※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「利回り3.8~5.2%、エネルギー安全保障に貢献する高配当利回り株4選」
今日は、エネルギー安全保障に貢献が大きいと私が考える高配当利回り株についてレポートします。
なぜ今、エネルギー関連株?
なぜ今、エネルギー関連株に注目するか、まず説明します。原油先物はウクライナ危機後の高値からすでに大きく下落しています。日本企業のエネルギー事業の利益はあまり良くありません。株価もさえないものが多くなっています。
WTI原油先物(期近)の動き:2022年1月3日~2024年12月20日
ただし、人類のエネルギー依存は今後、どんどん高くなると思います。特に、今年は、生成AI(人工知能)の利用が世界中で急拡大することによって、電力需要が拡大するとみています。電力を大量に消費するAIデータセンターの増加によって、電力不足が話題になると予想しています。
再生可能エネルギーの利用がどんどん増えていますが、今年は増加する電力需要を賄いきれず、ガス火力発電や原子力発電を増やす必要が生じると思います。それが、エネルギー価格全般の上昇につながると予想しています。そういう理由から、今はエネルギー関連株を、割安に買う好機と考えています。
エネルギー関連、買い推奨4銘柄
日本のエネルギー安全保障への貢献が大きいと考える4社で、株価が現在、割安と判断できる銘柄を選別しました。
日本は、資源を輸入に頼る国で、世界に広がる資源ナショナリズムでたびたび痛い目を見てきました。その経験から、日本企業は、海外で資源開発を幅広く手掛け、資源権益を拡大してきました。日本のエネルギー安全保障を守るのに寄与する資源・海運・電力企業を選別しました。
以下の4銘柄です。
エネルギー安全保障に貢献すると考える、高配当利回り株5選:2024年12月23日時点
コード | 銘柄名 | 株価:円 | 配当 利回り |
PER :倍 |
PBR :倍 |
---|---|---|---|---|---|
1605 | INPEX | 1,960.5 | 4.4% | 6.4 | 0.55 |
8058 | 三菱商事 | 2,512.0 | 4.0% | 10.6 | 1.07 |
9101 | 日本郵船 | 4,997.0 | 5.2% | 5.8 | 0.79 |
9502 | 中部電力 | 1,582.5 | 3.8% | 5.7 | 0.43 |
出所:各社決算資料・QUICKより楽天証券経済研究所作成。配当利回りは1株当たり年間配当金(今期会社予想)を12月23日株価で割って算出。1株配当金は、INPEX86円、三菱商事100円、日本郵船260円、中部電力60円。PERは、株価を1株当たり利益(今期会社予想)で割って算出。今期とは、INPEXは2024年12月期、他は2025年3月期 |
上記4社の株価指標をご覧ください。予想配当利回り3.8~5.2%と、魅力的な水準です。PER(株価収益率)は5.7~10.6倍と低く、PBR(株価純資産倍率)は0.43~1.07倍と低く、株価は割安と判断できます。
利益も配当もしっかり出していて、エネルギー安全保障にとって重要な企業であるにもかかわらず、株価は低い評価となっています。4社とも、中長期で価値が見直されると判断しており、「買い」と判断しています。中でも、INPEXが、現時点では一番、割安で投資価値が高いと考えています。
それでは以下、4社を買いと判断する理由についてコメントします。INPEXについて特に詳しく解説します。