昨年の8月末にオリンパスの防水タフネスコンデジ「STYLUS TG-4 Tough」を購入してから丁度1年が経ちました。F2.0の明るいレンズを搭載し、顕微鏡モードや深度合成といったマクロ撮影機能の充実も売りにしたコンパクトデジタルカメラです。
私の場合は、そのタフネス性能(防水15m、防塵、耐衝撃2.1m)を生かしたアウトドアカメラとしての使用が最も多く、内蔵GPS機能を使ったロガー機能なども頻繁に使用しました。
当初は1/2.3型というコンデジ用の小型センサー故に、画質の妥協は覚悟の上で使い始めたのですが「思ってたよりよく写るぞ、このカメラ!」というのが個人的な感想。メインに使っているマイクロフォーサーズやAPS-Cのレンズ交換式カメラが使える状況で、あえてTG-4を使うことは少ないのですが、このカメラがあったからこそ撮れたというシチュエーションも多く、今では手放せない愛用カメラの1台になっています。
本記事ではそんなTG-4で撮ってきたこの1年の写真を振り返りながら、このカメラの個人的な評価をまとめていきたいと思います。
2017.11 後継機種のTough TG-5へ買い換えました。
着実に進化を遂げた防水カメラOLYMPUS TG-5を手に入れた!【TG-4からの買換】 - I AM A DOG
- TG-4を「登山」で使う
- TG-4を「水辺」で使う
- TG-4を「スキー場」で使う
- TG-4を「マクロ」で使う
- 他にもあるTG-4の活躍シーンや注目機能
- 次世代機も楽しみなTG-4
- 追記:後継機「Tough TG-5」が発売 → 購入
TG-4を「登山」で使う
最初にTG-4を登山で使ったのは昨年の夏山シーズンラストの富士登山だったかと思います。我々以外に人の姿のない御殿場ルート。TG-4は主に奥さんに預けていたので、写っているのは私の後ろ姿。
富士山頂で撮った写真は思ってた以上に解像感のあるものでした。もちろんピクセル等倍で見れば甘い部分もありますが、少なくともブログ掲載レベルなら十分な実力。
御殿場ルート下りの大砂走りは防塵防滴のOM-Dでも使うの躊躇する砂埃ですが、TG-4ならば安心。次の写真は先日富士山の側火山宝永山に登った際のもの。丁度、富士登山駅伝が開催されておりました。
秋の涸沢カールでも活躍してくれました。使い慣れてるオリンパスのミラーレスカメラと発色の傾向が似ているので、撮影時の露出補正や撮影後の現像、レタッチもいつものOM-DやPENと近い感覚で行うことができます。
パノラマコースからの涸沢カール一望は、ため息が出るほど美しかった。涸沢小屋の向こうに見える北穂高岳にも登ることができました。
オリンパスの防水カメラはこのTG-4の前に、3桁機のTG-850(現行製品だとTG-870)を使っていました。広角端の広さが魅力的なカメラでしたが、やはり描写の精細さなどは明らかにTG-4が上です。センサーは同じものである可能性が高いだけに(?)、やはり搭載レンズの性能が良いのだと思われます。
もちろん3桁機ならでは魅力はありますけどね(21mm相当の超広角に自撮りモニターなど)。現行機にはWi-FiやGPSも搭載されて、ひと桁機との差も小さくなっているので、用途によっては3桁機を選ぶのもアリでしょう。
TG-4を「水辺」で使う
防滴でなく「防水」というのは、密閉度を高くできるコンデジならでは。半分水中、半分水上のような写真だってTG-4なら簡単に撮ることができます。
うっかり水没するかもしれないカヤック遊び(実際にはそうひっくり返るものではありませんが)。普通に遊んでいるだけでも水がかかるような水辺遊びでもTG-4なら安心。うっかり湖に落としても大丈夫なよう、フロートを付けておくとよいでしょう。
趣味の釣りでもTG-4は安心して使えます。釣りにはミラーレスや一眼レフを持ってくことも多いのですが、余程狙った撮影をするのでなければ、魚に触った手でうっかりカメラを持っても、丸ごとジャブジャブ洗えるTG-4の方が断然使い勝手は上。
こんな水中写真だってお手の物。シュノーケリングやダイビングの趣味があれば、もっと面白い使い方があるのでしょうね。
TG-4を「スキー場」で使う
雪山という訳ではありませんが、スキー場でもTG-4は活躍してくれました。一眼を使ってもいいのですが、スキーの運動量や私個人の力量を考えると、やはりコンパクトでタフに扱えるTG-4が安心。
広大な雪原と青い空を綺麗に描いてくれました。
リフトから撮った写真もこの通りの精細さ。
TG-4を「マクロ」で使う
TG-4といったらコンデジの小さなセンサーサーズというデメリットを逆手取ったマクロ機能の充実ぶりでもお馴染み。
