・滞在歴 (国内外) |
日本における流行前線情報DB |
発熱相談センターへ電話の後、症状等から新型インフルエンザに感染していると医師が疑う場合[5- 3]、発熱センターの指定日時に、指定された交通機関で、指定された入り口から、指定医療機関を受診し、PCR(遺伝子検査)等を行う。病院には高齢者・人工透析・心臓疾患・糖尿病・呼吸器疾患・妊婦・乳幼児など重症化/死亡する可能性のある人々が多数集まっているので、感染拡大・・感染者の重症化・死亡を防ぐため、発熱センターへ事前に連絡しないまま通院してはいけない。 | 発症前に診断することは困難[5- 4] |
感染者または疑似症患者との接触歴 (2メートル以内に接近) | |||
周囲にインフルエンザ症状を呈する者が3名以上 (職場、学校、家族など) | |||
周囲に他の疾患が流行していない |
6月19日以降は、通院前に電話で受診時間などを確認[5- 5]することを前提に、全診療機関で受診。
第2波
[編集]医師・看護師・救急関係者・保健所など関係者の献身的な努力により、日本は世界でもまれな著しい死亡率の低さを記録[6- 1]。
案内 (予防と受診) |
急な発熱からタミフルなど投薬までの目標時間 | 重症 (呼吸困難・ 異常に早い呼吸・ けいれん・ 意識障害など) |
軽症 (急な38度以上の熱・ せき・ のどの痛みなど 通常の風邪と同程度[6- 2]) |
症状がない | |
---|---|---|---|---|---|
妊娠中の女性 | 日本産科婦人科学会 | 5歳以下: 24時間以内[6- 3] 5歳以上: 48時間以内 |
小児: すぐに、小児救急電話相談(8000番)へ電話するか、救急車を呼ぶ。119番の際は、必ずインフルエンザの症状があると伝える。 大人: すぐに、救急車を呼ぶ(119番)。必ずインフルエンザの症状があると伝える。 |
■かかりつけ医がある場合 必ず、受診前にかかりつけ医に電話し、持病の病名を告げ、指示を確認。あらかじめ医師が許可した場合は、かかりつけ医への電話で抗インフルエンザ治療薬と慢性疾患治療薬のファックス処方が可能(右欄参照[6- 4][6- 5][6- 6]) ■近くの一般病院受診を指示された場合 必ず受診前に、通院予定の近くの一般病院(相談窓口)に電話し、通院時間・通院場所など確認し、指示に従って受診[6- 2]。総合病院や救急病院は避ける ■かかりつけ医がない場合 「近くの一般病院受診を指示された場合」と同じ ■家庭での投薬 重症化に備え、なるべく早期の通院を推奨、風邪薬・消炎鎮痛薬(処方薬・市販薬)などは、インフルエンザが重症化した際に治療薬の効果を阻害したり脳症が発生しやすいため、必ず、服用前に医師・薬局などへ確認。大人用の薬は子供に服用させてはならない(15歳以下は服用してはならない薬参照) |
■相談 感染時・感染拡大時の対応をあらかじめかかりつけ医と相談(感染時に受診する医療機関の確認、感染時に必要な薬など確認、感染・感染拡大に備えた常備薬の備蓄、感染時にインフルエンザ治療薬と同時に服用してはならない薬の確認など) ■ファックス処方が可能 定期受診患者と発熱時に発熱外来を受診した患者は、あらかじめファックス処方を申し込むと、以降本人は医療機関へ出かけることなく電話問診のみで、希望する薬局で家族が慢性疾患や抗インフルエンザなど必要な薬を受け取ることができる[6- 4][6- 5][6- 6] ■かかりつけ医がない場合 ぜんそくなど持病がある場合は、発症時対応可能な医療機関を探し、夜間・土日祝日の連絡先を確保 |
5歳以下の子供[6- 3] | 日本小児科学会 厚労省 | ||||
慢性呼吸器疾患 | 日本呼吸器学会 厚労省 | ||||
代謝性疾患 (糖尿病など) |
糖尿病情報センター | ||||
腎機能障害 | 透析医会、厚労省 | ||||
免疫機能不全(癌など) | 日本癌学会 日本呼吸器学会 | ||||
慢性心疾患 | 日本呼吸器学会 | ||||
65歳以上の人 | |||||
かかりつけ医がある人 (発熱外来受診暦も) | |||||
その他全ての人 | 発症前に抗インフルエンザ薬を投与すべきでない。予防投与による薬剤耐性ウイルス出現が懸念されている。発症前の診断は困難 |
脚注
[編集]ワクチン関連情報
[編集]- ^ “新型インフルワクチン、年内に2千万人分製造…厚労省方針”. 読売新聞 (2009年6月5日3時16分). 2009年10月10日閲覧。
- ^ “新型インフルワクチン、年内に2500万人分確保…厚労省”. 読売新聞 (2009年6月9日21時22分). 2009年10月10日閲覧。
