時として、荒削りな愛情は互いを傷つける。しかし、時を経て振り返ると澄み切った理解に至る。主人公がそれを得たのはかなり遅くなった方だが、早すぎて良くないというのではなかろう。 万感胸に迫る家族愛である。
エピソード自体はありふれた、泣かせることが前提とも言える王道小説。最初からだいたいオチも想像できます。なのに、わかっていてもなお胸が熱くなる。無駄のない、テンポのいい、読みやすい文章のおかげで物語に入り込みやすく、感情移入しやすいんだと思います。主人公目線からも、親目線からも泣ける。 個人的に1番よかったのが小説の終わり方。泣いて切なく終わるのでなく、次へと繋がるラスト。 終わり方も斬新ではないものの、思わず口角があがってしまう、明るい気持ちになる最高の終わり方に拍手。
グッときちゃいました… もちろん内容も良いんです、ただそれを際立たせているのは、きれいにまとまった一文一文でしょう。 確かに、語彙や言葉遣いは十分とは言えませんが、タンタンとリズムよく続く文章、速すぎず遅すぎず、ちょうど良いテンポで読み進められるように上手に配置された行間が、より一層この作品に磨きをかけています。 読了後にタイトルの意味が分かるでしょう、そこでまた込み上げてくるものがあるのです… ぜひ一読あれ。
タイトル通り。知らず知らず、人は助けられている。そして、知らず知らず、子は親に似る。取りあえず親孝行してやろう、そして、いつか結婚したら子供が欲しい。そう思えるような小説でした。
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