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こんな記事を読みまして、?と首を傾げてしまったのですが。
ミリオンディレクター「社命だからってSDゲーム作る開発者は奴隷根性」 私はいわゆるPS3や360といったハイエンドのハードも、携帯ゲーム機やWiiのようなSDと呼ばれるゲーム機も開発していますが、どちらも正直「開発はどこでも大変だし、使う技術量に案外差がない」ことをよく知っています。 この「案外差がない」というのは、Wiiだから簡単に出来る、とか、そういうものでもないからなんですよね。 私の本職であるデザインの部門がそれが顕著なんですけど、ハードの制約上、やはりキャラクターのポリゴン数やテクスチャ、各種マテリアルの差は絶対差としてあります。が、ちょっと考えてみればわかるかと思いますが、Wiiですら、少なくともPS2以上の性能があるんす。で、その前世代のハードでは、どのメーカーもコストをかけつつ、持てる技術を投入していた。つまり、前世代的とよばれるPS2クラスのソフトを作るのも当時と苦労はあまり変わらない、ってことでもあるわけで。 あと、 >いずれにせよ、現実問題として、SDは嫌がる人はいるのは事実ですよ。 >ゲームを作るという集団の中には、絵を描きたい、グラフィックにこだわりたい人もいるわけで、 >そういった人達はSDよりもHDにこだわるわけです。 >上から命じられたからと言って、黙々とSDで作るのがプロフェッショナルではないでしょう。 >プロ=奴隷ではありません。 とありますが、普通、社員はハードを個人の意思で選べないよなあ・・・と。クリエイターといえども会社から労働の対価としてお給料をもらっているサラリーマンですから、普通それは「業務」です。その行為は決して「奴隷」じゃありません。むしろやたらにハイエンドにこだわる必要性の方こそ疑問視するタイプなので。 また、SDは開発費が安い、と思っている方がいらっしゃいますが、これは大変な誤解で。開発費というのはほぼ人件費なので、例えば今、私の会社で開発している某ソフトは、SDハードではありますが常時30人以上のスタッフですでに3年目に突入しています。こうなると決して安く作れる、ってことにはなりません。画質=開発費だけじゃないんですよね。 個人的に「ハードの性能差というのはキャンバスの大きさ」だと思っています。大きい絵がすごい、って訳でもありませんから。 HD機でノベルゲームが作れるように、SD機でも莫大な費用がかかる作品も作れる。クオリィティーコントロールの問題で。(任天堂の一般向けWii作品が簡素な画面なのは、あれ以上リアルにしても意味がない事を知っているからでもあるわけだし) ちなみに、私は「どんなハードでゲームが作りたい?」と選択の自由があるとしたら、まず「企画を選ばせてくれ、そして、そのゲームが一番面白く作れそうなハード」と答えたいですね。ソフトがたくさんのユーザーに楽しんでもらえる(たくさん売れる)なら、ハイエンド機だろうと携帯ゲーム機だろうと差はないかと。 何しろ私の出発点は学生時代、PC88時代のあの512色中8色グラフィック時代からですから。どんな時代のハードも上には上の、下には下の苦労があることを知ってます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.02.04 02:50:00
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