登場人物
めりい:(@13weekslater_ep)筆者。俳優・横浜流星のファン。ガチ恋歴3年。好きな作家は中島らも、大槻ケンヂ、中村うさぎ。場末のキャバ嬢をしながら自称・メンタルヘルス系ネットライターとして活動中。
ふちりん:(@fuchirin)元モーニング娘。石川梨華のファン。ガチ恋歴13年。好きな作家は村上春樹、太宰治、中村文則。大宮アイドールのカウンターで石川梨華ちゃんを待ち続けている。
『たのしいドルヲタ図鑑』【3人目:アイドルへの“ガチ恋”について本気で向き合う ふちりんさん】 - 耳マン
めぐみ:卒業論文のため、この対談を主宰。「アイドルファンの観察者化=DD化」に異を唱えるため、ガチ恋同士の対談をセッティングした。ジャニーズ事務所所属アイドルのファン。ガチ恋ではない。
まえがき
私がふちりんさんのことを知ったのは、上に記した「たのしいドルヲタ図鑑」の記事を読んでのことだった。記事中、ふちりんさんはこのように述べている。
僕にとって恋というものは、相手の人を見たり想ったりしたときに胸がキュンとするかどうかで、それがすべてです。その相手の肩書きや立場は関係ありません。理性を経由しない感じですね、心だけで恋しちゃう。
この発言に私は強烈な感銘を受けた。なぜなら、この言葉はまさに私にとってガチ恋とは何かを簡潔に表すど真ん中どストレートの表現でしかなかったからだった。「理性を経由しない」から、本来は好きになってはいけない「俳優」や「アイドル」に本気で恋をしてしまう。
そう、私には理性が欠落しているのだ。私はこのとき、ふちりんさんの言葉によって新たなる気づきを得たわけである。
ふちりんさんをツイッターでフォローしたところ、些細ではあるもののやりとりをすることもでき、純粋に「ガチ恋の先輩」として私は嬉しい想いだった。
そんなときに、友人であるめぐみ氏が卒業論文のために私とふちりんさんの対談をセッティングしたい、と言ってくれた。ガチ恋歴3年目の私が対峙していいものなのだろうかと最初に驚きはしたものの、喜んで私はその話を受けた。ふちりんさんとお会いしてみたい!そしてお話がしてみたい。
この対談は私のそんな純粋な動機によって構築されています。よって、ちょっと独りよがりなところがあるかもしれません。
でも、「ガチ恋って?」「そもそも、恋って?」「愛って?」という命題についてたくさん話せたことには多大なる意義があったと思う。今回の対談は、そんな様相を呈しているかと思います。どうか肩の力を抜いてお読みいただければ幸いです。
いよいよ対談開始
池袋の駅地下、いけふくろう前に現れたふちりんさんは写真の印象と変わることなく、とても優しそうな表情で得体知れぬわれわれに「こんにちは」と接してくださった。 そのまま西武にある喫茶店で私たちは抹茶ミルクとほうじ茶ミルクを頼み、対談は幕を開けたのであった。
めりい:はじめまして!めりいです、改めてよろしくお願い致します。
ふちりん:いえいえ、こちらこそ。
めりい:ガチ恋って病気だから、どこでご飯食べてても「横浜くんだったら何食べるかなぁ……」とか考えちゃうんですよね……。
めぐみ:あはは!(爆笑)
めりい:「ここで横浜くんだったら何をチョイスするんだろう……」とか……。考えてメニューを見ちゃったりするから。
ところで今回、「ふちりんさんと対談します!」っていうのをツイートしたら、こう、ハロプロ民からいっぱいふぁぼが来て(笑)その影響力に……圧倒される(笑)
今日はふちりんさん(@fuchirin )と仕事前に対談させていただきます。ファンの求める究極の愛とは何かについて語る予定です。後日文字起こししてブログ記事にしますので、みなさま何卒よろしくお願いします。
— ♡め (@13weekslater_ep) 2016年12月9日
ふちりん:リツイートしときました。
めりい:ありがとうございます……。
DDの対極としてのガチ恋
めぐみ:ちょうど今、アイドルファンについて調べているんですけれど。
