車のレッカー費用相場は?出費を抑えるコツも解説

車のレッカー費用相場は?出費を抑えるコツも解説

事故や故障で動けなくなった車の搬送に欠かせないレッカー。でも「レッカー費用っていくらくらいかかるの?」「深夜の故障だと高額請求されるのでは?」など、費用面での不安を抱える方も多いのではないでしょうか。実は、レッカー費用状況によって大きく変動します。

この記事では、レッカー費用一般的な相場から、支払いを抑えるためのポイントまで、具体例を交えて詳しく解説します。

レッカー移動が必要となるシチュエーション

レッカー移動が必要となるシチュエーション

レッカーサービスを利用するのは、事故や故障で車が動かなくなった場合だけではありません。安全面での懸念がある場合や、法律上の制約により自走できない状況などでも必要になります。

どのようなケースでレッカーが必要になるのかを紹介していきます。

走行中に車が故障したとき

走行中、エンジンの焼き付き電気系統の不具合オーバーヒートタイヤのパンクなど、予期せぬトラブルで車が動かなくなることがあります。このような場合、その場での修理が難しく、レッカー車での搬送が必要となります。

またエンジンやブレーキに異常が発生した場合、一時的に走行できたとしても、二次災害を防ぐ観点から自走は避け、レッカーサービスを利用することが賢明です。

このような故障やトラブルでレッカーが必要になった際は、多くの場合、加入している自動車保険に付帯されているロードサービスを利用できます。保険会社に連絡することで、24時間体制でレッカー手配が可能なため、突然の故障でも安心です。

事故で車が自走不能になったとき

衝突事故により車が大きく破損した場合や、エンジンやタイヤなどの重要部位に被害が及び自走が困難な状況では、レッカー車での搬送が必要不可欠です。また、対人・対物事故の場合、車体の損傷が比較的軽度であっても、事故現場の保全や正確な状況確認のためレッカー車で移動させるケースがあります。

このような事故による搬送については、事故の状況や過失割合によって、相手方の自動車保険で対応されることもあれば、自身が加入している自動車保険のロードサービスで補償されることもあります。
いずれの場合も、保険会社への連絡を最優先し、その指示に従って適切なレッカー手配を行うことが重要です。

故障車や不動車の売却、もしくは廃車のとき

長期間使用せず自宅で保管していた車や、故障して動かなくなった車を売却、もしくは廃車にする際も、移動のためにレッカーサービスが必要です。

ただし、このような場合は一般のロードサービス会社に依頼すると高額な費用が発生しますが、廃車買取業者に依頼することで、レッカー費用を抑えることができます

多くの廃車買取業者は、引き取り費用や廃車手続きの代行費用を無料で行っているほか、車の状態によってはパーツ単位での買取も可能なため、むしろ収入になるケースもあります。
自宅に眠っている不動車の処分を考える際は、廃車買取業者の利用を検討してみるのがおすすめです。

車のレッカーにかかる料金|4つの要素

車のレッカーにかかる料金|4つの要素

レッカー移動の費用はロードサービス会社によって異なりますが、実際の料金は移動距離、時間帯、道路状況、車両の状態の4つの要因によって大きく変動します。事前に確認しておきましょう。

基本料金

レッカー移動にかかる基本料金は、利用するロードサービス会社によって異なりますが、大手ロードサービスの場合、一般道では昼間(8時〜20時)で15,700円から。夜間(20時〜8時)は割増となり、19,630円が基本料金です。

また、高速道路での故障や事故の場合は、安全確保のための特別な対応が必要となるため、さらに高額となり、場所と時間によって31,410円〜37,270円の基本料金が設定されています。

なお、サービスエリアパーキングエリア内での作業は比較的安全な環境であるため、19,630円〜23,540円と一般道に近い料金設定です。

走行距離

レッカー料金は、故障・事故現場から修理工場までの走行距離によって変動します。

大手ロードサービスの場合、20kmまでは基本料金に含まれますが、それを超えると1kmごとに830円の追加料金が発生します。例えば、30km離れた工場まで搬送する場合、超過分の10kmで8,300円が基本料金に加算されます。
また、高速道路でレッカー移動が必要な場合は、距離に応じた料金に加えて、レッカー車両と安全確保のための後方警戒車両、双方の高速道路料金も請求されるため、総額はさらに高くなる点に注意が必要です。

