上司と部下のコミュニケーションを円滑にする秘訣はあるのか。人材開発コンサルタントの堀井悠さんと松本悠幹さんの共著『優れたリーダーはなぜ、対話力を磨くのか?』(クロスメディア・パブリッシング)より、理想の対談事例を紹介する――。
ランチタイムに部下と同席、さてどうする?
<問題>
あなたが社員食堂で昼食をとろうとしていたところ、新しくチームに加わった部下が一人で食事をしていました。普段はあまり個人的な会話をすることがなく、この機会に部下との関係性を深めたいと考えています。
この状況で、部下の興味関心を引き出し、より深い関係性を構築するために最も効果的な問いかけは、次のA〜Dのうち、どれでしょうか?
<選択肢>
A 最近の業務で、特に力を入れていることはありますか。
B 休日はどのように過ごしていますか。何か趣味はありますか。
C そういえば、この前のレポート作成はありがとう。私もあのようなまとめ方をしたいなって影響されましたよ。
D 山田さんの仕事の振り方が雑で、最近困っているようですね。
あなたが社員食堂で昼食をとろうとしていたところ、新しくチームに加わった部下が一人で食事をしていました。普段はあまり個人的な会話をすることがなく、この機会に部下との関係性を深めたいと考えています。
この状況で、部下の興味関心を引き出し、より深い関係性を構築するために最も効果的な問いかけは、次のA〜Dのうち、どれでしょうか?
<選択肢>
A 最近の業務で、特に力を入れていることはありますか。
B 休日はどのように過ごしていますか。何か趣味はありますか。
C そういえば、この前のレポート作成はありがとう。私もあのようなまとめ方をしたいなって影響されましたよ。
D 山田さんの仕事の振り方が雑で、最近困っているようですね。
「仕事はどう?」はプレッシャーになるだけ
食堂とはいえ、突然隣り合わせになっても何を話していいかは思いつかないものです。
そのまま挨拶程度で黙々と食事だけの時間となっては、関係性は深まりません。無理に対話の入口を開こうとして、上司・部下の関係からスタートすると「仕事はどう?」「頑張ってる?」といった言葉しか出てこず、「ええ、まあ」くらいの返事しか戻ってきません。部下からしてもプレッシャー以外の何物でもないのです。
休憩時間や就業時間後は、相手にとっては公私の「私」の時間です。まして食事をしながらであれば「楽しく過ごす」が大前提であり、リーダーといるのは、「何のためにやっているのかわからない1on1」と同じです。課題や問題点を話題にするのは避けましょう。
仕事を話題にする場合も「最近、この仕事が楽しかった」「一番面白いと思った仕事」など、業務や成果とは異なる問いかけを心がけてください。
リーダーとメンバーの前提をなくし、「そう考えるのか」「そう感じるのか」を交換し合いながら、お互いに共通すること、異なることを知り合う機会と捉えるのがいいでしょう。