ふちりん:なんか「暴走するアイドルオタク」みたいな…。
めぐみ:(笑)! うちのゼミの教授が、「今のアイドルファンはDD化している。ひとりに推しを決めるんじゃなくて、自分の都合に合わせて推していく」みたいな、つまり当事者としてではなく観察者として引いた目で見ている……という内容を専攻研究で出していまして。それに喧嘩を売っていこうと。
めりい:あぁ〜。
参考:http://www.yhmf.jp/pdf/activity/adstudies/vol_40_01_05.pdf
めぐみ:確かに当事者になっているオタクはいるんだ!ということで、そういう人たちに話を聞いていまして。
めりい:要するにDDの対極の人たちに話を聞きまくって。
めぐみ:そうなんです。DDの人にも何人か話を聞いたんですけど。
ふちりん:そうなんですか。
めぐみ:で、だんだん(オタクとしての)レベルが上がっていくにつれて、「応援していく上で楽しさとつらさって何対何ですか?」って質問に、どんどん「つらい」の割合が高くなっていくんですね。
めりい:あはは!(爆笑)私、確かその質問に(以前、めぐみ氏から個人として卒論用にインタビューを受けていた)「そりゃ楽しさ 1:99 つらさだよ!」って答えたと思います。
ふちりん:僕もそのくらいですね。
めりい:いや、ですよねえ。例えば出待ちとかをするとするじゃないですか……来るか来ないのかわからないのに待ってて、12時間経って会えないとか。
ふちりん:えっ……すごいですねそれは。
めりい:そういうつらさをいっぱい経て、でも会える一瞬や話せる一瞬が……。嬉しいんですよね。
ふちりん:喋るときは握手会とかなんですか?
めりい:そうですね。
めぐみ:この前めりいさん、握手券を150枚余らせて15分間話してましたよね……。
めりい:まとめ出ししました。
ふちりん:えぇ~。
めりい:でも実際やると喋ることないですよ!
ふちりん:ずっと手繋いでるんですか!?
めりい:ずっと繋いでるんですよ!(笑)でもそれもなんか嫌だ!*1なんかそういうの拗らせるからやめてほしいんですよね。手繋いで、ずっと15分間……。
ふちりん:えっ、どういうこと喋るんですか?
めりい:いや、なんかこう……私は横浜くんにガチ恋っていうか、人として好きなので、他愛もないことを喋りたいんです。だからその点ふちりんさんの、「梨華ちゃんと飲み友達になりたい」っていうのにはすごく共感できる部分があって。私は横浜くんと、普通に友達になりたいっていうか……友達から始めたいんですよ。*2
ふちりん:あぁ~、僕も同じですね。
めりい:だから流星くんに会ったときも、「おはよー」みたいな。で、眠そうだと普通に「え、今日眠い?」みたいな。そしたら向こうも「うん、眠い」みたいな(笑)そういう感じで喋ってて。
ふちりん:へえ~。タメ口で話すんですね。
めりい:私はタメ口で話しますねー。友達になりたさが高じて。手紙にもプリクラとか貼りますもん。「プリクラ撮ったんだ~」って。自分のこととかも書きますし…家のこととか。「この前弟がさ~」とか。向こうからしたら何やねんこいつって感じでしょうけど(笑)。
ふちりん:ファンレターよく書くんですか?
めりい:書きますね!俳優ファン、というか私は、出待ちのときに大義名分として「手紙を渡すこと」っていうのがあるので……。
めぐみ:それってジャニーズから流れた文化ですよね?
めりい:そうですね。ジャニーズほど厳しくないけど。手紙なくても出待ち対応が平気な俳優さんもいるんですけど、やっぱり大義名分として、「私はこれを渡したいから待ってるんです!」って言えないと…。っていう女子の追っかけには変な文化があって(笑)。今年もしかしたら100通くらい書いてるかもしれない。*3
ふちりん:そんなに書くんですか。
めりい:ショートメールレベルの……「今日もお疲れ!」みたいなのだけでもしたためとかないとなんで(笑)。
ふちりん:1年で100通はすごいですね。
めりい:でもジャニオタの人だとそれくらい書きますよね?