車の状態

レッカー移動では、車の状態によって特別な作業が必要になることがあり、その場合は追加料金が発生します。

特に自走できない状態の車両や、事故で溝に落ちた車タイヤがパンクして路肩に止まっている車などは、安全なレッカー作業のために引き上げ作業が必要です。

大手ロードサービスの場合、このような引き上げ作業にかかる料金は作業時間で計算され、30分(工数0.5)の作業で6,000円が追加されます。

作業が複雑で時間がかかるほど料金も上がるため、車の状態や現場の状況によって、想定以上の費用になることもあります。

時間帯

レッカー料金は、依頼する時間帯によっても大きく変動します。夜間(20時〜8時)の対応では基本料金に約4,000円の割増料金が加算されるのが一般的です。

例えば、大手ロードサービスの場合、一般道での基本料金が昼間の15,700円から夜間は19,630円に、高速道路では昼間の31,410円から夜間は37,270円に上昇します。
また、多くのロードサービス会社では、土日祝日年末年始といった特定期間についても割増料金を設定しているため、休日や特別期間中のトラブルではさらに費用が膨らむかもしれません。事前に各社の料金体系を確認しておくと安心です。

車のレッカー費用を抑えるには?

車のレッカー費用を抑えるには?

レッカー費用は依頼する業者や状況によって大きく変動し、場合によっては数万円の出費になることも。しかし、事前の備えや賢い選択によって、この費用を大幅に抑えることができます。

レッカー費用を節約するための具体的な方法を見ていきましょう。

事前にロードサービスの会員になっておく

あらかじめJAFやロードサービス会社の会員になっておくと、レッカー費用を大幅に抑えることが可能です。

例えばJAFの場合、20kmまでのレッカー移動が無料となり、基本料金等を含めると通常2万円以上かかる費用を節約できます。また、自動車保険会社のロードサービスでは、指定工場までなら距離無制限で無料のケースも。

ただし、年会費は必要で、JAFの場合は入会金2,000円と年会費4,000円がかかります。実際の統計では、会員の約8〜9割が年間で一度もサービスを利用していないという現実もあり、完全な無料サービスではない点は考慮が必要です。

ロードサービスが充実した自動車保険に加入する

多くの任意自動車保険には、レッカーサービスが標準で付帯されています。保険会社によっては、指定工場までの距離制限がなく、基本的に無料でレッカー移動ができるため、突発的なトラブルの際の費用負担を大きく抑えることができます。

ただし、保険会社によってサービス内容は大きく異なり、年間の利用回数に制限があったり、指定工場以外への搬送では距離制限が設けられていたりすることも。

そのため保険選びの際は、ロードサービスの具体的な内容、特に距離制限や利用回数の制限について、事前によく確認しておくことをおすすめします。

顔なじみの修理業者に引き取ってもらう

普段から車検やメンテナンスで利用している修理業者がある場合、顧客サービスの一環として格安でレッカー移動を手配してくれることがあります。特に、自社でレッカー車や積載車を所有している業者の場合は、修理を前提に無料で引き取りに応じてくれるケースも。

また、業者は地域のレッカー会社とのつながりも深いため、一般的な料金よりも安価な料金設定で手配してくれることも期待できます

普段から信頼関係のある修理業者の場合は、緊急時でもスムーズな対応が期待できるため、事前に相談しておくと安心です。

廃車買取会社に引き取ってもらう

車を廃車にする予定がある場合は、廃車買取会社への依頼がコスト面で大変有利です。

多くの廃車買取会社では、レッカー移動費用を無料で提供しており、さらに廃車手続きの代行費用も無料で行ってくれるケースが多くあります。

これは、一見価値がないように思える故障車や古い車でも、パーツ単位でのリサイクルや海外への販売ルートを持つ廃車買取会社にとってはビジネスとして十分な価値があるためです。場合によっては、買取価格がつくこともあり、レッカー費用の節約だけでなく、収入につながる可能性もあります。

車のレッカーに関するQ&A

車のレッカーに関するQ&A

ここからは、車のレッカー費用についてよくある質問に回答していきます。

車検切れの車のレッカーは可能?

