筆者には、Habermehl氏が3Dテレビメーカーの広報担当者、あるいは少なくともメーカーからマーケティング費用をいくらか受け取っている人なのではないかと思われた。しかしそうではない。同氏は、「メーカーが資金を提供してくれるとしたら、それはうれしい」と言ったが、「アバター」がすでに10億ドルの興行収入を得ていることを指摘して、「業界はこの問題について懸念していないと思う」と付け加えた。
筆者個人としては、これ以上家電製品への支出を増やすためだけに治療を受けるつもりはない。ただ、Oliver Sacks博士がThe New Yorkerに寄稿した興味深い記事「Stereo Sue」を読んで、筆者のような人は何を失っているのだろうかと考えさせられた(関連する読み物として、Sacks氏の記事の題材となったSue Barry氏による「Fixing My Gaze」がある)。
視聴者が3Dで見ることができるかどうかにかかわらず、このテクノロジは否応なく、映画やテレビ番組の視覚表現手法を変えつつある。監督は3Dの映像を作る際、演技や奥行き、動きを伝えるのに、視聴者が2Dで慣れている映像表現手法に頼ることはできない。急なカットの切り替えやカメラの速い動きは、3Dを見慣れない視聴者を戸惑わせる可能性がある。新たに標準となる手法は、現在の2D映画とは逆に、カメラの位置を固定し、その周りのアクションを動かす。これからの良質の3D映画は、2D映像よりも多少荘厳で映画らしく見えるものになるだろう。
ウェブサイトHDGURU 3DのGary Merson氏によると、3DはCESであれほど大きな注目を集めたとはいえ、今後数年の間は、新しいテレビ製品の「一機能」となる可能性が高いという。「白黒がカラーになったのとは違う。インターネット接続やステレオと同じような、1つの機能だ」と同氏は言う。また、コンテンツがまだないこと、そして多くの消費者がブラウン管テレビからHD薄型テレビにアップグレードしたばかりであることも指摘した。
筆者のような、世界が平面に見える人々にとっては、この機能が普及するのはいくら遅くても遅過ぎることはない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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