めぐみ:私はそんなに会える人を追っかけてないのであれですけど……ルールが若干というか、だいぶジャニーズの方が厳しいんですよ。絶対に手紙持ってなきゃいけないので。ジャニーズは列になってファンが並んで、代表の人がまとめて、その場で渡して。ファンは解散して。
めりい:そうなんですよねー。あと話すときはもう本当に他愛もないことを……流星くんって犬飼ってるんですけど、「最近飼い犬どう?」みたいな……。
ふちりん:犬飼ってるんだ!梨華ちゃんも犬飼ってるんですよ。
めりい:へえ!流星くんはトイプードルですね。
ふちりん:梨華ちゃんもトイプードルです。
一同:あはは!(笑)
めりい:やっぱ梨華ちゃんに、「最近トイプードルどう? 元気?」とか聞きたくないですか?
ふちりん:聞きたいです。
めぐみ:でも女性アイドルの男性ファンの場合、あんまり付きまとうと何というか……
めりい:ストーカー規制法に引っかかりやすいですよね。その点私は女であることを悪用して、(いざ怒られても)「えぇ~!だって女の子だもん☆」……みたいな。あ、でも流星くんって空手やってるんですよ。
ふちりん:空手やってるんですか!
めりい:中学生のときに極真空手の世界大会で優勝したことがあって。だから私、本当に追っかけのしすぎで向こうが本気で怒ったら私は死ぬんですよ。
ふちりん:あはは(笑)。
めりい:投げ飛ばされて死ぬんで。正拳突きとかで(笑)。
ふちりん:なるほど~。
好きという地獄
めりい:女子なら一度は「ハロプロってカワイイ!」みたいな時期を経験するんですけど、そのときですね、石川さんの存在を知ったのは。 私はガチ恋歴がまだ3年なんですよ。
ふちりん:3年ですか。
めりい:そう……すごいガチ恋界の若手じゃないですか。
ふちりん:3年ならまだがんばれますね。
めりい:ふちりんさんは10年……10何年とかやられてるわけで。以前にインタビューを拝読した際に2003年からと仰られていたと思うので、13年選手ですかね? 13年前っていうと私5歳なんですけど……(笑)。
ふちりん:5歳ですか…。
めりい:やっぱりこう、ガチ恋歴が長いと波があるわけじゃないですか。
ふちりん:ありますね、波が。
めりい:ありますよね、波が。
ふちりん:そうなんですよ。で、最近自分が熟女好きだっていうことに気づいて、まあ梨華ちゃんがどんどん30歳超えて熟女に近づいていくにつれて、ますます好きになっちゃったなっていう……。それがつらいですね。
めりい:自分の「好き」のポイントに梨華ちゃんがどんどんこうやって(上昇的に)接近してくるわけですよね。それ地獄ですね!
ふちりん:地獄ですね。(きっぱり)
めりい:私も「横浜流星」が私の理想像にどんどん大人になるにつれてこうやって(上昇的に)近づいていくから。どうしよう……(呆然)みたいなのはすごいあるんですよね。
ふちりん:そこが普通のファンだったら嬉しいはずなんですけど、僕は苦しいですね。
めりい:わかります……。よくファンになった当初の3年前の映像とかを見て涙したり…「このときはまだ(精神状態が)良かったなぁ…」って。
自分がガチ恋をこじらせている要因のひとつに、私が今19歳で、流星くんが20歳なんですけど、私が16歳で向こうが17歳のときから追っかけやってて。「大事な時期を全部見てるんだ」っていうものが、なんとなくあるんです。17歳から20歳ってすごく青春じゃないですか。
ふちりん:青春ですね~。
めりい:青春捧げちゃった感がすごいあって。もう……どうしよう(笑)
ふちりん:僕も青春というか……
めりい:いや、ふちりんさんの場合は人生じゃないですか!
