目指せ!フィ女子の道 第5回 [バックナンバー]
ももいろクローバーZの最年長・高城れに、グループ初期から親交がある足立先生に悩み相談
「先生の言葉に勇気付けられました」
2025年1月3日 17:30 31
パーソナルジムのボディプラント六本木の代表であり、数多くのアスリートやアイドルの指導実績を持つ肉体改造のスペシャリスト・足立光先生が、ゲストの女性アイドルをフィットネス女子=“フィ女子”の道へ導く連載「目指せ!フィ女子の道」。今回は足立先生とグループ初期の頃から長年にわたって接点を持ち、過去にフィジカルの指導を受けたこともある
ももクロのことをよく知る足立先生との対談の中で、高城さんは自身の肉体についての悩みをぶつけるも、先生は世の中の30代全員に対して言いたいことがあるとのこと。そして筋肉や食事など話が多岐にわたった悩み相談を経て、高城さんには自宅でも簡単に実践できる、理想の肉体へ近付くためのトレーニングを体験してもらいました。
取材・
高城れに フィジカルアンケート
ももクロでの活動で体がかなり強化された
小さい頃から体を動かすことや運動は好きなんですよ。ただ、得意なものと苦手なものが極端に分かれるんです。球技は苦手だけど、走るのはすごく好き。小さい頃から短距離よりも長距離が好きで、小学校のマラソン大会では男女混合で10位以内には絶対に入ってました。たぶん、自分との戦いが好きなんですよね。運動に限らずどんなことでも。一人っ子特有の、自分が「これ!」と決めたものにはガッと集中できる性格なんだと思います。あと、ももクロでの活動で体がかなり強化されましたね。
トレーニングに関しては、今は定期的にジムに通えてはいないんですが、家での軽い運動は欠かさないようにしています。もともと父が体を鍛えることが好きで、ジム通いをしていたんです。中学生の頃は一緒に行ったりしてました。あ、父は全然マッチョじゃないですよ(笑)。筋肉が付きづらい体質で、筋肉の維持のために鍛えてるんです。大人になってからも時間があるときは一緒にジムに行って、いろいろ教えてもらっています。
最近トレーニングを意識したのは、1st写真集「9-Kaw-」を撮影したときでした。体を絞るためにもがんばらなきゃと思ってトレーニングしていました。もともと私は体が硬いんですよ。それにもう若くはないですし(笑)。でも、ももクロとしてこれからも活動していきたいので、簡単にできるストレッチとかはお風呂上がりに必ずしています。普段の生活の中でなるべく体を動かすように意識していて、ストレッチ以外にも極力階段を登ったり、家族でウォーキングしたり。あと、ももクロと日本郵政さんの「カラダうごかせ!ニッポン!」というコラボプロジェクトが始まって。ももクロが日本郵政グループのスポーツ応援アンバサダーに就任して「MEKIMEKI体操」という新しい体操を発表したりして、それも自分の体と向き合うきっかけになりました。
マラソンにハマったきっかけは
31歳になって、ライブは全然大丈夫ですけど、最近お仕事で移動距離が長かったりすると足の疲れが取れにくくなったり、足がむくみやすくなったりしてきたと感じるんです。だから、ちゃんと鍛えなきゃなと思っています。あと、ハーフマラソンの大会(2024年3月に開催された「鈴木亜由子杯 穂の国・豊橋ハーフマラソン」)に出たんですが、次の日は体がホントに使いものにならなかったです(笑)。やっぱり毎日の積み重ねが大事だと思うので、本番の直前に鍛えるのではなく、日々走り込みをするとか日常的に体を鍛えなきゃいけないなって。でもハーフマラソンに挑戦してみて、意外といけるなと手応えを感じました。最後の3kmはキツかったけど、モノノフ(ももクロファンの呼称)さんの応援のおかげもあって楽しく走れました。結果は2時間5分38秒で、わりと速いほうではあるらしいんですけど、もうちょっとペース配分できたなとか、ちょっと悔しい思いもありました。なので、次はもうちょっと速く走れるようにがんばりたいです(※高城は12月に「第10回 京都亀岡ハーフマラソン大会」にも出場し、自己ベストとなる2時間5分9秒を記録した。取材は2024年秋に実施)。
もともと走ることが好きだったんですけど、2023年に広島の「ふくやまマラソン」に出させていただいて(※高城と百田夏菜子がゲスト出演し、3kmマラソンに参加した高城は10位でゴール)。ひさびさに走って「やっぱりマラソン楽しいな」と思ったのがきっかけで、人生のうちに1回はハーフマラソンとフルマラソンを走りたいという目標ができたんです。
走るための筋肉について知りたい
