under the same sky
『under the same sky』は、ゲームブランドTYPE-MOONによるスマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』(以下:FGO)のサービス5周年を記念して2020年に展開された、一連の新聞広告である。
この広告は日本全国47の名所をサーヴァントたちが訪れるという内容であり、広告にはサーヴァントたちのコメントが寄せられている[1]。 この広告は、全国の地方紙47紙と全国紙1紙(読売新聞朝刊)に掲載された[2][3]。
また、7月には阪急大阪梅田駅にてこれまでの新聞広告48点を一つの看板として掲出したほか、地下鉄御堂筋線梅田駅のホーム内のデジタルサイネージにこれらの新聞広告を2分半の映像として流した[2]。 さらに、2020年8月5日には、これらの新聞広告がゲーム内アイテムの一種である概念礼装「英霊紀行」として期間限定で配信された[4]。 このほかにも、本広告を題材とした画集「Fate/Grand Order 5th Anniversary "under the same sky" advertising works」なども期間限定で販売された[5]。
広告一覧
[編集]都道府県 | 掲載紙 | 題材 | サーヴァント | 脚注 |
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5月4日(関東・甲信) | ||||
東京都(全国) | 読売新聞 | SHIBUYA SKY | マシュ・キリエライト | [6] |
東京都 | 東京新聞 | 東京タワー | アルトリア・ペンドラゴン(セイバー) | [7] |
埼玉県 | 埼玉新聞 | 首都圏外郭放水路 | エレシュキガル | [8][6] |
千葉県 | 千葉日報 | 濃溝の滝 | ゲオルギウス | [6] |
神奈川県 | 神奈川新聞 | 横浜赤レンガ倉庫 | レオナルド・ダ・ヴィンチ | [6] |
群馬県 | 上毛新聞 | 尾瀬 | ベディヴィエール | [6] |
栃木県 | 下野新聞 | 華厳の滝 | 玄奘三蔵 | [6] |
茨城県 | 茨城新聞 | 偕楽園 | 加藤段蔵 | [6] |
山梨県 | 山梨日日新聞 | 富士山(逆さ富士) | ポール・バニヤン | [6] |
長野県 | 信濃毎日新聞 | 槍ヶ岳と雲海 | キングプロテア | [6][8] |
静岡県 | 静岡新聞 | 富士山南麓 | 葛飾北斎 | [6] |
5月25日(東海・北陸) | ||||
新潟県 | 新潟日報 | 苗場スキー場 | 風魔小太郎 | [9] |
富山県 | 北日本新聞 | 雪の大谷 | スカサハ=スカディ | [10][9] |
石川県 | 北國新聞 | 白米千枚田 | 紅閻魔 | [10][9] |
福井県 | 福井新聞 | 東尋坊 | 虞美人 | [10][9] |
岐阜県 | 岐阜新聞 | 白川郷 | シャーロック・ホームズ | [10][9] |
愛知県 | 中日新聞 | 手筒花火 | 森長可 | [10][9] |
6月3日(九州・沖縄) | ||||
福岡県 | 西日本新聞 | 中洲屋台街 | 謎のヒロインX | [11] |
佐賀県 | 佐賀新聞 | 嘉瀬川河川敷(佐賀インターナショナルバルーンフェスタ) | イシュタル | [11][12] |
長崎県 | 長崎新聞 | ハウステンボス | マリー・アントワネット | [11] |
熊本県 | 熊本日日新聞 | 阿蘇カルデラ | 天草四郎 | [11] |
大分県 | 大分合同新聞 | 沈堕発電所跡 | フランケンシュタイン | [11] |
宮崎県 | 宮崎日日新聞 | 都井岬 | シグルド&ブリュンヒルデ | [11] |
鹿児島県 | 南日本新聞 | 屋久島 | ヘラクレス | [11] |
沖縄県 | 沖縄タイムス、琉球新報 | 石垣島 | マルタ | [11] |
6月13日(北海道・東北) | ||||
北海道 | 北海道新聞 | 富良野 | マーリン | [13] |
青森県 | 東奥日報、デーリー東北 | 十和田湖 | アビゲイル・ウィリアムズ | [13] |
秋田県 | 秋田魁新報 | 男鹿のナマハゲ | ジャック・ザ・リッパー | [13] |
岩手県 | 岩手日報 | わんこそば | 牛若丸&武蔵坊弁慶 | [13] |
山形県 | 山形新聞 | 蔵王樹氷 | アナスタシア | [13] |
宮城県 | 河北新報 | 松島 | 清少納言 | [13] |
福島県 | 福島民報 | 霧幻峡 | 燕青 | [13] |
7月6日(中国・四国) | ||||
鳥取県 | 日本海新聞 | 鳥取砂丘 | ニトクリス | [14] |
