人生後半を楽しく生きるにはどうすればいいか。経営コンサルタントの藤井孝一さんは「50代で出世コースから外れた人は、意に沿わない異動を告げられることもあるが、ここで腐っているのはもったいない。異動先で携わった業務に、定年退職後の起業のネタが見つかることもある」という――。

※本稿は、藤井孝一『50代がうまくいく人の戦略書』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

道から落ちる人を救うビジネスマンの手
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独立もできるし、会社にも残れる人になる

先の記事で述べたように、シフトチェンジをすれば、50代からの人生を充実させることができます。まだまだ人生は長いのですから、50代から守りに入るのは早すぎます。

私は2019年に『大人の週末起業』(クロスメディア・パブリッシング)という本を発表しました。

これは定年を目前に控えた同世代の読者に向けて、会社にいながら自分のビジネスをはじめる方法を指南する本です。

出版後、週末起業を目指す同年代の読者から、相談を受ける機会が増えました。そのとき、多くの人は次のように語っていました。

「60歳の定年以降も再雇用で働き続けることができるけど、給料も大きく下がるし、若い人たちからお荷物扱いされるだけ。だったら、今のうちに稼ぐ力をつけて、会社から独立して働きたいです」

ところが、です。数年経って同じ人に話を聞くと、みんな一向に会社を辞めようとしないのです。

もちろん会社を辞めるかどうかは個人の自由です。私は、別に退職をあおるつもりはありません。

ただ、少々引っかかるのは、彼らが「本当は辞めたいけど、会社がなかなか辞めさせてくれないんですよ」などと言い訳していたことです。

常識的に考えて、そんなわけがありません。退職届を出せば、会社は簡単に辞めることができるのですから。