かつてLGのマーケティング担当幹部を務めていた液晶テレビ協会(LCD TV Association)のBruce Berkoff氏によると、3Dに大きな注目が集まっているにもかかわらず、テレビメーカーはまだ、製品を店舗に置くことにそれほど投資しておらず、消費者がお金を払うと期待してもいないという。テレビで交互に切り替わる映像を表示して、電子シャッター眼鏡を通じて立体的に見えるようにする機能を追加するコストは高くない。コストが高いのは眼鏡そのものであり、3D対応テレビの中で実際に眼鏡が付属するのはごくわずかだ。よって消費者は間もなく、多額の支出を伴わずに3D対応テレビを買えるようになるという。
Berkoff氏を含め、筆者が3Dテレビについて話をした人全員が、良い3Dテレビは良い2Dテレビでもあるということに注意を促した。3D表示機能をオフにして、3D向けに作られたコンテンツを2Dで見る(つまり片眼向けの映像だけを表示する)ことができるはずだ。番組のリフレッシュレートが十分に高ければ、画質にそれほどの違いは感じないはずだ。
検眼士の立場から言えば、立体映像を処理できないというのは、多くの人にとって治療可能な状態であるという。College of Optometrists in Vision Developmentの代表であるBrad Habermehl博士は、筆者に対し「問題の根本原因が分かれば、必ずしも3D難民になる必要はない。立体視ができない人々の大多数には、対処方法がある」と語った。
Habermehl氏によると、3Dで見ることを人々に教える方法が存在するという。段階的な手法と物理的な支援手段(レンズ)を「補助輪」として使って、最終的に「両眼を、同一空間に焦点を結ぶように向ける」方法を習得することができる、と同氏は言う。これは自転車に乗るのと同じようなことで、一度乗り方を身に付けてしまえば、補助輪は不要になり、自転車に乗れないということがどういうことか想像もできなくなる。「視覚は確かに、習得するものだ。それが視覚訓練というものだ」(Habermehl氏)
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