会社に幻滅して転職を決意。次のキャリアに迷っています【転職相談室】
「会社に幻滅した」という理由で、転職を考えているJさん。現職への想いが強かったからこそ、次のキャリアをどのように選んでいいのか分からないそうです。
そこで、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が、お悩みに回答します。
目次
会社に幻滅して転職を決意。次のキャリアに迷っています(Jさん/28歳/ブライダルコーディネーター)
【相談内容】
ブライダルに関わりたくて、新卒で入社した企業を2年で退職し、現職に入社しました。憧れの仕事だったのですが、コロナ禍で経営が厳しくなり、顧客満足を無視して売り上げのみを重視するようになってしまいました。もちろん、売り上げは大切ですが、お客様が望んでいないオプションを強引に勧めて、とにかく顧客単価を上げるという経営方針には反対です。「誰かの幸せのお手伝いをしたい」という想いでこの仕事を選びましたが、転職しようと考えています。でも、次のキャリアをどのように選んだらいいのでしょうか?
法人営業なら、対人スキルを活かせる上に土日休みを実現可能
▶アドバイザー
経営方針に違和感を持たれて転職を検討されているのですね。「次のキャリアに迷っている」とのことですが、経験を活かして同じ業界に転職するか、それとも別の業界・職種にキャリアチェンジするかで迷っているのでしょうか?
▶相談者
ブライダルは憧れの業界でしたが、基本的に土日が仕事になります。また、個人の方を相手にしているので、休みの日でも急な対応を求められることもあります。転職を考えた時に、どうせなら、ワークライフバランスも整えたくなりました。
▶アドバイザー
では、土日が休みの仕事を希望されるのですね。仕事内容など、他にご希望はありますか?
▶相談者
ブライダルの仕事を希望した理由は、「幸せのお手伝いができる」ということに加えて、お客様に最適なアドバイスをすることで、自分の価値を発揮したいという想いがありました。
ご要望をお伺いして最適なプランをご提示し、お客様が「相談して良かった」と思っていただけるような仕事をしたかったんです。
▶アドバイザー
では、デスクワークというよりは、顧客に対して提案する仕事が希望なのですね。そして土日休みとなると、ブライダルコーディネーターのような個人向けの営業の仕事よりも、法人向けの営業の方が、実現の可能性が高くなります。
また、オーダーメイド型の提案ということは、無形商材の方が向いています。
例えば、人材派遣や人材紹介の営業やキャリアアドバイザー、広告代理店の営業、BtoB向け無形商材の営業やカスタマーサポートなどが挙げられます。
求人数は少ないかもしれませんが、ブライダルやイベントコーディネーターなどの職種を扱う人材派遣や人材紹介企業、美容系のクライアントを多く持つ広告代理店などは、これまでの知識・経験を活かすことができるかもしれません。
▶相談者
ブライダルコーディネーターは個人向けの仕事に分類されるのですね。では、法人営業の特徴を教えてください。
▶アドバイザー
これまで、お客様の様々なご要望を聞いて、予算の範囲内でプランニングされてきたと思います。個人の場合は、基本的にご本人が予算を決めてサービスに申し込みますが、法人の場合は、担当者の他に決裁者がおり、社内で稟議を通さねばならないので、申し込みまでに時間がかかる傾向があります。
個人だと「水色が好み」「美味しいお料理を食べていただきたい」など、主観による要望が多くなりますが、法人は「○○率をXX%上げたい」「○○部門で○○を実現したい」など、顕在化している課題を前提にしているケースが大半です。
そのため、ヒアリングのポイントや受注までの流れなど、仕事の進め方が大きく異なります。
個人に関わる仕事なら、人材業界のコーディネーターやアドバイザーも選択肢に
▶相談者
全くの未経験である法人営業よりは、個人に関わる仕事の方が進めやすいかもしれません。その場合は、人材派遣や人材紹介のキャリアアドバイザーになりますか?
▶アドバイザー
そうですね。人材業界は営業だと法人が対象になりますが、人材派遣のキャリアコーディネーター(派遣コーディネーター、人材コーディネーター)や、人材紹介のキャリアアドバイザー(キャリアコンサルタント)は個人が対象になります。
▶相談者
個人向けということは、土日休みにはならないですか?また、その2つの仕事内容を教えてください。
▶アドバイザー
どうしても平日に時間が取れない場合などに、企業によっては土日に対応することもあるようです。また、平日の夕方以降に面談を受け付けている企業も多いので、勤務時間は面接で確認して下さい。
人材派遣のキャリアコーディネーターとは、派遣を希望する方の相談に乗って、マッチする派遣の業務を紹介する仕事です。企業によっては、派遣スタッフとして働き始めた後も相談に乗るなど、伴走してサポートするケースもあります。
一方、人材紹介のキャリアアドバイザーも、転職を希望する方の相談に乗って、マッチする仕事を紹介するのですが、人材紹介の場合は契約社員や正社員の方からの相談が中心です。
どちらも、最初に面談を行って、相談者のキャリアや希望条件などを聞き、キャリアの方向性を明確にして仕事を紹介する仕事です。「相談者の希望に合わせて支援する」という仕事のスタイルは、ブライダルコーディネーターに似ているかもしれません。
▶相談者
そうですね。その人に合った仕事をご紹介できれば、「誰かの幸せのお手伝いをしたい」というポリシーにも合致します。人材業界を中心に、転職活動をしていこうと思います。
転職先でも幻滅しないように、転職活動では経営方針を必ず確認しよう
▶アドバイザー
最後に、転職活動の注意点もお伝えします。転職のきっかけになったのは、現職の「売り上げ至上主義」に違和感を抱いたからです。同じような経営方針の企業に決めてしまわないように、応募する仕事の目標設定や管理方法、評価制度などをきちんと確認しておきましょう。
また、業界・職種を変えることになるので、経験者に比べると、選考で不利になってしまいます。応募書類の作成や面接対策はしっかりと行っておきましょう。
また、応募する求人はできるだけ絞り込まずに、幅広く応募して色々な企業から話を聞いてみるのも大切です。
▶相談者
分かりました。教えていただいた法人営業の仕事も含めて、興味を持った求人に応募してみることにします。ありがとうございました!
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