車検切れの車は、レッカー車で牽引する際にタイヤが公道に接触することで無車検運行とみなされて法律違反になるため、通常のレッカー移動はできません

このような場合は、車両を完全に積み込める積載車(キャリアカー)での移動か、市区町村で発行される輸送用の仮ナンバーを装着しての移動が必要となります。

また仮ナンバーを取得する場合は、申請した移動経路での利用に限り最大5日間の走行が認められます。ただし、長期間放置されていて鍵を紛失しているケースや、タイヤがパンクしている場合など、車両の状態によっては対応できない業者もあるため、事前に状況を詳しく伝えて相談することが重要です。

レッカーを依頼したときはどのような流れになる?

レッカーが必要な事故が発生した場合、まず最優先で周囲への注意喚起が必要です。ハザードランプや発煙筒、反射板などで後続車に異常を知らせ、相手方の安全確保と救護警察への通報を行います。その後、ロードサービスや加入している保険会社に連絡してレッカーを手配します。

レッカー車が到着したら、作業の安全性を確保するため、むやみに車両に近づいたり作業に手を出したりせず、プロの作業員に全てを任せることが重要です。

搬送が完了すると、レッカー業者または搬入先の工場から連絡が入りますので、工場名や担当者名、電話番号などの重要情報は必ずメモを取っておきましょう。

注意が必要なレッカー会社の特徴は?

インターネットで検索すると、格安料金を前面に打ち出すレッカー業者が見つかりますが、相場よりも極端に安い料金設定には注意が必要です。このような業者の中には、雑な作業で車両に傷をつけてしまったり、作業開始後に様々な名目で追加料金を請求したりするケースがあります。

安全で適切な料金のレッカー業者を選ぶためには、JAFや大手ロードサービスの料金設定(基本料金15,000円前後)を目安に比較し、ネット上の口コミ評価もしっかりと確認しておくことをおすすめします。

急なトラブルでも、焦って業者選びを誤らないよう注意が必です。

被害事故のレッカー代は誰が払う?

事故に遭って車が動かなくなりレッカー車を利用した場合、そのレッカー代は事故の損害として相手方に請求することができます。ただし、請求できる金額は過失割合に応じて決まり、被害者側に過失がある場合はその分が自己負担となります。なお、レッカー代は修理費用の一部として扱われ、通常は相手方が加入している任意保険の対物賠償から支払われます。

自己負担分が発生する場合でも、自身が車両保険に加入していれば、その範囲内で保険からの補償を受けることが可能です。ただし、自走可能な状態でのレッカー利用や、必要以上に遠方への搬送など、合理的な理由のない場合は請求が認められないことがあります。

レッカー後、代車を借りる方法は?

レッカー後の移動手段を確保するためには、いくつかの代車オプションがあります。一般的なレンタカーを借りる方法では、軽自動車クラスで24時間7,000円程度からの料金設定となっています。

また、修理工場に入庫する場合は、サービスの一環として無料で代車を貸し出しているケースも多く、特にディーラーではこのようなサービスが一般的です。

さらに、加入している自動車保険に代車特約がついている場合は、事故なら30日以内、故障なら15日以内ならレンタカー代を保険でカバーできる場合があります。どの方法を選ぶにせよ、事前に料金や期間の条件を確認しておくことが重要です。

自動車保険加入時は特約もチェックしよう

レッカー移動の費用は、基本料金、走行距離、車両の状態、時間帯の4つの要因によって変動し、総額で数万円程度かかる場合があります。しかし、JAF会員や自動車保険のロードサービスを利用することで、費用を大幅に抑えることができます

また、普段から付き合いのある修理業者に依頼したり、廃車予定であれば買取業者に引き取りを依頼したりすれば、費用負担を軽減できるかもしれません。なお、車検切れ車両の場合は特別な対応が必要なほか、事故による移動では保険での補償が可能です。突然のトラブルに備え、事前に各種サービスの内容や料金体系を確認しておくことをおすすめします。

オリコン顧客満足度ランキングでは、自動車保険の加入者へのアンケート調査をもとに算出した「自動車保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。

自動車保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。

※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
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