概要
横浜駅が自己増殖して日本列島を覆い尽くす未来小説。
絶え間ない改築の続く横浜駅がついに自己増殖の能力を獲得し、膨張を開始して数百年後の日本。本州の99%は横浜駅で覆われ、SUICA を所有する人間が住み自動改札による徹底した監視下にあるエキナカの社会と、それ以外の僅かな土地に追いやられた人間の社会に分けられていた。青函トンネルでは、増殖を続ける横浜駅とJR北海道との終わりの見えない防衛戦が続いていた。非 SUICA 住民達の住む岬で暮らしていた三島ヒロトは、古代地層から発掘された「18きっぷ」を手に、五日間限定での横浜駅への侵入を果たすが…
(2018/11/02)
漫画3巻(完)発売。
(2018/03/02)
漫画版2巻発売。
(2018/02/09)
早川書房「ベストSF2017」国内篇6位。
(2017/12/18)
第38回
(2018/11/02)
漫画3巻(完)発売。
(2018/03/02)
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!SF好きの安堵と嫉妬
長く読書を続けていると自分の好みというものが分かってくる。自分の場合、SF成分が重要な要素となる。
SF風味とかフレーバー程度から、発想、思考、世界観、構成や文章まで含めると話が大きくなりすぎるが、どういうテイストで読みたいのかといえば、読み応えのある「硬度」がほしい。
この作品はディストピア系の世界観になっているが、そこに至る発想や鏤められた要素がどうにも堪らない。はっと胸をつかれ、そう来たかとSFテイストが染み出てくる時、にやけてしまうのだ。
今時の流行を否定はしないが、やはりこういうSFの原点を味わえる作品はもっと出て欲しいと思う。そしてこういう作品が生まれることに、SF好きとして安堵…続きを読む - ★★★ Excellent!!!社会が駅を作るのか、駅が社会をつくるのか
駅は本来、貨客を輸送するための移動手段の、あくまで中継点です。
だけど、それがこの作品の横浜駅は逆転していて、登場人物たちは本来鉄道で移動するような距離を、徒歩で移動しなければならない。
それは、どこまで行っても『横浜駅』内という皮肉。
駅の利用規約が社会の規範になったエキナカ、それを強制する自動改札や警察員たちは、不思議の国のアリスに出てくるトランプの兵士を連想させます。
横浜駅の外の世界よりも治安が良く住環境が整備されているが、生活は完全に駅に依存してしまっているところは、ある種のディストピア小説とも読めました。
ちょっと変わったSFを読みたい人にオススメです!