2024年の株式市場は、新NISAの始まりや日経平均株価がバブル超えとなる4万円到達となる中で、東証スタンダード市場のボロ株・低位株を中心に8銘柄がテンバガー達成となりました。
特に、仮想通貨関連銘柄の【3350】メタプラネットは30.5倍のトリプルテンバガー達成となりました。
2024年は東証スタンダード市場のボロ株・低位株からのテンバガーが目立ちましたが、テンバガー狙いでは東証グロース市場の低位株や注目テーマ株を押さえておくことが重要です。
低位株や注目テーマといった観点から、2025年の注目銘柄やテンバガー状況を押さえていきましょう!
1.テンバガー(株価10倍)の魅力
個人投資家に夢を与0えるテンバガー(株価10倍)銘柄について見ていきましょう。
1-1.毎年テンバガー銘柄は誕生している
1年で株価が10倍に大化けすれば、仮に10分の1の資金で分散投資していたとしても資金は1年で2倍になることを意味します。
テンバガー銘柄はほぼ毎年誕生していますが、今回はアベノミクスが始まった2013年から2017年に掛けての代表的なテンバガー銘柄を見ていきましょう。
2012年12月から2013年5月に掛けてのアベノミクス相場においては、人気スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」を手掛ける【3765】ガンホーは非常に有名なテンバガー銘柄です。
2012年5月から2013年5月に掛けての最大上昇率は約114倍と、テンバガーどころか100倍以上の暴騰となり、多くの個人投資家に第二のガンホーの夢を与えることになりました。
ここまで大きな銘柄でなくとも、株価10倍を達成する銘柄は毎年のように排出されます。
2019年からの直近までのテンバガー銘柄を見てみましょう。
1-2.2024年のテンバガー状況
2024年にテンバガーを達成した銘柄は、次の8銘柄です。
【3350】メタプラネット | 30.5倍 | 140円→4,270円 |
【4935】リベルタ | 14.7倍 | 333円→4,920円 |
【9399】ビート・HD・リミテッド | 16.1倍 | 300円→4,840円 |
【2586】フルッタフルッタ | 13.0倍 | 25円→325円 |
【2330】フォーサイド | 10.9倍 | 67円→735円 |
【2743】ピクセルカンパニーズ | 10.7倍 | 37円→397円 |
【3260】エスポア | 10.5倍 | 533円→5,640円 |
【6659】メディアリンクス | 10.4倍 | 29円→304円 |
※いずれも2024年に付けた安値から、その後に付けた2024年高値の値。
▼市場別で分けると次の通りです。
●東証スタンダード市場
6銘柄(【3350】メタプラネット、【4935】リベルタ、【9399】ビート・ホールディングス・リミテッド、【2330】フォーサイド、【2743】ピクセルカンパニーズ、【6659】メディアリンクス)
●東証グロース市場
1銘柄(【2586】フルッタフルッタ)
●名証ネクスト(旧・名証セントレックス)
1銘柄(【3260】エスポア)
2024年の東証スタンダード市場からは、6銘柄のテンバガーが輩出されました。
テーマ株で見ると、30倍超となった【3350】メタプラネットは仮想通貨関連銘柄ですが、その他の銘柄については特にテーマ性は感じられません。
価格帯で見ると、多くの銘柄が低位株もしくはボロ株からの急騰となっています。
2024年のテンバガー銘柄は8銘柄と、新型コロナ相場でDX(デジタルトランスフォーメーション)やコロナワクチンなどに湧いた2020年の15銘柄以来の大盛況となりました。
ただ、2020年はテーマ株によるテンバガーが中心でしたが、2024年は低位株・ボロ株急騰によるテンバガーが多かったという違いがあります。
2. 2024年にテンバガーを達成した銘柄
2024年にテンバガーを達成した2銘柄について見ていきましょう。
2-1.仮想通貨関連銘柄!【3350】メタプラネット

【3350】メタプラネットは、ビットコイン投資やロイヤルオーク五反田の不動産事業など多角経営を手掛けている企業です。
2024年には、仮想通貨関連銘柄の最右翼として注目されました。
同社の株価は、2024年2月には一時140円の安値を付けていましたが、低位株急騰となり、2024年7月24日には3,000円まで上昇しました。
しかし日銀利上げと米国市場のAI半導体株軟調により相場全体が暴落したことを受けて、8月6日には596円まで大暴落。
その後はビットコイン(BTC)価格も反発したことを受けて、12月17日には4,270円まで上昇しています。
2024年には、140円→3,000円→596円→4,270円となっており、最大上昇率は30.5倍(140円→4,270円)です。
一般的にテンバガー達成後は大暴落となり、その後は価格が戻らないことが多いですが、例外的な値動きとなっています。
2-2.分割後の低位株からテンバガー達成!【4935】リベルタ

2024年のテンバガーは、低位株・ボロ株からの急騰が大半を占めています。
【4935】リベルタは、美容商品やトイレタリー商品、機能衣料商品などの企画販売を手掛ける企業です。
同社は2024年5月15日に株式分割を発表し、この時点の株価は分割後換算で338.5円となっていました。
5月21日に急騰し、その後は同社の冷感アイテムブランド「クーリスト」の売れ行きが好調、クラファン大手キャンプファイヤーとの業務提携など、ニュースや決算がある度に物色されました。
株式分割前には一時333円を付けていた株価は、2024年12月30日の大納会では4,920円を付けており、2025年に入ってからも止まらず1月7日には6,390円のストップ高となっています。
2024年トータルでは、最大14.7倍(333円→4,920円)のテンバガー達成となっており、2025年に入ってからも短期トレーダーが殺到している状態です。
3.テンバガー銘柄の特徴
テンバガーになる銘柄の特徴を見ていきましょう。
3-1.テンバガー銘柄の特徴とは?
