こんにちは、堂本かおるです。
相手の言ったことが聞き取れないとき、ひと言 “Pardon?” と言えば繰り返してもらえます。短くて言いやすい、便利な言葉です。けれど、いつも「パードン? パードン?」では何となくぎこちないですよね。他の言い方も覚えてバラエティを広げてもいいかもしれません。
また、「聞き取れない」にもいろいろなシチュエーションがあり、「何がどう聞こえない/分からない」のかを明確に伝えると、会話がグッとスムーズに進みます。
今回は、そんな日常の様々なシーンで「相手の言ったことをもう一度聞き直したいとき」に使える英語フレーズをご紹介します。
由緒正しい “Pardon?” の由来
まずは誰もが知っている “Pardon?” ですが、これはとても丁寧な言い方です。
本来は、
- I beg your pardon?
というフル・センテンスでした。直訳すると「あなたの赦しを乞います」ですが、それが転じて「あなたのおっしゃったことが聞き取れませんでした。もう一度お願いします」の意味になりました。
2014年に公開され、アカデミー賞を含む各種の映画賞を受賞したミステリー・コメディ『グランド・ブダペスト・ホテル (The Grand Budapest Hotel )』は、1930年代の東欧にあった品格溢れるホテルが舞台です。主人公はレイフ・ファインズ演じるホテルのコンシェルジュですが、この人物が盛んに “I beg your pardon?” を使います。主人公の慇懃無礼(いんぎんぶれい)さを表すために意図的に多用されているのかとも思われます。
そのフレーズが一語に縮められた “Pardon?” は、アメリカ現代社会においてどんな場で誰に対して使っても失礼にならない言葉です。むしろ、家族・友人・同僚に使うには少し丁寧過ぎるかもしれません。
万能語は “Excuse me?”
ニューヨーカーが日常生活で最もよく使う「もう一度言ってください」は、
- Excuse me?
語尾を軽く上げて言います。“Pardon?” ほど丁寧ではありませんが、ほぼどんなシチュエーションでも使えます。
さらにカジュアルな言い方をすると、
- What did you say?
「何て言ったの?」
よりカジュアルな言い方では、
- Say that again?
「もう一回言って?」
気難しいボスや教授には使わないほうがいいかもしれません。
早口過ぎるニューヨーカーにキレたときは、
- You speak too fast!
「しゃべるのが早すぎるよ!」
ただし、これは仲の良い相手だけにしましょう(笑)
相手の声が小さすぎる、または駅など騒音のある場所でよく聞こえない場合は、このように言うこともできます。
- I’m sorry, I can’t hear you.
「ごめんなさい、よく聞こえません」
それでも相手の声が小さいままの場合は、もう少し大きな声で話してもらえるよう頼みます。
- Can/Could you speak a little bit louder, please?
「もう少し大きい声で話してもらえますか?」
電話がうまく聞こえないときは
上でご紹介したフレーズは電話で相手の声が小さい時にも使えますが、通信状態が悪く、雑音が混じっているような場合には、
- I’m sorry, the line is bad.
「すみませんが、通信状態が悪いようです」 - We have bad reception.
「通信状態が悪いようです」
と言ってみましょう。
“reception” にはいろいろな意味がありますが “bad reception” で「通信状態が悪い」という意味です。通信は相手と自分の二者間で行われるので主語は “we” になります。
通信状態が良くならず、一度切りたい場合は以下の対応になるでしょうか。
- Can you hang up and call me again?
「いったん切って、そちらからかけ直してください」 - Can you hang up? I’ll call you back.
「いったん切ってくれますか? 私からかけ直します」
固有名詞はクセ者! スペルまで聞きたいときは
相手の言っている概要は分かっても、人名や場所の名前など固有名詞が聞き取れないことは多々あります。その際には、
- What is the person’s/venue’s name?
「人/場所 の名前は何ですか?」
音的には聞き取れても固有名詞の綴りが分からないこともあります。その際には、
- How do you spell it?
「どんなスペルですか?」
すると相手は “R-e-a-d-e, Reade Street.” などとアルファベットを一文字ずつ言ってくれます。
電話ではネイティブ・スピーカーであっても、例えば「d/t」などの似た音のアルファベットが聞き分けられないことは少なくありません。そのため、「A for Alpha(アルファのA)」など、アルファベットを短い単語を引用して伝えるためのコード表が作られています。
ただし、このコード表を知っている人、暗記している人は少なく、多くの場合は以下のようにそれぞれの人が思いつく一般的な単語が使われます。
- R for rabbit, E for egg, A for apple, D for dog, E for egg.
「ラビットのR、エッグのE、アップルのA、ドッグのD、エッグのE です」
自分の名前もアルファベットで分解
アジア系の名前は英語話者には聞き取りにくく、綴りも予想できないことが多々あります。あらかじめ説明する際にどんな単語を使うか、決めておくといいかもしれません。
“alphabet chart” と画像検索すると、子ども用のアルファベット・チャートがたくさん出てきます。使われている単語はチャートごとに様々ですが、子ども用だけに「A for Apple」などとわかりやすく、言いやすい単語で構成されています。そこから自分が言いやすい単語を見つけておくといいかもしれませんね。
例えば筆者(かおる)の場合、
- “K for kangaroo, A for apple, O for octopus, R for rabbit, U for umbrella.”
などと伝えることができます。
どうしても聞き取れなかったら……
相手が何度言い直してくれても聞き取れない場合、とてもキマリの悪い思いをしますよね。けれど後々のトラブルを防ぐためにもわかった振りはせず、理解できなかった旨をはっきりと伝えましょう。
- I’m sorry. I couldn’t understand.
「ごめんなさい、よくわかりませんでした」
相手はきっと再度言い直してくれるか、もしくは他の人を呼ぶなどの対策を考えてくれることでしょう。シチュエーションにもよりますが、重要なことであれば紙に書いてもらうか、メールやテキストで送ってもらうなど、文字化を頼むのも方法です。
さいごに
大都市の場合はどこも移民や外国人が多く、非英語話者との対話に慣れている人がたくさんいます。聞き取れなくても焦らず、今回ご紹介したフレーズを使って何度でも聞き直してください。きっと道は開けます!
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Plluto担当うららのひと言 「なんて言ったの?」というフレーズでも、違う表現ができればシチュエーションによって使い分けることができますよね。そういった横のつながりで覚えていったら、会話の幅も広がりそう。 |