とことん見たい!東京都職員の生成AIプロンプト ガイドラインと豊富な事例集
本気です!無料でそこまで学べて委員会
本気です!無料でそこまで学べて委員会スマホさえあればいつでもどこでも学ぶことができる学び放題の時代。YouTubeやSNSなどインターネット上にはここまで学べるのかと驚くようなハイレベルな情報や教材があふれています。NIKKEIリスキリングに配属された私、鎌倉りりぃが「本気ですごい!」と思ったサイトや教材を取り上げる「本気です!無料でそこまで学べて委員会」を立ち上げます!第1回は、東京都の「文章生成AI利活用ガイドライン」と活用事例集です。
■とことん具体的!プロンプトまでまるっと公開
■すぐ使える!企画案やプレスリリース作成……応用例が目白押し
■関連リンク
こんな人は要チェック
・生成AI(人工知能)をまだ使っていない/使いたいと思っている
・具体的なプロンプトを見てみたい
3つのPoint
①都職員による生成AIの具体的な活用事例を列挙
②プロンプトの書き方まで丁寧に解説
③利用上の注意点も明記 リスクについても学べる
とことん具体的!プロンプトまでまるっと公開
東京都では2023年8月から全局5万人の職員が生成AIを利用できる環境を整備し、行政の業務効率化に取り組んでいます。それに先立ち、生成AIの利用方法やリスク、利用上の注意点をまとめたのが「文章生成AI利活用ガイドライン」です。
デジタルサービス局内に検討プロジェクトチームを設置し、有識者の意見を交えてつくられており、情報漏洩や回答の不正確性、著作権侵害などの問題も指摘。都職員向けのルールとして「個人情報など、機密性の高い情報は入力しないこと」などわかりやすく生成AIのリスクを可能な限り低減する方法がまとめられています。
効果的な活用方法も具体的に記載されていることに注目です。各局でアイデアソンを実施し計600個のアイデアを集め、さらにグループワークで活用可能性の高い103個の事例を抽出しました。行政での利活用に向いているものと不向きなものを整理し、プロンプトの例やコツとともに紹介しています。
例えば、挨拶文の作成、子どもにもわかるような文書要約、企画のアイデア出し、英語圏の考え方や情報をベースにした回答を出させる方法などを丁寧に解説しています。
さらにガイドラインに加えて、都庁の実務で活用できる実践的な34の活用事例を別資料「都職員のアイデアが詰まった文章生成AI活用事例集」として24年1月に公開しました。都職員が作成したプロンプトを活用シーンともにより詳細に示しています。
・2分で分かる生成AIのトリセツ ちょっとGPT
・【動画】本当に仕事で使える生成AI講座 AIコンサルタント・倉嶌洋輔氏が解説
・「ちょっと」から「極上」までChatGPT初心者の館 仕事での活用徹底解説
すぐ使える!企画案やプレスリリース作成……応用例が目白押し
例えば「企画・アイデア出し」の項目では「条件を指定して、より求める企画案を作成する」と題して、公開データをもとに企画案を作成する活用シーンを想定。「あなたは東京都の福祉局の職員です。現在の介護職の求人倍率は以下の通りなります」から始まるプロンプト例と回答を提示しています。
「会議の報告用文書作成」や「プレスリリースの作成」「SNSの文章を魅力的にする」「エクセル関数を作成する」「外国人来訪者向け想定問答を作成する」など実践的な活用シーンとプロンプト例がまとめられており、すぐにでも応用できる例が目白押しです。
都が23年10月に実施した職員アンケートによると、生成AIを利用した職員のうち63%が業務の質が上がったと回答しました。業務時間については1週間で10分程度短縮したとする回答が24%、30分程度の短縮が22%、1時間程度が13%、1時間超短縮できたのが14%という結果となったといいます。
東京都のデジタルサービス局は「生成AIは業務効率化に有効な手段。もっと使ってもらえるよう内容をブラッシュアップしてきたい」と話しています。24年4月にはガイドラインを改定し「version2.0」とし、プラグインサービスや文章生成以外の生成AI活用の可能性も検討するとしています。
東京都職員が使用することを前提につくられたものですが、ビジネスパーソンが参考にしてすぐに使える内容も多く、役に立つこと間違いなしです!
次回の議題は……「事業開発に即効果!デザイン思考を体系的に学ぶオンライン講義 多摩美大など」です。全会一致!みんな、本気かつ無料で、どこまでも学びましょう!
経営者や各分野の専門家による無料ウェビナー「リスキリングcafe」も定期的に開催。ちょっと楽しく、だけど真面目に学び直しをしたい人に役立つ情報をお届けしています。