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2002 FIFAワールドカップの決勝トーナメント(ノックアウトステージ)は、8組のグループステージの上位2チーム(合計16チーム)が進出し、シングルエリミネーションスタイルのトーナメントを行う。
以下、表記時刻はすべて日本標準時または韓国標準時(共にUTC+9)。
決勝トーナメントでは、90分(前後半45分)が終了しても同点の場合は、30分(前後半15分)の延長戦を実施する。延長戦はゴールデンゴール方式を採用し、どちらかの得点があった場合はその時点で試合終了となる。延長戦後も同点の場合はPK戦によって勝者を決定する。
8つのグループのそれぞれ上位2チームが決勝トーナメントに進出する。
決勝トーナメントでは、どの国もラウンド16から準決勝までは同じ国で対戦するように組み合わせが設定されたが、ラウンド16の組み合わせが全てグループA-D(韓国で対戦)とグループE-H(日本で対戦)の組み合わせとなったことから、16ヶ国中8ヶ国はグループステージ終了後に日本から韓国へ(或いはその逆)の移動が必要となった。
- マン・オブ・マッチ
- リバウド
- 副審
- ユーリ・デュパノフ
- モハマド・サイード
- 第4の審判員
- 上川徹
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この試合は、主審のバイロン・モレノの複数のジャッジが物議を醸した。
前半5分にはイタリアDFクリスティアン・パヌッチがペナルティエリア内で韓国FW薛琦鉉を倒したとしてペナルティーキックの判定を与え(これは安貞桓のキックをジャンルイジ・ブッフォンが防いで得点ならず)、後半27分には韓国FW黄善洪がイタリアMFジャンルカ・ザンブロッタの臀部に足裏を見せるレッドカードに相当するようなタックルをした(このプレーでザンブロッタは交代を余儀なくされた)ものの黄善洪に警告すら出さず、延長前半15分にはイタリアFWフランチェスコ・トッティがペナルティエリア内で相手に倒されたプレーを「トッティのシミュレーション」と判断して2枚目のイエローカードを提示、さらには延長後半5分にはイタリアMFダミアーノ・トンマージがゴールデンゴールを挙げたように見えたプレーをオフサイドの判定で取り消し、最終的に韓国FW安貞桓のゴールデンゴールで韓国がイタリアを破りアジア勢36年ぶりの準々決勝進出をもたらす結末となった[1][2][3][4][5][6][7]。
イタリアに不利になるジャッジが立て続けに続いた内容(特にトッティへの2枚目のイエローカード判定)は試合直後から猛烈に批判され[2]、イタリアを意図的に敗退させる為のジャッジだったのではないかとの声が挙がった[8]ほか、監督のジョバンニ・トラパットーニは主催国の一方がトーナメントに残るように企てられたFIFAによる陰謀ではないかとの発言を残している[9]。FIFA会長のゼップ・ブラッターはトンマージのオフサイド判定は副審による「事故」のようなものだとしてモレノのジャッジを批判したものの、「イタリアが敗退したのは、主審や副審が意図的ではなく人為的なミスを犯したからだけではない。イタリアは守備と攻撃の両方でミスを犯した」と述べてFIFAによる陰謀論を否定している[5][10]。
トッティへの2枚目のイエローカードと、トンマージのオフサイド判定についてはFIFAが設立100周年を記念して企画されたDVD「FIFA FEVER」内でワールドカップ史上に残る誤審10選の2つに取り上げられている[11]が、モレノ自身は2022年4月のガゼッタ・デロ・スポルトによるインタビューで、自身の明確なミスジャッジは黄善洪にレッドカードを出さなかったことだけだったとした上で「(この試合の)自己採点をするなら(10点満点で)8.5」「韓国対イタリア戦は、レフェリー人生最高の試合の1つ」と述べている[7]。
この試合は、ガマル・ガンドゥール率いる審判団の下した2つのゴール取り消し判定が試合結果に大きな影響を及ぼした。
後半3分、スペインのフリーキックをMFルベン・バラハが合わせてゴールを決めたかのように見えたが、ガンドゥールはスペインにシャツを引っ張った行為があったとしてゴールを取り消し。さらに延長前半2分には右サイドを突破したFWホアキン・サンチェスのクロスからFWフェルナンド・モリエンテスがヘディングシュートを決めたかのように見えたが、今度はホアキンのクロスの前にボールがゴールラインを割っていたとして再びゴールを取り消す(リプレイ映像を見る限り、ボールはゴールラインを割っているように見えなかった)。この結果、試合は延長を含めた120分間でスコアレスに終わり、PK戦の末韓国が準決勝進出を決めた[12]。試合後、スペインFWイバン・エルゲラは激昂して「ここで起こったことは(審判団による)強盗だ」と叫びながら審判団に詰め寄り、仲間に引き留められる事態となった[13]。
韓国が決勝トーナメントで2試合続けて「疑惑の判定」で勝ち上がったことについて、デイリー・テレグラフは記事の冒頭で「警告: 韓国を応援するな。彼らにはワールドカップの準決勝に出場する権利はない」「記録は嘘で、この大会は茶番劇に堕ちた」と激しい論調で断じた[13]。また、試合から19年後の2021年6月22日にはスペインのスポーツ紙「AS」の公式Instagramが「19年前の今日、スペインは物議を醸しているアル=ガンドゥールの判定により韓国のW杯で敗退した」との文章を添えてこの試合の写真3枚を投稿すると、多くの反響が寄せられた[14]。なお、この試合の2つのゴール取り消し判定もFIFA設立100周年記念DVD「FIFA FEVER」内でワールドカップ史上に残る誤審10選の2つに取り上げられている[11]