英語を浴びるだけ日記

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ネガティブからポジティブへ:IDLESのGIG初体験

IDLESを見てきた

IDLESを見てきました。2025年1月24日、大阪 Yogibo META VALLEYです。前回の単独公演も行きたかったのですが、多分イギリス行く直前だったか直後だったかで断念。なんだかんだBrutalismの頃から追っているので、8年越しの生IDLESでした。確かIDLESを聞いたのはSteve LamacqさんがBBC6で流していたのが最初だったと思います。

とにかく期待を裏切らない素晴らしいGIGでした。開演予定時間きっかりに始まり、2時間ぶっ通し、一瞬も力を抜くことない全力疾走。客がパンパンに入っていたため、GIGでやっているらしい*1お約束の「客席円陣ダンス」みたいなやつはありませんでしたが、それでもシンガーのJoeのカリスマ性に加え、演奏のクオリティも極めて高く、メンバー全員*2が走り回り踊り狂い、時には客席にダイブして暴れまわり全エネルギーを観客に放出してくれたと思います。

最新アルバムが出てからかれこれ2年ぐらいかけてワールドツアーを行っていると思いますし、あのテンションでそれを続けるのは色々尋常ではありません。本国イギリスやヨーロッパ圏では恐らく1万人規模の会場を使っているクラスのバンドなのに、今回大阪は600人、東京も1,000人規模の小さな会場だったのです。海外に比べ知名度が圧倒的に劣るにも関わらず日本に来てくれたこと、全く手抜きする事なく愛と元気と勇気とPositivityを存分に振りまいてくれたことに本当に感謝したいと思います。

一方、Joe Talbotファンとしては、実物を見てやはりかなり脆い人物なんだろうなという印象を新たにしました。今後も理解あるバンドメンバー*3とスタッフに囲まれて、JoeのVulnerbilityとCreativityの健全さが守られていくことを切に願います。

planariastraw.hatenablog.com

ちなみにライブは会場内の一番後ろの一段高くなったところで見ていたのですが、隣にいた外国人(ノンネイティブ)と英語で雑談ができたのは嬉しい経験でした*4。私はここのところ持病の首の状態が思わしくないため、1か月以上ほとんどオンライン英会話ができていないのですが、あれだけ回りがガヤガヤしている中でとりとめもない会話ができた*5のはひとえにオンライン英会話の先生たちのおかげだと心から思いました。早くレッスンを再開させて、先生たちにこの経験と感謝の思いを伝えなければなりません!

最近英語でコンテンツチェックしている人

◆Joe Talbot

言わずと知れたIDLESのフロントマン。実物見てきたし、ますますJoeが大好きになりYoutubePodcastのインタビューをあさっていますが、小難しい単語使うからなかなか難易度高。でも大体同じ話してるからJoeが使いがちな単語をちゃんと調べればそのうち何とかなりそう。

Audrey Tang

コロナ禍で一躍時の人となった台湾の初代デジタル担当大臣。オードリーの英語はクリアでインターナショナルで穏やかで、いつかこんな風に話せたらいいなーと思いますが、中身が難しくて彼女の話も私には難易度高。生まれた時から心臓疾患があるそうで、子供のころからはしゃぎすぎたり怒ったり動揺しないように訓練を重ねてきたのだそうです。そのためにあのような穏やかで知的な語り口調になっているのかもしれません。

インターネットが一般の人に広がった頃は世界中の知恵や知識が国境や言葉を超えて共有されるようになり、いろんな問題が解決されるようになるってみんなが夢見ていたんですよね。今は残念ながらソーシャルメディアで悪意や嘘が大量に共有される世の中になってしまっていますが、オードリーの言葉はインターネットコミュニティにはまだまだポジティブな可能性があるんだと思い出させてくれます。今の問題は「政府やメディアに対する信頼をみんなが失っていること」という明確な指摘にもすごく納得させられます。

◆Rory Stewart

私の中で最新ブームなのがRory Stewart。元軍人、外交官、外交官辞めて2年間中東を2回も徒歩で踏破*6イラク暫定政府の顧問、その後政治家に転身して保守党政府高官、今は政治家辞めてポッドキャスター兼大学講師という変人スコットランド人元スーパーエリート。テリーザ・メイの保守党内閣で短期間大臣を務め、その後ボリス・ジョンソンの強硬なBrexitに反対して保守党から追い出された人のようです。