やはりここでも防水機能を生かしての雨の日の花マクロ。今年の梅雨時期はアジサイのマクロ撮影に活躍してくれました。
流石にここまで接写するとカメラ本体の影が入りやすくなってしまうのですが、LEDライトガイドのLG-1を使うことで、いい感じに光を当てることができます。今年発売されたフラッシュディフューザーのFD-1も良さそうなので使ってみたいのですよね。
先日の槍ヶ岳登山の際、あまりの雨にOM-Dをザックにしまった後もTG-4が重宝しました。マクロ域という程ではありませんが、雨に濡れた植物にグイっと寄っても余裕でピントが合うのが有り難い。
TG-4が売りにしていた深度合成機能は、ミラーレスカメラのOM-D E-M1にも搭載されてしまったことで、あえてTG-4でという機会は減ってしまいましたが、マクロ域での深度合成が手軽に撮れるのはTG-4ならではですね。
他にもあるTG-4の活躍シーンや注目機能
TG-4を普段使いに使ってみる/ズーム性能
特別防水機能やマクロ撮影が必要でない普段使いのコンデジとしても、もちろんそれなりの性能を発揮してくれるTG-4。スマホのカメラが良くなったとはいっても、素性の良いレンズを搭載したTG-4が吐き出す絵はまだまだスマホの上を行きます。
F2.0の明るいレンズのおかげで、飲食店の写真も感度を上げずに撮ることができます。
そういえば、初はてな訪問の際もこのカメラを持っていましたっけ。
ズームコンデジの基本機能であるズーム性能。広角端25mm相当の画角から…
テレ端で100mm相当の光学4倍ズーム。これはもうスマホでは無理ですね。
さらにデジタルズーム併用で400mm相当まで。さすがにシャープさはありませんが、高倍率のコンデジを使ってもこれぐらいの画質って結構ありそうな気が…?
最近は登山の際、メインのカメラには超広角ズームを付けて行くので、念のための望遠対策としてこのTG-4+デジタルズームがあると安心です。
内蔵GPS/電子コンパス
その他、GPSロガー機能などもありますが、それについては以下ので少し紹介しています。最近はロガーとしてはあまり使っていませんが、GPSと共に内蔵している電子コンパスの方角表示が、撮影時にリアルタイムでモニター表示されるのは登山写真の際にははかなり捗ります。
RAW保存が可能
本機種が出た際に目玉のひとつともされたRAW保存についてですが、最近RAWでも撮るようになってきたので本機でもRAWで撮っています(最近だと槍ヶ岳山行のTG-4写真などはRAWで撮ったもの)。
とはいえ、JPEGと大きく違うか?というとそれ程変わる訳でもなく(ハイライトに階調が残っていたのは驚きましたが)この手のカメラでは、ある程度割り切った使い方で、プログラムオートでJPEG保存って方が合ってる気もしています。
次世代機も楽しみなTG-4
以上、オリンパスSTYLUS TG-4 Toughを1年間使ってきての振り返りレビューでした。同じ防水カメラとして、TG-4の前に使っていたTG-850に比べてもかなり満足度が高いですし、私にしてはこの先も長く使うことにになりそうなコンデジです。
ちなみに今年はTGシリーズの3桁機(TG-870)は発売になったものの、ひと桁機は結局モデルチェンジの発表はありませんでした。それだけ本機の性能が成熟しているとも考えられますし、次世代機には何か大きな飛躍(センサーサイズ変更など)を期待したいものです。
追記:後継機「Tough TG-5」が発売 → 購入
2017年6月、TG-4の後継モデルとなる「OLYMPUS Tough TG-5」が発売されました。レンズ周りやセンサーサイズは据え置きつつも画素数を1600万画素から1200万画素へと下げることで結果的に画素ピッチを上げ、高画質化、高感度性能のアップを狙ったようです。
他にも、レンズの耐結露対策、気圧センサー、加速度センサー、コントロールダイヤル、GPSログ専用スイッチの搭載など、小さなボディに意欲的に性能進化を詰め込んできた印象です。
当初はTG-4が現役ということもあって買い換えは見送っていたのですが、結局我慢できずに購入することにしました。発売直後から大人気で慢性的に品薄状態のようで、オリンパスオンライショップで注文してから1ヶ月待ち状態です(2017.11現在)。
Tough TG-5|オリンパスオンラインショップ
価格はオンラインショップのフォトパスプレミア会員価格(割引ポイント最大利用)で44,477円でした。量販店やネット通販では4万円台後半から5万円前後で落ち着いているようなので、しばらくはオリオンプレミア価格が最安値のようです。
追記:TG-5が届きました。