島根県 | 山陰中央新報 | 通天橋 | クー・フーリン〔オルタ〕 | [14] |
岡山県 | 山陽新聞 | 倉敷美観地区 | 紫式部 | [14] |
広島県 | 中国新聞 | 紅葉谷公園 | 蘭陵王 | [14] |
山口県 | 山口新聞 | 巌流島 | 佐々木小次郎 | [14] |
徳島県 | 徳島新聞 | 剣山 | アタランテ | [14] |
香川県 | 四国新聞 | 道の駅 小豆島オリーブ公園 | 宮本武蔵 | [15][14] |
愛媛県 | 愛媛新聞 | 道後温泉本館 | ジャガーマン | [14] |
高知県 | 高知新聞 | 桂浜 | 岡田以蔵 | [14] |
7月20日(近畿) | ||||
三重県 | 中日新聞 | 熊野古道 | メドゥーサ | [10][16] |
大阪府 | 朝日新聞・産経新聞(近畿地方) | 通天閣 | カルナ&アルジュナ | [17][16] |
兵庫県 | 神戸新聞 | 姫路城 | 刑部姫 | [17][16] |
京都府 | 京都新聞(京都府内版) | 小径 | 酒呑童子 | [17][16] |
滋賀県 | 京都新聞(滋賀県民版) | 満月寺 | 鈴鹿御前 | [16] |
奈良県 | 奈良新聞 | 長谷寺本堂 | 柳生但馬守宗矩 | [16] |
和歌山県 | 朝日新聞・産経新聞(和歌山県版) | 道成寺 | 清姫 | [16] |
制作
[編集]もともとこの広告は、5周年記念イベントとして2020年8月10日に東京ドームで行われる予定だった音楽イベント「Fate/Grand Order Fes.」を事前に盛り上げるためにつくられた[2]。 企画の担当者であるアニプレックスの渡邊力輝也は、「今まで夏の周年イベントでは、幕張メッセでのブース展示やステージイベントなどを行ってきた。しかし、今年は5周年という節目。リアルイベントに特化せず、期間を長くして徐々に盛り上げていきたいという思いがあった」と日経クロストレンドとのインタビューの中で説明している[2]。 新聞という媒体を利用した理由について、渡辺は「ゲームからTwitterなどへと、ネットやSNSを媒介としてコミュニケーションが生まれる傾向がある。だからこそ、新聞広告だけにとどまらない可能性を見越して、あえて選んだ」と話している[2]。また、当時は東京オリンピックの開催が予定されていたことから、テレビが東京五輪一色となる中であえて別のメディアを使うという意図もあった[2]。 加えて、地域に根差したものを直接届けたいという考えから、全国紙ではなく地方紙を中心に展開した[2]。
プロジェクト名の「under the same sky」について、FGO PROJECT側は「実世界に広がる空は、日本全国どこにいても共通のものであり、その空の下、実際にあるシチュエーションにゲームの中のサーヴァントを同居させることで、ゲームの外でもコンテンツとファンの心がいっしょであるように」という意味を込めたと説明している[1]。
全国各地の新聞への広告出稿にあたり、作品を知らない購読者が広告を見て興味を持ってもらえるよう、各都道府県で知られている場面の候補をうちだしていき、そこから場面にふさわしいサーヴァントを割り当てていった[1]。 広告にはサーヴァントたちのコメントが用意されており、あらかじめ用意した台詞の原案をゲームのライターチームが監修する形で作られた[1]。
反響
[編集]5月4日に、第1弾となる関東地方の新聞広告が公開された際、Twitter上では「#FGO5周年」や掲載新聞名[7]といった多数の関連ワードがトレンド入りした[1]。 Twitter上では初めて新聞を買ったという声や、自分の住む地域の新聞はどのサーヴァントが掲載されるか楽しみにするツイートが相次いだ[7]ほか、地元の名物とサーヴァントの意外な組み合わせに驚くツイートもあった[12]。FGO PROJECT側も広告出稿によるファンからの評判の良さを認識しているとし、ふだん新聞を読まないプレイヤーから新聞を購入したという声が寄せられたとも話している[1]。 一方で、J-CASTの野口博之によると、掲載紙を求めて奔走したり、フリマアプリで新聞広告を転売する者もいたとされている[8]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “【FGO】5周年記念広告“under the same sky”はどのようにして生まれたのか? 企画チームにインタビュー”. ファミ通.com. KADOKAWA (2020年6月9日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g “前代未聞!『FGO』が47都道府県の新聞広告を作った狙い 前編”. 日経クロストレンド (2020年9月24日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2020年4月8日). “「FGO」、5周年企画「under the same sky」発表。48騎のサーヴァント描き下ろしイラストを読売新聞・47都道府県の地方紙に掲載”. GAME Watch. 2021年3月15日閲覧。