振り返ると、家で一番トレーニングしていたのはコロナ禍の時期でした。自粛期間中はやることがなさすぎて、最初の3週間ぐらいは昼夜逆転みたいな生活をしていたんですよ。仕事もないし、不規則な生活ばかりして「自分は何をしてるんだろう?」と不安になって夏菜子ちゃんに電話して。「自分がなんなのか、ホントにももクロなのかわからなくなるくらい怖いんだけど……焦るときない?」みたいな会話をして、そこから自分を変えなきゃと思ったんです。トレーニング動画を参考にしつつ、ちゃんと規則正しい生活に戻しました。あの時期に体力が落ちた方もいらっしゃると思うんですけど、私はコロナ明けのライブも全然平気だったんです。毎日ちゃんとトレーニングできたおかげでバテずにライブができたと思います。
私たちの仕事って毎秒毎秒が切り取られてそれが表に出るし、そのすべてが一生残るじゃないですか。だからこそ体に気を付けなきゃいけないし、鍛えなきゃという意識は年を重ねるごとにより強くなりましたね。実際、運動をすると体がスッキリしますし、可動域も増える実感があります。何より、「なんか気分がいい」って感じられるのが一番ですね。運動して気分もよくなれば、いい運も舞い込んでくると思っています。
ただ、私はなかなか筋肉が付きづらい体質で、それにずっと悩んでるんです。食事やトレーニングなど、生活の中でどんなことを意識したらいいかを知りたいですね。それと今後もマラソンに挑戦していきたいですし、走るのにどこの筋肉を鍛えたらいいのかも足立先生に聞きたいです。
足立光先生によるお悩み相談
ももクロはメンバー全員、体の使い方がうまい
足立光 僕はももクロとは古い付き合いですが、一番接点があるのはれにちゃんなんですよ。
高城れに そうですよね。
足立 ももクロと最初に会ったのは、6人体制時代に、何かの撮影でボディプラントに来たとき。その後に配信番組で足つぼマッサージをやったと思う。
高城 めっちゃ痛くて、すごく印象に残ってます(笑)。
足立 その後、早見あかりちゃんの卒業ライブ(2011年4月10日に開催された「4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事」)を中野サンプラザでやるときに、れにちゃんがソロで演歌を歌うことになり、その殺陣の振付を僕が担当したんですよね。アクションと刀の殺陣も教えて、しかも自分も切られ役でステージに出ました(笑)。
高城 所作を教えていただいたり。それもすごくよく覚えてます。
足立 そのライブの最後にももいろクローバーZに改名して、メンバーみんなが「なんでZなんですか!?」って怒ってたのを覚えてる(笑)。
高城 あははは。なんか足立さんと関わるときって必ず濃いんですよ。足つぼや殺陣もそうですし、最近だと、写真集を出したときにモノノフさんのお尻にタイキックをするという謎のイベントをやって(笑)。足立さんにタイキックを教わりました。
足立 川上さん(ももクロのマネージャー兼プロデューサーの川上アキラ氏)から急に電話が来て「ちょっと蹴りを教えてください」って言うから、何をするんだろうと思ったよ(笑)。でも、その前にもうちのジムに何回か来てるよね。
高城 はい。もっと前に、プライベートで体を鍛えたくてしおりん(玉井詩織)と来たり、マネージャーさんと通っていたりした時期もありました。
足立 ももクロの子たちはみんな身体能力が高いなというイメージが初めからありました。夏菜子ちゃんがまだ中学生か高校生くらいのとき、急に「見て見て!」ってバック転したり突然逆立ちしたり、すごいなと思ってた。
高城 夏菜子ちゃんとしおりんがアクロバット担当で、その2人のおかげで、ももクロ=アクロバット集団みたいなイメージが根付いたんですよね。
足立 2人だけじゃなく、メンバー全員、体の使い方がうまいと思うよ。自分から見たらエリートというイメージしかない。それこそ、れにちゃんに殺陣を教えたときも覚えるのが早いなと思ったし、タイキックのときの蹴りもきれいでスキルがあるなと感じた。僕は職業上、いろんなアイドルさんに蹴りを教えてるんですよ。
高城 いろんなアイドルに蹴りを教えるフィジカルトレーナーって、足立さんくらいですよ(笑)。
足立 いやこれ真面目な話ね、たくさん教えた中でも、れにちゃんが一番蹴りがうまいよ。
高城 えー! 褒めてもらえてうれしいです。
足立 体の使い方がいいんだよね。やっぱり、すごい体の使い方をするダンスをやってきたじゃないですか。
高城 確かに激しいですね。
足立 僕もダンスの経験があるからわかるけど、普通やらないような動きのダンスを踊ってきたことが関係していると思う。
高城 昔の私たちのダンスって、ガニ股とかジャンプとか体を反らすとか、そういう動きが多かったじゃないですか。足立さんはそれを見てどう思っていたんですか?
