概要
――どうせいらない命なら僕に頂戴
自身が不老不死だと知った占い師のシエラは、今度こそはと命を断とうとしていた。
しかし、そこに現れたのは少し間の抜けた錬金術師のアズウ。
アズウはシエラの生い立ちを聞いた後、「どうせいらない命なら、僕に頂戴」と爆弾発言を投下する。結果シエラはアズウのあまりのおっちょこちょいぶりに、おちおち死んでもいられないと、アズウに拾われ身の回りの世話を始める。
こうして共に過ごすうちに打ち解け合い、周りからからかい半分の祝福を受けながら過ごしていたある日、アズウたちの元に、具合の悪くなった人々が薬を調合してくれとやって来る。医者でも薬師でもないと言っても、アズウの調合した薬はよく効くからと頼み込まれて、調合したアズウ。その薬が見事に効いたからと食事会にすら招かれた帰りのことだった。
家の前に見知らぬ男が立
しかし、そこに現れたのは少し間の抜けた錬金術師のアズウ。
アズウはシエラの生い立ちを聞いた後、「どうせいらない命なら、僕に頂戴」と爆弾発言を投下する。結果シエラはアズウのあまりのおっちょこちょいぶりに、おちおち死んでもいられないと、アズウに拾われ身の回りの世話を始める。
こうして共に過ごすうちに打ち解け合い、周りからからかい半分の祝福を受けながら過ごしていたある日、アズウたちの元に、具合の悪くなった人々が薬を調合してくれとやって来る。医者でも薬師でもないと言っても、アズウの調合した薬はよく効くからと頼み込まれて、調合したアズウ。その薬が見事に効いたからと食事会にすら招かれた帰りのことだった。
家の前に見知らぬ男が立
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!ああー、愛に焦がれて胸を貫かれたー。
悲しい体質を持った占い師のシエラちゃんと、お人好し過ぎるほど優しい錬金術師アズウくんの恋物語。
アズウくんは錬金術師といっても、指パッチンで焔を発したり、ムキムキボディの半裸状態で殴りかかってくるような輩ではありません(自分の部屋は爆発させちゃいますが……)。ちょっと頼りない感じもするけど、極めてまっとうな青年です。
そんなアズウくんが、ある日偶然に出会ったシエラちゃんの遠い日の悲劇の記憶を切り裂いて、悲しみの息の根を止めてくれるわけです。
そして、見事にデレさせてくれるわけです。でかしたアズウ! もっとデレさせろ!
「僕の命は君の物。君の命は僕の物」だなんて、なんて素敵な等価交換。な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「生きる理由が欲しいなら私があげるわ」こんな素晴らしい台詞、滅多にない
流麗な文章が心にすいすいと染み込んできます。
絹のようにやさしい手触りの下に隠されているのは、「命」という重いテーマ。
ですが、重さを感じさせずにラストまで一気に読ませてしまうのは、ひとえに作者様の実力と、文書力の高さゆえ。
上にあげた台詞以外にも、キャッチコピーとなっている「いらない命なら僕に頂戴」など、心に残る素晴らしい台詞が出てくるのですが、何よりすごいと思うのは、これらの台詞が上滑りすることなく、読者の心に染み込んでくること。
これは、登場人物達がそれぞれの人生を背負って歩いてきたことが作中に描かれているからこそだと思います。
けれども、作品に抱く印象はあくまで優しく、読後感…続きを読む