- ^ 『『FGO』全48種の概念礼装“英霊紀行”が登場! “カルデア放送局5周年SP ~under the same sky~”配信キャンペーンは本日より開催 [ファミ通App]』(プレスリリース)ディライトワークス、2020年8月5日 。2021年3月15日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2020年8月5日). “「FGO」5周年企画「under the same sky」の関連グッズが予約受付スタート! 各地の新聞折込に掲載されていたイラストを全て収録した書籍も予約受付中!”. GAME Watch. 2021年3月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “【FGO】新聞広告イラスト解禁。5周年記念の日本縦断企画“under the same sky”ついにスタート”. ファミ通.com. KADOKAWA (2020年5月4日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ a b c “『FGO』ド派手新聞広告にファン騒然!各地の名所ごとに10紙別バージョン「掲載各紙名」トレンド入りも:中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2020年5月4日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ a b c “FGO、新聞への大型広告で大反響 コンビニでは品切れ報告、転売も...11紙横断で”. J-CAST ニュース (2020年5月4日). 2021年3月17日閲覧。
- ^ a b c d e f “【FGO】東海北陸地方の新聞広告が公開。次回は6月3日に掲載予定”. ファミ通.com. KADOKAWA (2020年5月25日). 2021年3月27日閲覧。
- ^ a b c d e f “落ち着いたら『FGO』の聖地を巡ろう! 5周年企画「under the same sky」の各地域まとめ―特徴やサーヴァントとの繋がり、小ネタ等を紹介【西日本編】”. インサイド (2020年7月23日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “【FGO】九州エリア8県の新聞広告が公開。次回は6月13日に掲載予定”. KADOKAWA (2020年6月3日). 2021年3月27日閲覧。
- ^ a b “スマホゲーム「FGO」の5周年記念広告に佐賀バージョン バルーン背景とコラボ”. (2020年6月3日) 2021年3月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g “【FGO】北海道・東北エリアの新聞広告が公開。次回は7月6日に掲載”. ファミ通.com. KADOKAWA (2020年6月13日). 2021年3月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “【FGO】中国・四国エリアの新聞広告が公開。今回は武蔵や以蔵など9騎!”. ファミ通.com. KADOKAWA (2020年7月6日). 2021年3月27日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2020年7月6日). “香川県はうどんを頬張る宮本武蔵! 「FGO」5周年企画「under the same sky」にて中国・四国地方のデザインが公開 鳥取砂丘を歩くニトクリスなども!”. GAME Watch. 2021年3月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g “【FGO】関西エリアの新聞広告が公開。カルナ&アルジュナや刑部姫など8騎が登場” (2020年7月20日). 2021年3月27日閲覧。
- ^ a b c 株式会社インプレス (2020年7月20日). “白鷺城でたこ焼きを頬張る刑部姫! 「FGO」5周年企画「under the same sky」、ラストを飾る関西エリアのイラストが公開 京都を歩く酒呑童子のイラストも!”. GAME Watch. 2021年3月15日閲覧。