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アトピー性皮膚炎「新治療法」保護者9割が知らず

 サノフィは、小学生から高校生のアトピー性皮膚炎患者の保護者を対象に「小児アトピー性皮膚炎の治療実態調査」を実施した。調査の結果、約9割の保護者が新しい治療法である「分子標的薬」を知らないことが明らかになった。

生活・健康 小学生
約9割の保護者が新しい治療法である「分子標的薬」を知らない
  • 約9割の保護者が新しい治療法である「分子標的薬」を知らない
  • 新しい治療法である「分子標的薬」を知っているか
  • 子供のアトピー性皮膚炎の発症について、「自分のせい」や「申し訳ない」と思うことはあるか
  • 治療サポートの1日平均時間
  • 川本典生先生

 サノフィは、小学生から高校生のアトピー性皮膚炎患者の保護者を対象に「小児アトピー性皮膚炎の治療実態調査」を実施した。調査の結果、約9割の保護者が新しい治療法である「分子標的薬」を知らないことが明らかになった。

 この調査は、中等症以上のアトピー性皮膚炎症状がある小学生~高校生の保護者・男女400名を対象にインターネットで実施した。調査時期は2024年6月11日~6月23日、調査エリアは全国。疾患に対する認識や治療実態、分子標的薬を含む治療法に対する認知を深めることを目的としている。

 アトピー性皮膚炎は、ここ数年で治療環境が大きく変化している。特に小児に適応を持つ分子標的薬が2023年9月に登場し、治療選択肢が広がり始めた。しかし、今回の調査で分子標的薬の認知が低いことが判明した。さらに、約7割の保護者が子供のアトピー性皮膚炎の発症について「自分のせい」と感じていることもわかった。これは、保護者が子供の症状に対して心理的な負担を抱えていることを示している。

 岐阜大学医学部附属病院の専門医・川本典生先生は、アトピー性皮膚炎が多因子疾患であることを強調し、遺伝的要因だけでなく環境要因も発症に影響を与えると説明している。また、治療の主体性を持つことが重要であるとし、保護者と患者が積極的に治療に取り組むことを推奨している。特に思春期を迎える前に、子供自身が治療の必要性を理解し、自分でコントロールできるようになることが望ましいとされている。

 調査結果によれば、保護者は子供の年齢が上がるにつれて治療サポートの難しさが変化することを感じている。小学生の保護者は塗り薬を塗ることに大変さを感じているが、中学生や高校生の保護者は治療を促すことに苦労している。また、治療サポートにかける時間も、症状が悪化しているときは44.3%が11分以上、状態が落ち着いているときでも25.2%が11分以上治療サポートに時間を充てている。

 今回の調査は、アトピー性皮膚炎の治療環境が改善されつつある中で、保護者の認知不足や心理的負担が依然として大きな課題であることを示している。サノフィは、アレルギー疾患関連の情報Webサイト「アレルギーi」やLINE公式アカウント「myアトピー」を通じて、疾患啓発に努めていくという。

《佐藤愛》

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