2012ロンドン五輪準決勝 日本対メキシコのプレビュー
みなさん、こんにちは。本日は日本対メキシコのプレビューを行います。ちなみにエジプト戦のレビューは飛ばします。やっぱり、あのチームの守備は謎でしたので。
関塚さん、五輪前に散々叩かれてましたが、本当に駄目な監督ってのはエジプトの監督みたいな人のほうです。なんであの守備のやり方で、五輪本戦を戦えると思ったのか、小一時間問い詰めたい。ブラジルクラスの攻撃力か、イタリアばりの守備組織があるなら、7人でも守りきれるかもしれませんけど、エジプトの選手みれば、それが不可能なのは明らかでした。このレベルの大会だと9人は守備に動員すべきで、守備免除は一人が限界です。ブラジル以外ね。
そもそもエジプトのブラジル戦の2得点だって、ブラジルの守備がザルだったら入ったようなもんだったし。ま、ブラジルの守備については、日本が決勝でブラジルとやることになったら、その時に扱います。
というわけで、本日は、メダルを賭けた決戦となる日本対メキシコのプレビューです。中身は、主にメキシコの話です。調査対象としたのは、メキシコ対セネガルの試合です。
U-23メキシコの基本的な特徴
さて、メキシコU23の話にはいりましょう。次の試合のスタメンですが、多分、こんな感じです。
こうなってます。メキシコは基本、4231でやります。4231でやる多くのチームと同じで、守備方法は、高い位置からプレスかける時は、442、引いて守る場合には4411に変形して行います。基本、全員攻撃全員守備のチームで、日本とよく似たチームと言えます。2列目の3人は非常にスキルが高く、コンビネーションで突破を図る事が可能です。このあたりも、日本と良く似ています。前4人は流動的なので、そこも注意が必要です。
それと、これ重要な事なんですが、メキシコは平均身長が非常に低いです。GK以外だと180超はD. Reyesの185 cm、エンリケの187 cmと、2人しか180台がいません。そのため、高さにはかなり不安のあるチームになってます。メキシコ代表は、A代表も高さと強さのあるチームじゃないので、組織で守るチームですが、U23もそれと同じで組織で守るチームです。
一方で、U−23日本は、徳永、扇原、酒井ゴリ、マヤ、鈴木、大津と180超えが6人です。ですから、以外とあっさりセットプレーで点とれるかもしれません。関さんのU23は、日本では珍しく、背の高い選手が多いチームです。背が低いのは山口と清武くらいですが、清武はあれでヘディングが上手いので、メキシコからセットプレーで点取られるってのは、まずないと思ってます。逆にこっちが取れる可能性高いくらいです。
次の試合、永井が前回の試合で痛んでしまったので、1トップ誰にするか決まってないんですけど、杉本使っても面白いです。その場合、杉本とメキシコの左CBのD. Reyesがマッチアップする事になりますが、背丈は杉本のほうがあるのでロングボール放り込みでも、そこそこいけるかもしれません。もう一人のCBのH. Mierは179?で、高さがないんで、そこも狙い目です。この試合に限ってはロングボールとセットプレーが有効な攻撃手段になります。なんでかっていうと、メキシコは高さが無いからです。
U23日本は、清武と扇原っていう左右のプレースキッカーをもっているので、そこにマヤの189?、杉本の187?タワーを並べられるとメキシコは相当きついでしょうしね。なので、日本のほうは、結構ロングボール使ってくるかもしれません。
不思議な事に、セネガルはメキシコにあんまりロングボール使ってませんでしたが、セットプレーからは結構好機を作り出せてました。高さではセネガルが明らかに勝っていたので、当然っちゃ当然ですけども。セネガルの二点目はセットプレーからのヘディングなんで、高さで勝る日本は、セットプレーを大事にしたい所です。
エジプトのビルドアップについて
