今年還暦を迎える。つまり本厄の年にあたる。お祓いの代わりにはならないと思うが、厄除けと散歩を兼ねて、地元である横浜・港北の七福神巡りをすることを思い立った。「横浜七福神」巡りとして、横浜日吉新聞に紹介されている。
個人的には「横浜港北七福神」くらいが適切だと思う。休日の午後、3日かけて巡ってみた。
1月9日:菊名池弁財天(妙蓮寺) → 蓮勝寺・毘沙門天(菊名) → 正覚院・大黒天(新横浜)
東急東横線の妙蓮寺駅下車。実は小中学生の頃、ピアノを習いに毎週通っていた懐かしい駅である。同じく小学生の時に来たことのある菊名池プールまで徒歩数分。プールの横に小さな社があって、そこに弁財天が祀られている。財運と音楽・芸能の神様。そうか、小学生の頃ここにお参りしていれば、ピアノももっと上手くなれたのかもしれない。ただし、ここの弁財天は、琵琶ではなく、剣と宝玉を持っている。剣は魔除け、宝玉は招福とのこと。
ここから東横線沿いに蓮勝寺(浄土宗)へ歩く。毘沙門天が祀られている。
そして菊名駅から新横浜駅方面へ向かう。右に左に曲がる道。橋の跡。おそらく川だったと思われる道を歩く。もしかしたら暗渠なのかもしれない。
この道沿いに、人気のパン工房シャンドブレとレストラン Maison HANZOYAが並んでいる。
さらに数分歩くと、正覚院(曹洞宗)にたどり着く。大黒天である。
1月11日:金蔵寺・寿老人(日吉本町) → 東照寺・布袋尊(綱島)
東急東横線の日吉駅下車。慶応普通部の裏を通って、日吉台という高台を歩くこと 10分で金蔵寺(天台宗)に着く。七福神の寿老人が祀られている。
寿老人のお寺でありながら、立派な弁天堂がある。ここに上ると眺めがよい。そして龍の天井画と装飾が立派である。
日吉台を下り、真っ直ぐな道を綱島駅方面に向かって歩く。この辺りは、昔、会社の独身寮や社宅があったところだ。そして綱島台という高台を越えていく。これがなかなかの上り坂。
ようやく東照寺(曹洞宗)にたどり着く。立派なお腹の布袋尊がいた。
久しぶりに綱島駅に来てみたら、スターバックスが入って、ちょっと小綺麗になっていた。日吉台・綱島台という二つの高台を歩いたこともあり、お腹も空いた。地元の鯛焼き屋で、鯛焼きとたこ判を買って帰った。
1月17日:興禅寺・福禄寿神(高田)→ 西方寺・恵比寿大神(新羽)
この日は歩きではなく、車で二つの寺を訪ねる。実は、新吉田と高田を結ぶ幹線道路(宮内新横浜線の一部)が昨年12月に開通したので、それを通ってみるという隠れた目的もあったのだ。今回の開通により、新横浜から新羽、新吉田を経て高田までが直線的につながったことになる。
興禅寺(天台宗)は市営地下鉄グリーンライン高田駅から、結構な上り坂を上ったところにある。車で来たのは正解だった。福禄寿神のお寺である。阿形、吽形の金剛力士像がある山門がある。
市営地下鉄ブルーライン新羽駅から徒歩5分。西方寺(真言宗)は「花の寺」として知られ、特に彼岸花が有名であり、僕も毎年訪れている。七福神は恵比寿大神が祀られている。長い参道の先に茅葺き屋根の山門、そして本堂がある。
蝋梅(ろうばい)がこれから見ごろを迎えるところであった。
横浜七福神を祀っているいずれの寺も、今年は御朱印などを扱っておらず、参拝する人はほとんどいなかった。それぞれの寺にその土地の名前を示す「山号」がつけられている。菊名山蓮勝寺、豆戸山正覚院、清林山金蔵寺、綱島山東照寺…。実際に、山を背にして、立派な本堂が建てられた寺が多い。そして寺それぞれに独特の風情がある。
「横浜七福神」の寺巡りは、横浜港北を歩くよい機会であったと思う。本厄の年だけれども、災いなく平穏な日々が送れますように!