社会人10年目、在米6年目。今年は
- 家を買った
- Rubyのブランチメンテナになった
- 子供が日本語のプリスクールも行き始めた
という感じの一年だった。
仕事
Ruby 3.4でも引き続きYJITの開発をがんばった。いろいろやったが、予告通りローカル変数へのレジスタ割付をサポートしたのがメインの仕事で、これは今年の前半からリリース直前まで作業が続いた難産であった。 Ruby 3.3ではコンパイル時のメタデータを固定長のstructに保管していたのが、3.4では可変長のバイト列で保存するようになったため、レジスタ割付に使うメタデータも妥協のないものにでき、性能的に妥協のないものが出せた。 一方、YJITは現在のデザインでやれる最適化はかなり出しつくした感があり、Ruby 3.5ではYARV命令やbasic blockの境界を超えた最適化がもっと簡単になるべきだと思う。
Ruby 3.4は、it
という機能を長年かけて提案し続けた結果ついにリリースできたバージョンでもある。
僕は _1
が入る前からこっちが欲しいという主張をしていて、実際 _1
が入った後も使ってみて違和感があったので、it
が入ったことで気持ちよくRubyが書けるようになって嬉しい。
それから、RubyKaigi 2024に行った時にRuby 3.3ブランチのメンテナをやらないかというお誘いを受けて、現在まで継続している。 今も .0 や .1 のリリースはなるせさんが担当しているのだが、.2 以降は安定版ブランチメンテナに引き継ぐことに元々なっていて、安定版ブランチが3つあるうちの一番新しいのを僕が担当することになっている。 僕が入ってから変えたポイントとしては、最新の安定版ブランチは原則2か月おきリリースでかつリリース予定日もあらかじめ告知するようになったところがある。 半年くらい前から日付を決めた結果、その後に決めた年明けの休暇と被ってしまって僕がやや困ってはいるのだが、ユーザー的にはバグ修正の頻度が期待と外れにくくなって嬉しいといいなと思う。
家
買った。厳密には家 (一軒家) ではなくcondominiumで、要するにアパートの一室を買っているような感じなのだが、住所は部屋番号じゃなくて番地がまるごともらえるので、その点は何か家所有している感が出ている。
前住んでいたマンションは、その綺麗さと新しさの割にはとても安い物件で、ほとんどの条件であれ以上のものは望めないと思っていが、学区という一点にのみ問題があった。 今回買った物件は、すごいガチガチのお受験地域とまではいかないが、そこそこいい学校に通える地域で、綺麗でお安く、十分な広さの物件だったので、見た瞬間自分の中では即決という感じだった。
今家を買うのには問題があって、アメリカではローンの金利が7%くらいが相場なのでとても高いのだが、全部キャッシュで出すという力技によりこの問題に対処した。 結果的に資産の大部分が不動産になってしまい、そこそこのオポチュニティコストがかかっているが、それ込みでも同条件の賃貸に住むよりお得そうな計算になるくらい良い条件であった。
IoT
IoTというものにそこまで興味はなかったのだが、賃貸ではない自分で改造し放題の家を手に入れた結果、目の前の不便さを解消し続けるうちに、気がつけば家がIoTガジェットだらけになっていた。
一番便利なのはスマートロックである。Apple HomeKeyに対応していて、iPhoneやApple Watchをかざすだけで鍵が開き、スマホのロック画面で鍵の閉め忘れにすぐ気付け、誰がいつ鍵を開けたかも見れるので大変便利。 このスマートロックが我が家のIoT第一号なのだが、Apple HomeKeyを使うためにPixelからiPhoneに乗り換え、Apple HomeKitのためにApple TV (Fire TV Stickの方が便利なのでTV機能は一切使ってない) も設置するはめになった。
あとはまあガレージのドアを開閉する奴が便利。最初レイテンシを懸念してBluetoothで直接通信する奴を使っていたが、Wi-Fiで通信する奴の方がHomeKitの連携などが便利で、特にレイテンシの問題もなく、便利だった。 スマートロックと同じく、iPhoneのロック画面でガレージのドアの閉め忘れに気付けるし、15分くらい開けっぱなしだと通知も送れる。
他にはスマートスイッチやスマートプラグとかが入っていて、リビングが2つ独立した照明がないと明るくならず、それを同時に操作するためにスマートスイッチを押すと二つの照明がつき、 他の照明を直接操作しても残りのスイッチと照明に状態が同期される地獄の分散システムになっている。 自分の部屋の照明もスマートスイッチでコントロールしていて、寝る前に部屋の照明を切るのをスマホからやったりしている。
それから、最初から家にあった洗濯機と乾燥機が小さい上にやや汚なめだったので買い替えたのだが、これもスマホと連携できるやつにして、洗濯や感想の終了後にスマホに通知を送ることで洗濯物の乾燥機への移し忘れ、たたみ忘れなどを防いでいる。 クーラーやヒーターもスマホに連携していて、家の外でつけたり、スケジュールを細かく指定できたりする。
子供
子供は英語のプリスクールに1年くらい通って、英語の環境にはある程度慣れたということで日本語のプリスクールにも通い始めた。 元々通ってた英語のプリスクールでも学年の変化後に仲の良い友達ができて、日本語の方でも友達を作ってきたので、親に似て内向的なのに友達と楽しく過ごせているようで嬉しい限り。
アメリカの小学校は幼稚園の年長にあたる年齢からKindergartenという形で始まるのだが、うちの子も来年それに入れる年齢なので、今月その申し込みを終わらせたところである。 日本とアメリカでは年度の区切りの月が違う関係で、日本の学校ではまだ年少の年齢なのだが、アメリカの方の学校だともう小学校に入るかと思うとすごい違いを感じる。
子供はテレビを見るのが好きで結構いろいろ見ていたのだが、長く見ていた奴では パウパトロール→おしり探偵→リラックマ(Netflix)→チキップダンサーズ→プリキュア→妖怪ウォッチ という感じだった気がする。 怖がりなので怖いシーンがあると試聴をやめており、例えばポケモンは戦闘シーンが怖くてすぐ見るのをやめ、プリキュアは割と試聴が続いたものの後の方で怖い悪役が出てきてやめたが、 妖怪ウォッチは戦わずに友達になって終わるし、怖い雰囲気のキャラも少なくて子供にやさしい。 この手のアニメはNetflixがラインナップが充実していて頼りにしていたが、U-NEXTの方がもっと充実していることに気付いて今はそれをメインで使っている。
2025年は
今年は新居での生活、税金、子供の学校などのための事務処理や、家で必要なものの選定などをやっていたらそれが思ったより時間を使ってしまい、 それ以外の活動の予定がズルズルと先延ばしになりがちだったのを来年はどうにかしたいと思う。 まだ世に出せてない活動がある(その関係でこのブログの更新も滞っていた)のだけど、それに使う時間管理をちゃんとやって、2025年中にある程度形になればいいなと。
他にも書けることはある気がするけど、年末に日本に一時帰国してからの日が浅く、時差ボケで眠いので今年はこの辺で。良いお年を。