ふちりん:人生捧げつつありますね。
めりい:ふちりんさんがインタビューで以前に仰っていた、「石川さんが結婚したらチベットに行く」みたいなことがすごく印象に残っていて……(笑)
ふちりん:言いましたけど……(笑)
めぐみ:自分の支えになっているものが崩れたときにどうするのかって問題ですよね。
めりい:その問題、私もすごく思う……。
ふちりん:いやー……、俳優さんってあんまりのろけ話しないイメージがあるんですけど。結婚とかしても。
めりい:しないですねー。(理想的なことを言えば)私生活のことはあんまり喋らないようにしないと…というか。*4
ふちりん:でもハロプロ系の人ってのろけ話とかすごいするんですよ。
めりい:鬱陶しいですね。そういうの。私だったら「死ね!」ってなりますね。ツイッターとかに「死ね!」って書く(笑)。
ふちりん:だから将来梨華ちゃんもそういう風になるのかなって思ったら、やっぱりチベットに行きたくなっちゃいますね。
めぐみ:純粋な疑問として、石川さんが結婚してもファンは続けるんですか?
ふちりん:うーん……まだわからないですけど、離婚するまで待つかもしれない。
一同:あははははは!(爆笑)
めぐみ:新しい!(笑)
めりい:新しすぎる!(笑)私もたとえ流星くんに彼女がいたとしても、私が好きって想いが消えるわけじゃないですからねー……。でも私今年、流星くんについに直接聞きましたよ。
めぐみ:えっ、何をですか?
めりい:そもそもガチ恋なのは迷惑じゃないの?っていう。そうしたら、それは全然嫌じゃない!って言われて。
ふちりん:へえ!
めりい:でも、「だからって付き合えるわけじゃないでしょ?」って聞いたら「それは難しいかもしれないですね……」って真剣に返してくれました(笑)。
めぐみ:(笑)。そういえばHKTとかで、アイドルがオタクと付き合ってるって事件とかあったりしたじゃないですか。
めりい:現実にそういうことがあるからね。
ふちりん:可能性がないわけじゃないと思うんですけどね。
めりい:可能性がこの世に0%じゃないからこそ、ゴールドラッシュのときのアメリカ人じゃないですけど……延々と探し求めてさまよってしまうんですよね。
ふちりん:そうなんですよね。
めぐみ:私は就職のときに業界人になることも考えました。
めりい:うーん……でも業界人になりたいって、ビジネスパートナーになりたいってわけじゃないんですよね。例えばふちりんさんは、石川さんと一緒にバリバリ仕事をしたいってわけではないじゃないですか。
ふちりん:仕事にならないと思います。
一同:あはははは!(爆笑)
ふちりん:好きすぎて。
めりい:そうですよね(納得)。仕事にならないですよね。私も仕事にならないと思います。「待って!?かっこいいんだけど!?」とかずっと言ってるから仕事にならない(笑)
めぐみ:たぶん、そういう目的で業界に入る人って「◯◯くんに会いたいな~、でも◯◯くんも好きだし~、◯◯ちゃんも見たいし~」みたいな、そういうミーハーな人なんだと思います。もし業界に入ったとしても、「なんで会えるかもわからない仕事のために働かなきゃいけないの……」ってなると思う(笑)結局その道は諦めました。
めりい:たしかに。この前、横浜くんが出るかもしれない番組の観覧*5に行ったんですけど、横浜くんが出ないことが判明した瞬間に感情が全部消え失せて、拍手するロボットと化してしまったことがあって。そのときに、私はたぶん業界人になったとしても好きでもない人のために頑張るのは絶対に無理だ!って思ってしまって。
ふちりん:そうですね~。僕も無理かもしれない…。
めぐみ:「いつか会えるかもしれない」っていうのはね。
ふちりん:向こうから来てくれればいいんですけどね。
めりい:だから、ふちりんさんは待ち続けてるじゃないですか!大宮アイドール*6のカウンターで。梨華ちゃん早く行ってやれよ!って感じなんですけど、私からしたら(笑)。
ふちりん:そうですね~。来てくれたらいいのに…。
当事者になるハードル
めぐみ:例えば出待ちをする、いわゆるガチなファンがいたりすることで、突き詰めていく=「当事者になる」ハードルが上がってるのかなと思って。いまはツイッターがあって、リプライなんかでだいたいアイドルがみんなと関われたりしますけど、例えば一対一で話したりするのって(客観的に)めちゃめちゃヤバいじゃないですか。 ガチ恋になるハードルが高くなりすぎちゃってるし、そうなるための努力も、メンタルの量も消耗が激しいし……。しかも嬉しいことはたまにしか来ない。