さて、こっからはエジプトのビルドアップについて扱います。主にセネガル戦で見られた形なんですけどね。
結論から言っちまいますが、メキシコのビルドアップはかなり右偏重です。理由は、右SBと右CBが足下達者だからです。左CBと左SBは、そんな繋げるタイプには見えませんでした。まあ、この試合からは、ですが。
4231で、日本やモロッコがやってたボランチを最終ラインに落としてビルドアップさせるてのは、メキシコはやってませんでした。基本的に、右SBか右CBがビルドアップの起点です。
ちと、キャプでやりますが、
前半開始直後、セネガルを苦しめてたのが、メキシコの右SBから始まるビルドアップで、彼のキックの精度、相当なモンです。彼から始まると、メキシコの攻撃にリズムが出ていて、彼がメキシコのビルドアップの起点と考えて頂いて結構かと。
メキシコのビルドアップなんですが、右SBが空いてる時は、大概、彼から開始します。そこから、縦パスをいれていくか、あるいは、左WGへのサイドチェンジを狙ってきます。これ、かなり精度が高いので注意が必要です。
もうひとつ、キャプでやりますけど
ココなんですね。右サイドからスタートして、左WGのM・ファビアンに通す流れが非常に厄介で、この試合のメキシコの二点目も、まさにこーいう流れでした。
もひとつやりますけど、
これです。メキシコの右サイドは、かなり強力で厄介です。右サイドにスライドして守ろうとすると、左サイドにサイドチェンジしてきますし、スライドが甘いと縦にパスいれて来ます。
で、この試合のメキシコの二点目も右サイドから組み立てもぎとった点なんですが、こいつは動画はっとくので、そっちで見てください。動画の4:03からです。2番のボールもってるのがメキシコの右SBで、あそこから始まるビルドアップは、かなり厄介です。
流れ的には、右SBがボールを持ってドリブルし、相手を引きつけてから右ボランチにパス、右ボラは左ボランチにボールを流して、左ボランチが左WGのM・ファビアンにパス。このサイドチェンジの後にファビアンが一対一を挑み、その後、ドスサントスにパス。ドスサントスがCB引きつけて、中央にはいってきたファビアンにパスをし、こぼれた所を右WGのアキノが押し込みました。
この試合、セネガルがかなり苦しんだのが、メキシコの右サイドから始まるビルドアップで、あれに相当苦しんでましたセネガル。
次にメキシコの守備なんですけど
それで、次にメキシコの守備なんですけど、これ、一回、ゾーンを組まれると、日本は点取るの相当難しいと思います。
前回、エジプト戦のプレビューをした時、「エジプトはザル」って馬鹿にした僕ですが、メキシコは守備でこれといって穴がありません。DFが全体的に背が低いのが難点なくらいで、守備は全員でやってくるし、カバーリングも的確なんです。だから、一度、ゾーンを組まれると崩すのは非常に困難です。
何が面倒かって、右WGのアキノと左WGのM・ファビアンが守備サボってくれないんですよ。SBについてくるのは勿論として、ボランチとの連携に注意を払って、中央に絞って守備やります。特にアキノなんですけど、こいつ、本当によく走る。だから、ゾーンに穴が空きにくい。トップ下のドスサントスやCFも、やばいと思ったら帰陣しますし、アタッカーが非常に献身的なんです。ハイプレスかわされると、さっさと帰陣して、8〜9枚でブロック組んで来るんですけど、このブロックがかなり堅い。
日本のU23なんですけど、7〜8枚の守備ブロックまでは何とか崩せるんです。そのくらいのアタッカーは揃ってます。ただ、9枚以上で守備ブロック作られると、ちときつい。A代表なら何とかなるけど、U23は9枚以上の守備ブロックは多分無理です。相手がミスしてくれれば別なんですけどね。