The Rest Is PolitecsとLeadingは多分そもそもPodcastで、かなりリアルタイムな話題を取り上げてくれるのと大物ゲストのインタビューがてんこ盛りで、内容難しすぎて全然ついていけないけどかなり面白い(どういうこっちゃ)ので、政治がらみの世界情勢に興味がある方にはおすすめです。Youtubeだと字幕出せるから私のようなへなちょこ英語でも低レベルの解像度なら何とかなります。これをフルで理解できる日は来るのだろうか...。

www.youtube.com

www.youtube.com

Rory、アラビアのロレンスじゃん、と思っていたら本人もそれについて語っていました。ですよねー。

youtu.be

◆The Today Podcast

ちなみに政治系だとBBC4のThe Today Podcastもお気に入り。ニュースなどを見て「なんじゃこれどーなってんの?!」と思ったポイントを丁寧にやってくれてる気がします。が、こちらも難しくて内容はさっぱり。内容はさっぱりわからないのになんか面白いって何なんでしょうね。自己満?!

www.bbc.co.uk

ネガティブは楽だしポジティブは疲れる

今の時代、ぼんやり過ごしているとどんどんDoomscrollingしてしまうというか、「悪い奴」見つけて怒りを感じたり政府やセレブの発言に振り回されたりしがちです。シンプルに楽だからだと思う。真実かどうか調べる気力ないし記事のタイトルだけ見て、叩くのはとっても楽なコタツ娯楽ですよね。

リスクも負わず手間もかけず少しは自分も世の中良くするために貢献してる気になれる上、悪い奴を叩けてスカッとでき、出歯亀根性が満たされ、しかも「正しい」人たちと連帯できる点が素晴らしい。特に男性から女性に対するセクハラやペドフィリアの話は最も安心して叩ける素材です。

一方ポジティブになろうとするのは疲れるんですよ。なんか自分がコミットしなくちゃならないし、頭も使う。気力と体力がないともたない。しかしAudrey TangとかJoe Talbotのような、何とか自分を奮い立たせて心身の健康を保ってポジティブ方面に頑張っている人たちを見ると自分も頑張らなきゃなぁと思うのです。ぼんやりしてたらダメですね。

メディアやソーシャルメディアは中身の真偽などどうでもよくて、Clickさえしてくれれば換金できるのでそれでいいわけです。嘘ばかりついていたら誰も見なくなる/買わなくなるだろうと思うかもしれませんが、実際はDailyMailもSunも人気だし、文春もフライデーもRedditも4chもWikipediaもつぶれてない。「お前嘘つきだろ!」という誰かの糾弾ですら換金できるわけですし、そもそも多くの人は真実にも被害者の思いにも何ら興味はないわけです。マスクに抗議!と言ってXを去った人々もBlueskyで同じことやってるわけで、コミュニティノートがない分、もしかしたら今はBlueskyの方が質が悪い。

この流れはおそらく当面止まらないので、ソーシャルメディアとの付き合いは少し考え直し、チラシの裏レベルだとしてもブログでの発信をするようにしていきたいなと個人的に思っております。みんなこれからもっとAIを使うようになるでしょう。そうなると嘘や真実ではない出来事の拡散がさらに強化されていくでしょう。技術者でもない私にはそれに対抗する方法がわかりません。自分でブログを書くぐらいしか今は思いつかない。

首の痛みがよくなったら、2025年は英語に加えてエクササイズとしっかりした睡眠も頑張ろう!あと先々のことを考えて日本語教師養成講座を受けようと思っております。少し遅いNew Year's Resolutions。

 

planariastraw.hatenablog.com

 

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*1:それとももう辞めたのかな?

*2:Bowenのワンピース姿も見られてうれしかった

*3:今回Joeの盟友、ベーシストのDevが不参加だったのも若干心配

*4:大阪在住ということでしたが「IDLESをこんな小さいVenueで見られるなんて信じられないよ!ヨーロッパでは絶対ありえない。クレイジーだ。」としきりに繰り返していました。

*5:「海外に住んでたことあるの?英語うまいね!」と言われたのはお世辞でも嬉しかった。

*6:その旅について書いた本がベストセラー