どういうシチュエーションでのインタビューだったのか、東京新聞大丈夫なのだろうか、などいろいろな感想がありつつですが…
売り買い感はありつつ、やっぱりちょっと不安要素はありますね。
―顧客を立ち往生させた昨年2月の障害では、社内で関係部門への連絡が遅れ、対策会議開催まで4時間以上を要した。
「今は(障害認知から)1時間以内に連絡が来る。部長レベルの会議もやる」
カッコ内、記事として補足したのは新聞側だろうけど、ここ、そう書いてる場合じゃなくて、ちゃんとツッコむべきところではあるよね(インタビュアーはシステムのことわかってるのだろうか)。
この「障害認知」が何を指すかは非常に重要で、例えばシステム監視センターの発報から、だったら文字通り「1時間以内に」なわけだ。といっても、発報したものが頭取に上げるレベルなのかを必ず1時間で判断、というのは難しいから、本当に実現できるのであれば別に顧客影響がないものも含めて全部連絡が来る、とかじゃないと成立し得ない。となると、まあ1時間以内ってのも「早い」の言い換えにすぎないんだろうなって思うね。
―前社長や前頭取の障害把握も遅かった。
「僕にはメールも来るし重要なものは電話も来るから」
これが「全部メール、ヤバいのは電話」であれば先のと矛盾はしていないけど、ほんとかな。
―対応は障害認知から1時間以内にできるのか。
「だから来るって言ってるじゃない。もうそんなところまでさかのぼりたくない」
これは質問が悪すぎる。「1時間以内に対応」が何を指しているのか。当然だけど、障害を解消、なんてのは1時間以内を約束するものではないから「対応は」に対して「対応スタートは」ってニュアンスの回答をしている(というより、質問がおかしすぎて怒っているようにも見える)
―大事なことだと思う。
「だからできてるって言ってるじゃない」
これが…新聞クオリティなの…?
―障害時に耳が聞こえない人が現金自動預払機(ATM)横の電話を使えず、代替手段がなかったことが顧客意識の希薄さだ、と第三者委員会が指摘した。
「ちょっとそこは認識ない。ただ、今後全てのATMにビデオスピーカーを入れることで解決されると思う」
これはなあ…認識ないってのは第三者委員会の報告読んでないんですか?みたいな話なのと、耳が聞こえない人が「ビデオスピーカー」って話が噛み合ってないよね(ちゃんと指摘してちゃんと聞くべきでは?)
それはさておき、耳が聞こえない人向けのATM横の電話以外の対応方法って他社(他のATM持っている金融機関)ってどうやってるんだろうか。第三者委員会の報告を引き合いに出すなら「他行はこうしているが」みたいな聞き方はできないものか。まあ、頭取も適当なこといいすぎな気がする。
―米グーグルとの提携を発表した。狙いは。
「グーグルは(社内で安心して意見を言える)心理的安全性が高い会社と言われている。人事交流で良いカルチャーを吸収したい。お客さまの好みや属性に応じて最適な商品提案をするマーケティングも一緒に進めたい」
なんかこれが一番やばい気がするんだよなあ。カルチャーが実態のない企業風土なるものからできていると勘違いしている気がするけど、業務のあり様から必然的に生まれるものなんだから、ICT第一に業務改革をする、人材評価も変える、とかそういうことをしないと多分意味ないよね。メガバンクの社会的な責任としての企業のあり様とは目指しているところが違うと思うんだけどな。