足立 大丈夫かなこの動き?と思いつつ(笑)、みんな平気で踊ってるからすごいなと感じてました。
高城 当時の私たちとしてはそれが普通だったし、特にどこか痛めたりもしてないんですよね。まだ10代で、若かったからできたところはあると思いますけど。だから、年を重ねるごとに振付の種類が変わってきてるんですよ。過去のライブ映像を観ると自分でもすごいって思いますもん。
足立 時期に応じて振りを変えていくのは必要なことだと思います。人間の老化の一番の原因って病気とケガなんですよ。ケガをして今までやっていた動きができなくなって運動機能が低下した、膝が痛くなって散歩する回数が減った、長い間病気して体重が減ったとか、そういうことで徐々に老化していくんです。だから老化予防にはケガと病気をしないことが一番重要なんです。
高城 説得力がありますね。足立さんホントに変わらないですし。だって年齢を聞くとひっくり返りそうになりますもん。
足立 もう還暦ですよ。
高城 いやー、絶対ウソ(笑)。
足立 でも僕もいろいろ変わりましたよ。ここまで年齢を重ねて思うのは、若いときに引く風邪と年取ってからの風邪では全然質が違うということ。最近はとにかく風邪を引かないように心がけるようになりました。コロナも全然かからなかったですし。
高城 1回もかかってないんですか? すごい!
足立 れにちゃんは大きな病気やケガを経験したことはありますか?
高城 大きなケガは、手を骨折したことがあるくらいです。9年前にライブのリハーサルの最中に転んで折っちゃって。私、小学校のときも2回折ってるから、左手を3回折ってるんです。体がそっちの方向に倒れるクセがあるみたいで。
30代なんてまだまだ若い!
足立 れにちゃん、今おいくつでしたっけ?
高城 31歳です。
足立 れにちゃんは自分はもう若くないみたいに話すことが多いけど、30代なんて全然若いよ。これは女性も男性もそうなんだけど、40半ばくらいまでは歳とったって思っちゃダメだと思う。僕も歳食ったなって実感したのは50手前くらいのときなんだよね。それまで気になる変化は感じられなかった。実際、人間の体の老化が加速するのって50歳過ぎてからなんですよ。
高城 そうなんですか?
足立 40代後半になるとホルモンの生成量が低下してくるんです。だから、30代なんか全然若い。それよりも、自分は歳だと思って挑戦するのをあきらめるほうがどうなのかな?と思っちゃう。30代なんてまだまだ若い!ってことを世の中の人たちに伝えたいです。
高城 おー! それはうれしい言葉ですね。
足立 30代なんて20代とあまり変わらないよ。実際、筋肉の減少量も20代と30代ではほぼ一緒。もちろんケガには気を付けたほうがいいけど、回復力だってそりゃ10代とは違うけど、20代と30代ではそこまで変わらないし、心肺機能に関してもそう。だから、れにちゃんは全然歳じゃないんです。
高城 えー! そんなこと言われたら調子に乗っちゃいますよ(笑)。
足立 調子に乗るくらいでいいんです。僕が一番言いたいのは、自分は若くないと思ってやりたいことに挑戦せず、あきらめちゃうのはもったいないということ。これはすべての人に言いたいです。
高城 足立さんが力説してるんだから間違いなさそう。
足立 ホントに、年齢という縛りで自分の行動を制限するのはやめたほうがいいと思う。「歳だから」とか言葉に出すのもやめたほうがいいです。自分がそうだって思い込むほうが人生もったいないと思う。自分を制限することで老化が進んでいくんですよ。
高城 わかりました。最近、自信が付いたことがあって。お店で未成年と間違えられて年齢確認されたんです。「まだ未成年に見えるんだ! イェーイ!」ってすごい調子乗っちゃいました(笑)。
足立 いいじゃない(笑)。
登山で注意すべきことは
高城 今の足立さんの言葉に勇気付けられました。これからはやりたいことをどんどん口に出して言っていきます。
足立 そうそう、まだまだなんでもできる年齢だからね。これから、どんなことをやりたいですか?
高城 やりたいことはいっぱいあります。まず、ももクロとしてもソロとしてもライブをいっぱいやりたい。ライブに限らずイベントでも日本全国でアクティブに動きたいです。あと、写真集の第2弾を発売したいですね。年齢の話になっちゃうけど、やっぱりライブの衣装も「ちょっとフリフリすぎない?」とか思ったりするんですよ。でも、私はアイドルそのものが好きでアイドルという職業に誇りを持っているので、アイドルらしいフリフリの衣装を着ていきたいなと思っています。
足立 いい心意気だね。
高城 出せるうちに出しとけ、みたいな意識もあるので(笑)、足とか腕はちょっと攻め攻めでいきたいなと。今の足立さんの言葉を受けて、よりそう思いました。
足立 その気持ちを大事にやりたいことをどんどんやってほしいですね。趣味やプライベートでやってみたいことはある?
高城 プライベートでは、走ることにもっと挑戦してみたいですし、登山もやりたいんですよ。前からちょくちょく友達と山を登ったりはしていたんですけど、最近できていないので。前は、瑞牆っていう山梨にある標高2200mくらいのけっこう高い山や、秩父の三峯神社の裏の山に登りに行ったりしていました。
足立 登山は今流行ってますが、注意してほしいのは山を下るとき。上りで体力も、体の中の糖もなくなってブレーキの力が落ちてしまうと、体重を膝の筋肉が支えられなくて滑落する人がけっこういるんです。
高城 そうなんですね。
足立 だから足腰は普段から鍛えておいたほうがいいんですよ。
高城れにが足立先生に聞きたいこと
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「自分を制限することで老化が進んでいく」
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