過去のテンバガー銘柄から、その特徴を見ていきましょう。
まず、2016年の【3647】ジースリーホールディングスや2018年の【2164】地域新聞社のように、低位株からテンバガー銘柄になる銘柄は少なくありません。
テンバガー銘柄になる材料としては、決算が予想外に良好であることや事業提携の思惑、新商品の発表など様々です。
2013年の【3765】ガンホーは当時最強のテーマであったソーシャルゲーム関連、2018年の【3906】ALBERT、【4382】HEROZはAI関連銘柄であるなど、そのときマーケットで最も注目されているテーマ株がテンバガーになりやすい傾向もあると言えます。
市場については、東証マザーズ・ジャスダックといった新興銘柄でテンバガーが発生しやすい傾向が見られますが、2017年の【2930】北の達人のように東証1部銘柄からテンバガーが誕生することもあります。
チャートの動きで見ると、月足で見て停滞していた銘柄が一気に注目されてテンバガーになりやすいと言えます。
逆に言えば、既に注目されて上昇している銘柄からはテンバガーは現れにくいと言えます。
3-2.テンバガー銘柄のデメリット
低位株はほとんど動かない銘柄が少なくありません。無数に存在する低位株からテンバガー銘柄を探すのは難しいというのが実態です。
テンバガー銘柄に繋がる良好な決算や新商品の発表によって上昇する銘柄は多数ありますが、その中から見分けるのは難しいと言えます。
テーマ株から探すとしても、候補となる銘柄は多数に及びます。最強のテーマ株があるにしても、候補となる銘柄は少なくとも数十銘柄以上には及ぶでしょう。
それらの事から、テンバガー銘柄投資は分散投資するのが基本となるでしょう。
例えば20銘柄に分散投資するとなると、多額の資金が必要となるだけでなく、仮にテンバガーを探し当てて10倍で決済したとしても、総資金に与える影響は年率+50%に留まります。
ある1銘柄に投資して、その銘柄がテンバガーになれば資金が10倍になるという可能性はあります。
ただテンバガー銘柄を探し当てた場合でも、3倍や5倍になった所でその後の暴落が恐くなって、精神的に10倍まで持っていられないという点もありますので、心理戦にも強くなる必要があるでしょう。
3-3.2024年のテンバガーの動向と特徴について
2024年のテンバガー8銘柄について、市場別に分けると次のようになっています。
・東証プライム市場:0銘柄
・東証スタンダード市場:6銘柄
・東証グロース市場:1銘柄
※名証ネクスト:1銘柄
2024年のテンバガーは、東証スタンダード市場から6銘柄となり、最もテンバガーが出やすい東証グロース市場からは1銘柄に留まりました。
続いて、テンバガー8銘柄を価格帯で分けると、次のようになっています。
・100円未満のボロ株:4銘柄
・500円未満の低位株:3銘柄
・その他:1銘柄
低位株・ボロ株からテンバガーが出やすい傾向は、2024年も継続です。
テーマ株で見てみると、30倍超となり最も大きく上昇した【3350】メタプラネットは仮想通貨関連銘柄ですが、それ以外の銘柄は特にテーマ性は見受けられません。
2024年は、新NISAが始まり、日経平均株価はバブル越えの4万円達成となりましたが、特に東証スタンダード市場の低位株・ボロ株に資金が集まったものと見られます。
★注目ポイント2 |
テンバガー銘柄の特徴としては、低位株が少なくない、決算や新商品の発表などの注目ニュースが出る、その当時の最強のテーマ株であることなどが挙げられる。 |
4.2025年テンバガー銘柄予想
低位株と注目テーマ株から2024年のテンバガー候補銘柄を見ていきましょう。
4-1.低位株からテンバガー銘柄予想
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【3664】モブキャストHD | 34円 | スマホゲーム「mobcast」を運営するソーシャルゲーム関連銘柄 |
【6786】RVH | 43円 | グラフィックスLSI、システム開発、PCリサイクル、人材派遣など |
【6731】ピクセラ | 43円 | PCボードや回線事業者向けチューナーなどIoT関連事業 |
【4563】アンジェス | 53円 | 遺伝子医薬品を手掛けるバイオベンチャー |
【3672】オルトプラス | 67円 | ソーシャルゲーム関連銘柄 |
【4883】モダリス | 103円 | ゲノム編集プラットフォームによる遺伝子疾患治療薬の研究開発 |
4-2.注目テーマからテンバガー銘柄予想
銘柄 | 株価 | テーマ | 主なサービス |
【3747】インタートレード | 340円 | 仮想通貨関連銘柄 | 金融向けシステム開発 |
【4344】ソースネクスト | 186円 | インバウンド関連 大阪万博関連 | 自動通訳機「ポケトーク」 |
