「にじさんじ甲子園」とは何か? 30万人の聴衆を熱狂させる巨大配信イベントとなった理由

「にじさんじ甲子園」とは何か? 30万人の聴衆を熱狂させる巨大配信イベントとなった理由
「にじさんじ甲子園」とは何か? 30万人の聴衆を熱狂させる巨大配信イベントとなった理由

「にじさんじ甲子園2024」出場ライバー

バーチャルライバーグループ・にじさんじの名物企画「にじさんじ甲子園2024(ハッシュタグ:#にじ甲2024)」がスタートした。

「パワフルプロ野球」(KONAMI)シリーズを活用したゲーム大会であり、2020年の初開催以来、参加ライバーを中心にグループ全体、そしてファンの応援によって大きな盛り上がりを見せてきた。

大きく分けて、各参加ライバーの配信を伴う「選手の育成期間」と、大会本番である「本戦リーグ」の二部構成によって進行する本企画。にじさんじについてまだ知らない人や、最近知った人は、各配信の同時接続数の多さも含め、ファンたちの異様な盛り上がりに当惑するかもしれない。

そこで、本記事では「にじさんじ甲子園」の概略とその魅力を言語化した。その上で、育成期間がはじまった今大会の全容を改めておさらいしていこう。

最高同接数は30万以上「にじさんじ甲子園」の歴史

「にじさんじ甲子園」は、2020年から毎年夏に開催されている大型配信企画である。にじさんじライバーが“監督”となり、「パワフルプロ野球」シリーズのゲームモード「栄冠ナイン」で高校野球部を育成・対戦するという野球大会だ。

主催はにじさんじ所属の舞元啓介さんと、VTuber個人勢の天開司さんの2名。

舞元啓介さん/©ANYCOLOR, Inc.

天開司さん

グループ外VTuberが共同主催にいる理由は、「にじさんじ甲子園」が天開司の企画「実況パワフルクズ野球」(2019年)と「Vtuber甲子園」(2019年)を前身としているためである。

このため、2020年の初開催時は舞元啓介さんが主催(天開司さんはアンバサダーとして参加)、2021年から現在までは2人の共同主催の形を取っている。

初回から大きな反響を呼び、過去には決勝戦で最大同時接続数30万人以上を叩き出すなど、グループ屈指の人気配信企画となった「にじさんじ甲子園」。

なお、現在はKONAMI公式協力イベントとして開催されており、本年度はahamo、G-Tuneなどが協賛として参加。タイアップイベントとしても大きく注目を集めていることがうかがえる。

「にじさんじ甲子園2024」グッズ

応援Tシャツやタオルなどのグッズも発売されており、さながら現実の野球のように応援することができるのも特徴だ。

「栄冠ナイン」の仕様が変更 例年にない選手の育成期間

「にじさんじ甲子園」は、前述した通り、選手の育成期間と本戦リーグで分かれている。育成期間では各監督が「栄冠ナイン」で選手育成を行う配信を実施し、本戦リーグでは高校3年間で育ちきった選手を対戦させる。

また、育成期間に先駆けて「選手ドラフト」も配信されている。

「にじさんじ甲子園2024」のドラフト会議

今大会で使用するのは『パワフルプロ野球2024-2025』。7月18日に発売されて間もない新作であり、前作から「栄冠ナイン」の仕様が大きく変更。

これまでのシリーズよりも選手育成の難易度が向上したという声も各所から上がっている中で、各監督は育成方針を手探りで決断せざるを得ない、例年にない育成期間が展開されている。

なお、主催の舞元啓介さんは本大会発表直前まで、心身の不調を理由に長期活動休止していた。今回の「にじさんじ甲子園2024」は、彼にとってこの上ない復帰戦となる。

ファンにとっても舞元啓介さんの帰還とともに今大会の開催が決定したことは嬉しい一報だった。今回の「にじさんじ甲子園」は、過去大会とはまた違う熱気を帯びているようにも感じられる。

多数のにじさんじライバーが“擬似的”に参加

一見するとシンプルなゲーム大会のように見えるが、「にじさんじ甲子園」は約150名のライバーが所属する2大VTuber事務所の一角・にじさんじにおいても有数の“お祭り企画”である。

その最大の要因は、多数のにじさんじライバーが“擬似的”に参加する点にある。本企画では、各監督がゲーム内の選手たちの外見をカスタマイズし、様々なにじさんじライバーの名前を与えて(※)育成するのだ。

(※)各監督が選手(の名前に引用したい)ライバーを指名するドラフト会議も大人気だ。ドラフト会議は3巡目までが入札制、7巡目まではウェーバー制(=下位の球団から選手を順に指名する制度)が採用され、監督同士の指名合戦が繰り広げられる。8巡目以降はルーレットによるランダム抽選が実施され、監督にも予測のつかない選手獲得が盛り上がりを見せる。

約150名のVTuberが所属するにじさんじ/画像はANYCOLOR社の公式サイトより

「にじさんじ甲子園」では、企画に直接参加していないライバーも、名前と容姿が間接的に引用される。それによって監督をつとめるライバーが選手役のライバーを集めて高校野球部を結成すという構図がつくり出されている。

ゲーム内の選手へのにじさんじライバーのアサインは、各監督の手によって「こう育ってほしい」という思惑のもとに行われる。しかし、「栄冠ナイン」における育成には運が大きく絡む。

当初の思惑通りに育つか否かが、選手の育成期間の見どころの一つになる。

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匿名ハッコウくん

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