めりい:ガチ恋のハードルっていうのは私はふちりんさんの登場によって上がったと思ってます。
ふちりん:上がりましたかね。
めりい:ガチ恋っていうのは、心身を消耗させないとダメだ!ぐらいの感じ。「軽々しくガチ恋を名乗っちゃいけない風潮」を、作ってるのか、作られてるのか……。
めぐみ:中高生が言う「好き」とかとは絶対に違うなっていうのはありますよね。
ふちりん:そうですね~。僕が上げちゃったんですかね。
めぐみ:(笑)。たぶん中高生の言う「好き」って疑似恋愛としての「好き」じゃないですか。
めりい:だから「隣のクラスの◯◯くん」でも別にいいんだよね。その好きは。
めぐみ:ただ、ここまで(ガチ恋が)行っちゃうとなんか「疑似恋愛っていうか……これって現実だし」みたいな。
ふちりん:そうですね。
めりい:実際に握手会とか行っていても、石川さんは実在するじゃないですか。これが多分、二次元相手だったらまた違ったと思うんですよね。例えば声優さんで現実逃避するとか、あとは抱きまくらに逃避するとか。でも石川さん生きてるから。
ふちりん:そうなんですよね。彼氏さんも、いらっしゃいますし……。
めりい:あぁー……。
ふちりん:料理が明らかに一人分じゃないなって時があって。
めりい:それムカつきますね。(笑)匂わせ*7っていうんだよそういうの!若手俳優なら炎上だよ炎上!
めぐみ:女性側はそういうことよくしますよね。なんか二宮くんのときも、伊藤綾子アナの方が匂わせてたし……。
めりい:若手俳優の場合でも、彼女がインスタグラムで後ろにチラッと彼氏の服を写り込ませるとかマウンティングをするんですよ。「私、彼女だから」って自意識で。で、結局オタにバレて炎上すると。
ふちりん:梨華ちゃんはただ料理を写してるだけですね。それ以外は男の香りを全然出さないんですけど、なんか料理が手巻き寿司パーティーだったり、鍋料理だったり……。
めりい:絶対一人暮らしじゃねーだろっていう(笑)。
めぐみ:そういうときに例えばハロプロの知り合いが一緒にいれば「誰々といた」とか書くじゃないですか。そういうの考えちゃうとダメですね……与えられた情報を素直に受け取れば幸せで終わるんですけど。
ふちりん:そうですねー…。あと犬を飼い始めたっていうのがあったんですけど、最近実家に預けてるみたいで。
めりい:あー。
ふちりん:あれ?おかしいな?って。
めりい:ちゃんと飼えよ!(笑)
ふちりん:やっぱり彼氏が一緒にいるからペットはいらないってことなのかなーって…。
めりい:えええ!でも彼氏がいてもペットはちゃんと飼おうよ!一緒に愛でてよ!
ふちりん:愛でればいいのに…。なんだろう。そこまで愛情を持てなくなっちゃったんじゃないですかね?彼氏さんが好きすぎて。
めりい:でもそれは考えすぎですよ!犬はもしかしたら梨華ちゃんのお母さんが飼いたかったのかもしれないし!
ふちりん:預けてるだけみたいなんですけどね。
めりい:私もベクトルは違うんですけど、今年一番辛かったのが推しが舞台でベッドシーンをやったことで……。それがすごい辛くて初日が終わったあとに劇場の中で大暴れしたんですよ(笑)。「もうこんな舞台来ない~~!!」って言ってたんですけど。終演後に。本人にも「聞いてないんだけど!?」ってキレちゃって(笑)。*8「ベッドシーンあるなんて聞いてないじゃん! だいたいさ! キスシーンもまだでしょ!?」とか、変な怒り方してしまって……。そしたら向こうも困惑してて、「え、あ、あ、それはごめん……」みたいな……。
ふちりん:キスシーンはまだなんですか。
めりい:まだなんですよ~。そろそろやれよって感じなんですけどね、20歳だし。やられたらやられたで暴れますけど。
ふちりん:そっかー…。でもベッドシーンを先にやっちゃったんですね。
めりい:そうなんです。寸前で暗転みたいな。ありがちなやつで。
ふちりん:そういうタイプだ。 そっかー……梨華ちゃんもまだキスシーンはやったことないですね。
めりい:えぇー。意外と。経歴がすごく長くていらっしゃるのに。アップフロントは過保護なんですかね?
