藤子A先生の「少年時代」という漫画を読んだのですが。この作品は映画化もされ、特に主題歌は井上陽水さんの代表曲の一つでもある作品の原作(正確には柏原兵三の小説『長い道』を漫画化した作品)なのです。
内容は太平洋戦争末期、主人公が疎開先の富山の小学校で体験する、子供同士のいじめとすさまじい権力闘争を描いた物語なのですが。
この作品を読んでつくづく思うのは「昔のいじめは今ほど陰湿じゃなかった」という幻想です。
よく、テレビのコメンテーターなどが昨今のいじめ問題を取り上げる時に「昔はここまで酷くなかった」的な発言をしますが、それは恐らく「自分がたまたま被害を受けなかった(見なかった)か、あるいはいじめる側の人間だった」のではないかと。
特に殴る、蹴るという直接的暴力が、下駄箱にゴミを入れられるというイジメと何が違うのか?結局、やる側は遊び半分の娯楽、やられる側は死を選びたくなるような辛いことであるのは今も昔も変わらない。
前にダウンタウンの松本人志がラジオで「高校の頃に自分がよくコズいていた同級生が先生に訴えたおかげで謹慎になった。アホちゃうか、こんな事で訴えるなんて」と発言しているのを聞いて唖然としたのですが。
いじめる側の意識なんて、結局そんなもの。だから「俺らのころのイジメは陰湿じゃなかった」などという都合のいい幻想を大人になっても持ち続けるのでしょうねえ・・・
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