メキシコ相手だと、遅攻だと、点とるのはまず非常に難しいと思ってます。今大会のメキシコですが、まだ二失点しかしてません。セネガル相手に二失点しましたが、内訳は、カウンターからクロスいれられてヘッドでたたき込まれた一点目、セットプレーからヘッドたたき込まれた二点目となってます。遅攻では、まだ点とられてません。だから、遅攻だと、日本が点取るのは相当難しいと思います。
それともう一つ、メキシコのカウンターのケアなんですけど、セネガル相手には、開始9分で先制したので、その後は、あまりSBを上げることなく戦っていました。なので、後ろに常に5人くらい残して戦っていたので、セネガルもなかなかカウンターは出来てませんでした。
日本がカウンター主体のチームだってことは、もう相手にバレてる事ですし、SBをガンガン上げて攻撃してくることは、前半はまず無いと思うので、日本としては、やはり、かなりむずかしい試合です。
では関さんはどうするかって話
さて、ここからが、次のメキシコ戦の話になるんですけど、多分、関さんも、遅攻で点取れるとは思ってないです。メキシコの守備は非常にソリッドで、遅攻で崩されるような守備組織じゃないんです。今大会、遅攻では失点してないチーム相手に遅攻やるってのは効率悪いです。
メキシコは、守備組織はホントにしっかりしてるので、もし日本が遅攻で点とれたら、惜しみない賞賛をするべきかと。そんくらい、基本、守備のいいチームなんです。
それで、なんですけど、メキシコなんですが、意外とパスミスしてくれます。セネガル戦でも、何度か不用意なバックパスをセネガルにカットされて、ショートカウンターくらいかけたシーンがありました。日本との練習試合でも清武にやられてますし、日本としては、やっぱりハイプレスからのショートカウンターを狙うのが一番でしょう。
狙いとしては、まず、右サイドを切って、左にメキシコの攻撃を誘導します。右サイドは絶対切らないと駄目です。右CBと右SBから展開されると面倒な事になるので。
でもって、足下がどうやら怪しい模様の左CBか左SBにボールもたせて、そこを狙うって感じになると思います。ここで、相手がロングボール蹴ってくれたらラッキーです。メキシコの前4人は高さがないので、日本がセカンドボール拾える可能性が高いからです。
とまあ、そんな訳なんで、日本としては、メキシコの右サイドを切って左に誘導し、そこで相手にロングボール蹴らせてセカンドボール取るか、ハイプレスかけてボールを奪ってショートカウンターってのを狙ってくるんじゃないかと思います。相手ががっつりゾーン組んでたら、ファウルもらってFK、あるいはCKを取るようにするって感じじゃないかと。無理に攻めてカウンター食らってもつまらないし。
セネガル戦みた感じだと、多分、日本のゲームプランはそんな感じになると思われます。
で、なんですが、メキシコ戦は、正直、日本が勝てるどうかは、五分五分といった所です。力量的には、そんな変わらないチーム同士の対戦なんで、どっちが勝つかは、正直、予想がつきません。ブックメーカーのオッズも、日本とメキシコは、ほぼ同率なんで、ホントに予想がつかない。
エジプト戦の場合、エジプトの試合を一つチェックしただけで、「守備ザルすぎだから日本勝てるわ」と思ったモンですけど、メキシコの試合をみた感じだと、「うーん、これは難しい試合になるなあ」というのが正直な所でした。いいチームなんです、メキシコ。これといって、弱点が見あたりません。細かく見ていけば、ビルドアップが右偏重だって所とDFに高さがない所で、そこが狙い目っちゃ狙い目ですけどね。右を潰してしまえば、かなりの部分で、メキシコの攻撃力を削げますし、セットプレーでは日本有利です。
なんで、次の試合は、左WGは守備やれる大津で確定だと思われます。あるいは清武を左に持ってきて、右SBを潰させるかもしれません。あの右SBとマッチアップさせるのは守備できる奴じゃないと不味いので、宇佐見とエヒメッシについては、使われるとしても、右サイドだと思います。
とまあ、今日はこの辺りで。
なでしこが勝ちますように。それでは。