めぐみ:梨華ちゃんはモー娘。を辞めてから、何の仕事をしているのかというか……ちゃんと食べていけてるんでしょうか?
ふちりん:辞めてからは、旅番組とかクイズ番組とかたまに出たり。あとは舞台とファンクラブイベントですかね。
めりい:私は1回通った「ハロプロ好き期」のときに、ちょうと美勇伝が結成されてて。2chの狼*9とかで「何だこの変なユニット」って言われてるのを見てて。で、石川さんがそれまでそんなキャラじゃなかったのに突然バニーガールとか着出したじゃないですか。
ふちりん:あー、し始めましたね。
美勇伝 - 愛すクリームとMyプリン (Pretty Dance Ver. ).
めりい:突然こう、セクシーキャラになったじゃないですか。あのときの2chの騒ぎようをなぜかすごく覚えていて…。
ふちりん:僕も騒いでました、結構。そのときは。
めりい:「何だこれは?!」みたいな感じで。
ふちりん:「こんな姿させるなんて……」ってブログを書いてましたね。
めりい:でもそこから美勇伝が解散して……そこからこう細々とディナーショーとかやったりして。
ふちりん:そうですね。バスツアーとかやったりして。
めりい:バスツアーっていうと、私は元狼住人なので「飯田圭織のお通夜バスツアー」がどうしても脳裏によぎってしまうんですけど……。そういうことだけはやめてほしいですね。
ふちりん:それは常に脳裏をよぎってましたね…。バスツアーのとき。
めりい:もし(同じようなことが)起きたりしないだろうか!?とか、前日に不安になりません?
ふちりん:なりましたね。
めりい:なりますよね…。
ふちりん:バスツアーの最中も不安でしょうがなくて、お見送りが終わってやっとホッとした、みたいな感じでした。
めぐみ:バスツアーっていくらくらいするものなんですか?
ふちりん:7万近くですね。1泊2日で。
めりい:えっ、高っ。
めぐみ:俳優もバスツアーよくやってますよね?
めりい:若手俳優のバスツアーは相場的には1泊2日で4万円、2人部屋のオプションをつけて5万円とかそれくらいじゃないですかね。
ふちりん:わりと安いですね。僕のときは5人部屋で知らない人たちと一緒に泊まったりして……。
めぐみ:えっ、それってどうなんですか?自分の周り、それだけお金払ってるってことは絶対梨華ちゃんのファンじゃないですか。別になんとも思わないんですか?
ふちりん:それが意外と話が合って仲良くなったりしましたね。
めぐみ:横浜くんのバスツアーが開催されたとしてめりいさんと同じ部屋になった人は絶対嫌だと思います。
めりい:私と同じ部屋になった人はもう絶対嫌だろうから、私が気を遣って2人部屋にして友達を呼ぶしかないですね……。私は横浜くんのオタクの中でもう癌みたいな存在なので……。
ふちりん:そうなんですか……。
めぐみ:前回インタビューさせていただいたときに、同担というか同じファンの人を潰していくというか……(笑)結構攻撃的な面が(笑)
めりい:(笑)ふちりんさんは、例えばストレスがあったときにリラックマとか扇風機に当たったりするじゃないですか。私の場合はそれが同担に向かっちゃうっていうのがあって…。出待ちのときに話しかけに行くオタクを「待ち厨」*10って言って、話しかけないで見てるだけの子を「ギャラリー」って言うんですけど。*11ギャラリーの子に、舞台の東京公演が終わったときに「お前は結局出待ちになりたいの?ギャラリーがしたいの?どっちなの?」ってキレたらその子に逃げられちゃって現場で見なくなったってことがあって(笑)。「はっきりして!」って言ったら(笑)。
ふちりん:出待ちって何人くらいいるものなんですか?
