戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
ニューズウィーク日本版 / 2025年2月14日 19時13分
マイカ・マッカートニー
<ロシア政府のプロパガンダ拡散役を担う人物としても知られる政治アナリストがロシア国営テレビに出演し、北朝鮮兵の「参戦」について異例の発言を行った>
ロシア政府に近い人物ロシア国営テレビに出演し、ウクライナとの戦争に北朝鮮兵が携わっていることを認めた。これだけでも異例のことだが、さらに彼は北朝鮮兵に多大な損害が出ており増援部隊が到着する見通しであることも示唆した。実際、北朝鮮兵の犠牲は拡大しており、SNSには北朝鮮の「参戦」を隠すため自爆する北朝鮮兵や、そんな彼らの遺体から証拠を集めようとするウクライナ兵の映像が投稿されている。
■【動画】北朝鮮兵は「もう使い果たした」...手榴弾で自爆し証拠隠滅、ウクライナ側は遺体を切って証拠収集
韓国とアメリカの当局者らは、北朝鮮がロシアを支援するために少なくとも1万1000人の兵士を派遣したと推定している。これらの兵士は、ロシアが2024年8月以降ウクライナによる越境攻撃を受けて苦戦しているロシア西部クルスク州に配備されている。
ウクライナ政府はこれらの北朝鮮兵のうち約4000人(およそ3分の1)が死亡または負傷したと推定しているが、この数字はいまだ未確認だ。1月には北朝鮮兵が前線から撤退したことを示唆する複数の報道があったが、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はその後、北朝鮮の部隊が前線に再投入されたと述べている。
これまでロシアにいた北朝鮮兵は「使い果たした」
ロシアと北朝鮮はいずれも、北朝鮮の部隊が現地に展開されていることを公には認めていない。
こうしたなか、ロシア国営テレビ「ロシア1」の番組「60ミニッツ」の最近の放送回に出演したのが、ロシア政府のプロパガンダ拡散役を担う人物としても知られる政治アナリストのドミトリー・アブザロフ。その彼が行ったのが、記事冒頭の北朝鮮の地上部隊の存在に関する驚きの発言だった。
本誌はこの件についてロシア外務省および中国にある北朝鮮大使館に書面でコメントを求めたが、これまでに返答はない。
ウクライナ内務省の元顧問であるアントン・ゲラシチェンコがX(旧ツイッター)に投稿した英語訳によれば、アブザロフは「(現地で)戦っていた兵士たちはもう使い果たしてしまった。1カ月以内に次の部隊が到着する」と述べ、さらにこう続けた。「現時点ではもう北朝鮮兵はいない」
番組の司会者であるオルガ・スカベーエワが驚いた様子で「国営メディアが報じていなかっただけで実際にはそうだった?」と尋ねると、アブザロフは2022年にロシアがウクライナでイラン製の自爆型ドローンを使用したものの、当初はそれを否定していたのと同じような状況だと述べた。
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