ミャンマー詐欺拠点にいた邦人1人をタイ側に引き渡しへ…愛知の高校生といた男、警察が移送後取り調べ
2025年3月7日(金)7時10分 読売新聞
6日、バンコク市内で読売新聞のインタビューに応じるタッチャイ氏=佐藤友紀撮影
【バンコク=佐藤友紀】日本人の高校生がだまされて渡航したことが判明したミャンマー東部の詐欺拠点に関する捜査を指揮するタイ警察のタッチャイ・ピタニーラブー人身売買対策センター長が6日、本紙の取材に応じた。先に保護された愛知県在住の少年(16)と同じ拠点にいた日本人の男1人の身柄が、ミャンマー側からタイ側に引き渡されるとの見通しを示した。
タッチャイ氏は、この少年と1月に保護された宮城県の少年の証言から、ミャンマー東部ミャワディの詐欺拠点に「20人以上の日本人がおり、主に加害者側とみている」と述べた。このうち1人が引き渡される見通しの男だといい、愛知県の少年は男のもとで働かされていたという。
タッチャイ氏は、男がミャンマーで「近く拘束される」と語った。タイへの引き渡しの時期を含むミャンマー当局や少数民族との調整状況のほか、具体的な容疑については明かさなかったが、引き渡しを受けてタイで取り調べる考えを示した。この男のほか、日本側が捜索を依頼している20歳代と30歳代の男2人の捜査も進めていると説明した。
タッチャイ氏は、ミャワディの武装勢力「国境警備隊(BGF)」が今月1日に身柄をミャンマー警察に引き渡したと発表した北海道出身の男(36)については、「日本の受け入れ準備が整い次第、タイ側に送られる」と説明した。時期は見通せないとした。