- ^ “新型インフル、接種は子ども・妊婦優先…諮問委員長”. 読売新聞 (2009年6月24日23時48分). 2009年10月14日閲覧。
- ^ “新型用ワクチン、年内は試算より1千万人分減”. 読売新聞 (2009年7月3日19時6分). 2009年11月13日閲覧。
政府などの対応
[編集]- ^ “新型インフル、全医療機関で診療…厚労省が運用指針改定”. 読売新聞 (2009年6月19日). 2009年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月10日閲覧。
- ^ 厚生労働省 新型インフルエンザ対策推進本部事務局 (2009年7月24日). “新型インフルエンザ (A/H1N1) に係る今後のサーベイランス体制について” (PDF). 厚生労働省. 事務連絡 (各都道府県・保健所設置市・特別区 衛生主管部(局)長宛). 2024年4月16日閲覧。
- ^ 清水健二「新型インフルエンザ:全数把握を中止 集団監視に切り替え--厚労省」『毎日新聞』毎日新聞社、2009年7月23日、東京朝刊 1頁 政治面。
- ^ “新型インフル再び拡大の恐れ、感染5000人突破”. 読売新聞 (2009年7月24日). 2009年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月10日閲覧。
- ^ インフルエンザウイルス分離・検出状況
- ^ 政府、豚インフルで「対策本部」設置…首相を本部長に, YOMIURI ONLINE, 読売新聞社(2009-04-28). 2009-05-09閲覧.
- ^ a b 豚インフルエンザ:WHO、警戒引き上げ 日本政府、「新型」発生を宣言, 毎日jp, 毎日新聞社(2009-04-28). 2009-05-09閲覧.
- ^ 新型インフルエンザ:国内3空港で機内検疫開始, 毎日jp, 毎日新聞社(2009-04-29). 2009-05-09閲覧.
- ^ 「国立感染症研究所」を詐称したブタインフルエンザ関連メールにご注意ください, 国立感染症研究所(2009-04-28). 2009-05-09閲覧.
- ^ “【新型インフル】都が「疑い例」を届け出ず すでに数人”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2009年5月6日) 2009年5月9日閲覧。
- ^ a b “【新型インフル】都の独自検査「疑い例」9件、「国への届け出基準に該当せず”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2009年5月6日) 2009年5月9日閲覧。
- ^ “新型インフル、感染2400人超す”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2009年5月8日) 2009年5月9日閲覧。
- ^ “【新型インフル】フェーズ6にも国内事情で柔軟対応 舛添厚労相”. 産経新聞. (2009年5月8日) 2009年5月9日閲覧。
- ^ “帰国児童ら10日間出席停止 新型インフルで、北九州市教委”. 東京新聞 TOKYO Web. 共同通信社 (中日新聞社). (2009年5月8日) 2009年5月9日閲覧。
- ^ “新型インフル対策「国内発生早期」に引き上げ確認”. 読売新聞 (2009年5月16日15時58分). 2009年9月20日閲覧。
- ^ “新型インフル国内感染数96人に…成田検疫4人を含め”. 読売新聞 (2009年5月18日2時5分). 2009年9月21日閲覧。
- ^ “新型インフル、国内感染者130人に拡大”. 読売新聞 (2009年5月18日14時54分). 2009年9月22日閲覧。
- ^ “新型インフル「濃厚接触者」2900人に…厚労省”. 読売新聞 (2009年5月19日20時18分). 2009年9月22日閲覧。
- ^ “患者数で地域分けて対応、自宅療養も認める…政府新方針”. 読売新聞 (2009年5月22日3時14分). 2009年9月26日閲覧。
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関連項目
[編集]- 木村盛世 - 当時の厚生労働省医系技官。厚生労働省の新型インフルエンザ対策を批判した。
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法 - 2009年(平成21年)に大流行したH1N1亜型新型インフルエンザウイルスへの対応が混乱したことを踏まえ、2012年(平成24年)に特別措置法が制定された。