めりい:人にもよりますけど、俳優の出待ちってけっこう過疎ってますよ。
めぐみ:めりいさんが潰していってるから(笑)
めりい:あはは(笑)私と仲が良い子が一緒にいたりとかはありますけど、仲悪いやつはとことん嫌いなんで。でもその結果、ファンが少なくなっちゃって……(笑)一応3年前に戦隊出てて、事務所もスターダストプロモーションで結構プッシュしてもらってるんですけど、去年の暮れにやった2000円のトークショーの動員が40人だったんですよ。
ふちりん:40人……。
めりい:ちょっとこれやばいなーと思って(笑)!40人がハロプロ的に多いのか少ないのかはわからないですけど…
ふちりん:40人はハロプロ的には少ないですね。
めりい:それ以上の動員ありますよね。
ふちりん:梨華ちゃんのディナーショーなら100人くらい。
めりい:100人来るんだ!
ふちりん:1万5000円で。
めぐみ:ディナーショーはジャニーズは平気で4万円とか取りますからね。で、当日に「席が足りなかったです」とか言われる……(笑)ホテルのディナーショーだったらしいんですけど、私が読んだブログには「8000円のお食事券を貰いました」とか書いてあるっていう。で、そのホテルの別のレストランで食べようと思ったら、8000円が当日限りしか使えない。で、1人しかいないから8000円分も食べられない……。
めりい:もうそれ人としての扱いを受けてないじゃないですか。家畜ですよ家畜。
めぐみ:いいカモですよね。
めりい:推しが今ちょうど、「売れていく」みたいな最中で。どんどん人気が出てきてるんですよ、最近。
めぐみ:でもネクストブレイクってずっと言われてる(笑)。
めりい:そう!3年くらいネクストブレイクって言われ続けてるんですよ!いつブレイクすんだよ?みたいな……。その胸の内が複雑で。
ふちりん:売れてほしい気持ちと売れてほしくない気持ちが。
めりい:そうなんですよ……。独占したいっていう毒々しいアレと、お金かけたからには売れてくれないと!っていうのが交錯して、メンタルがひょろひょろ~って(笑)。
めぐみ:卒論を書いていて、恋と愛の違いっていうのについて気づいたんですよ。ファンとしての気持ちは愛じゃないですか。見返りを求めないっていう。でも不安になるって恋じゃないですか。難しいなあと思って……。
めりい:だから恋なんだと思う……私は恋だなあ。
ふちりん:僕も恋ですね。愛って感じはあんまり…。
めりい:愛ってだって、与え合うものじゃん。与え合ってないから!確かになんかたまに嬉しいことしてくれたりはするけど、私が必死に毎日働いている労力には見合っていない気がするし(笑)。
めぐみ:ふちりんさんは梨華ちゃんの現場、接触イベントとかには基本的に行くって感じなんですか?それともちょっと引いた目で見てるんですか?
ふちりん:イベントは最近、ほとんど無いので。1年に2回とか、3回とかくらいしかないから。それは全部行きますね、一応。
めりい:ふちりんさんの以前のインタビューを拝読して一番笑ったのが、鑑賞スタイルの「推しがステージで歌っていると心が奪われてしまいほとんど何もできなくなるため、サイリウムを機械的に振ったり、手拍子をしたり、呆然としながら推しの姿をじっと見つめている。」ってところなんですけど。それ見たときに「わかる!」って思っちゃったんですよ。
めぐみ:棒立ちでこう…ただペンライト振ってますね。
めりい:「はぁ……かっこいい……」みたいな。
ふちりん:まあそんな感じになっちゃいますね。
めりい:なっちゃいますよね。私は舞台のオタクなので結構そういう(オタ芸であるとか)ことは要求されないので、助かるんですけど。いつもぼやーんと推しのことを見てます。
ふちりん:そうですね。あんまりこう、叫んだりとかはしないですね。心の中では叫んでますけど。
めりい:外現化しないんですね。
<中編につづく>