【4767】テー・オー・ダブリュー | 316円 | 大阪万博関連 | イベント制作最大手 |
【8226】理経 | 348円 | 防衛関連 | 衛星通信技術など情報機器の輸入商社 |
【3652】ディジタルメディアプロフェッショナル | 1,605円 | 半導体関連 | ファブレス半導体企業 |
【4259】エクサウィザーズ | 441円 | 生成AI関連 | AI・DXを利活用したサービス導入 |
【4388】エーアイ | 525円 | 生成AI関連 | 音声合成エンジン「AITalk」 |
【3810】サイバーステップ | 301円 | ソシャゲ関連 | オンラインゲーム開発大手 |
4-3.2025年はテーマ性のあるボロ株や低位株に注目しておこう
2024年は8銘柄のテンバガーが輩出され、2020年以来のテンバガー祭りとなりました。
ただ2024年は2020年と異なるのは、テーマ株ではなく、ボロ株や低位株からのテンバガーが目立った点にあります。
2025年は注目テーマ株という点では、特にこれといったものは見当たらないと言わざるを得ません。
「仮想通貨」関連銘柄が注目されていますが、どうしても過熱感が出てきており、ここからさらにテンバガー達成となるのは厳しいでしょう。
2023年から2024年春頃までは最強テーマ株となっていた「生成AI」や「半導体」は、2024年夏以降はバブル崩壊気味となっており、上昇している銘柄がほとんど見当たらない状況です。
2024年は東証スタンダード市場から6銘柄ものテンバガーが輩出されましたが、これまでの確率からすると、東証グロース市場からテンバガーが出やすい傾向があります。
2025年のテンバガー狙いは、東証グロース市場のソーシャルゲーム株やAIベンチャー、低位株やボロ株といったテンバガー確率の高い銘柄に引き続き注目していくようにしましょう。
★注目ポイント |
2025年は、テーマ性のあるボロ株や低位株に注目しておこう。テンバガー投資においては、東証グロース市場のソシャゲ株やAIベンチャー、低位株・ボロ株の可能性が高い。 |
5.おすすめのテンバガー候補銘柄3選
【3664】モブキャストホールディングス
市場 | 東証グロース市場 |
企業概要 | スマホゲーム「mobcast」を運営する。 |
モブキャストホールディングスは、「東証グロース市場」「ボロ株」「ソーシャルゲーム関連銘柄」と、テンバガーになりやすい3条件を満たしている銘柄です。2022年以降は50円~100円の間で横ばいが続いていましたが、2024年は遂に50円台も割り込んでしまいました。黒字決算の発表などで大反発すればテンバガーも夢ではありません。
【6731】ピクセラ
市場 | 東証スタンダード市場 |
企業概要 | PCボードや回線事業者向けチューナーなどIoT関連事業を手掛ける。 |
ピクセラは、長期の下落率で見ると、2017年5月に付けていた45,200円から、2025年1月7日時点では43円と、下落-99.9%となっているボロ株です。株主にとっては悪夢のような銘柄ですが、急騰すればテンバガーの可能性もあります。ただ、株価は1桁代に向かっていそうな値動きにも見えるため、リスクには注意しておきましょう。
【8226】理経
市場 | 東証スタンダード市場 |
企業概要 | 衛星通信技術に強い情報機器輸入商社。 |
防衛関連銘柄は、三菱重工などが既に大きく買われていますが、2025年は石破政権とトランプ政権の誕生によって、さらに注目される可能性があります。理経は、防衛株(防衛関連銘柄)として注目される可能性がある銘柄です。安全保障分野の製品も手掛けていますが、まだ物色されておらず、低位株となっています。
6.まとめ
2024年はテンバガーまつりとなり、特に【3350】メタプラネットはトリプルバガーまで行き、大変盛り上がりました。
しかし2025年は注目テーマ株としてはあまり目立ったものがありません。
また2025年は、「大阪・関西万博」が注目されますが、「インバウンド」関連銘柄も2024年夏以降は調子が悪くなっている点には注意が必要です。
石破内閣の発足やトランプ政権の誕生により、「防衛株」にも注目が集まりますが、2022年以降の防衛費倍増議論によって重工株は既に大きく買われているため、注目するとしたら新しい銘柄となります。
そのためテンバガー狙いなら、東証グロースやソシャゲ関連、AIベンチャーに注目し、テンバガーを狙っていきましょう!
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忙しい方にとって時間は貴重です。特に最近の方は忙しい方が多いのではないでしょうか。
本記事ではテンバガーへの特徴をお伝えしましたが、ポイントをおさえた銘柄選定には時間がかかります。
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