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カテゴリ:アメリカで学んだこと、知ったこと
日本では年明け早々、初詣でで賑わう多くの神社、寺院、そしてコンビニエンスストアでも偽札の旧1万円札が相次いで見つかったという嫌なニュースが流れた。
そんな偽札騒動を受けて、今、偽札識別ペンなるものが売れているのだそうだが、アメリカでは割と良く見かけるアイテムだったりする。 ~怪しげで役立たずな50ドル、100ドル札~ 私が販売業に就いていた時の話だが、『50ドル札、100ドル札を受け取ったら、レジに収納する前にお札に偽札識別ペン(COUNTERFEIT DETECTOR PEN)で線を書くように』と先輩に教えられたものだ。 この偽札識別ペン、、、。 一見普通のマジックに見えるのだが、お札にちょっとした線を書くだけで本物の札か偽札が判別出来る物である。 その仕組みは化学反応そのもので、ペンの成分であるヨウ素がでん粉に反応する事を利用したものであり、偽札に多く使われる紙(木から作られた普通の紙)なら黒色若しくは茶色に変色するのだとか、、、。。(本物の札はリネンやコットンなどの繊維で出来ている為、ヨウ素での反応はない。) スーパーやディスカウントストアなどに行って50ドル札や100ドル札を渡そうものなら、お札を目の前で宙にかざされた挙句、偽札識別ペンでチェックされた事もあり、特にアメリカで生活したての頃は、『貴方、偽札持っているんじゃないの?』と言わんばかりの店員の行為にいちいち気を悪くしていたものだ。 それがごくありふれた光景だと認識した頃から、気にする事も次第になくなっていった記憶がある。 やがて、お客さんの前で偽札識別ペンを使う事に対してかなり躊躇していた私も幾分割り切る事が出来るようになり、特にお客さんが1ドルの商品を100ドル札で買おうものなら、自ら率先して渡されたお札を宙に透かして見ては偽札認識ペンで「判定」したものだ。(高額紙幣の偽札を使って、わざと安い商品を購入し、出来るだけ多額なお釣りをもらうというケースが多い為。) そんな私の行為も、お客さんらは余り気にしていないようであったが、渡したお金を宙にかざされたり、偽札認識ペンでお札をチェックされるのはまだいい方だ。 『No bills larger than $20 is accepted(20ドル札以上の高額紙幣でのお支払いはお断りします)』などと堂々とサインを掲げている所もあり(特に小さな店やコンビニエンスストア、ファストフード店などに多い)、50ドル札、100ドル札を受け取りすらしてくれない事もしばしばである。 その理由には、やはり高額の偽札を受け取る事を避ける為と、高額紙幣を受け取り多額の釣り銭を出した所為で、レジ内のお金が足りなくなるのを防ぐ為だそうだ。 ~万歳、20ドル札~ そもそも、アメリカではクレジットカード、デビットカード、若しくはチェック(小切手)で支払いを済ます事が多い為、現金の保持も日頃から少なめなようだ。 多額の現金を持ち歩くのは危険という認識があるからとも言われているが、よっぽどの事が無い限り、高額紙幣を持ち歩く人も余りいないような気もする。 また、銀行によっても異なると思うのだが、ATMなどでお金を降ろす時も20ドル札や10ドル札で出て来る事が多く、100ドルを降ろそうとしても、100ドル札1枚ではなく、5枚の20ドル札が自動的に出てくるというのもよくある光景だ。 20ドル札の流通量はどの紙幣に比べても一番多いそうだが、そういった意味でも、アメリカで実質的に使える最高額紙幣は20ドル札と言っても過言ではない。 アメリカで現金で買い物をする際は20ドル、または10ドル、5ドル、1ドルなどの小額紙幣を用意した方が無難だろう。 このように、日米における現金に対する感覚の違いは、高額紙幣に対する観念からも明らかだが、アメリカではすっかりお馴染みの偽札識別ペンが果たして日本で受け入れられるのだろうか。 気になる所である。 *追記: 偽札識別ペンは、偽札作りのプロが作成した本格的な偽札にはさすがに敵わないと言われているものの、最近多く出回っている即席偽札(レーザーコピー機を使って作られたような複製の紙幣など。)には効果覿面だと言われているようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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