「性格が悪い」とはどういうことか 職場の理解にも役立つダークサイド心理学の知見
紀伊国屋書店西武渋谷店
ビジネス書・今週の平台入り口近くの売れ筋を並べた平台中央に面陳列で展示する(紀伊国屋書店西武渋谷店)
本はリスキリングの手がかりになる。NIKKEIリスキリングでは、ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチし、本探し・本選びの材料を提供していく。
今回は9月から定点観測を始めた紀伊国屋書店西武渋谷店だ。3回目の訪問になる。渋谷は海外からの旅行者に人気の街で、同店は洋書も扱うことから路面店ではないのにインバウンド客も加えて多くの来店客でにぎわう。人出につられてビジネス書も息の長い売れ筋中心に好調な売れゆきだという。そんな中、書店員が注目するのは、ダークな性格に注目してその特性を解説した心理学者による新書だった。
マキャベリアニズムやサイコパシーの特性とは
その本は小塩真司『「性格が悪い」とはどういうことか』(ちくま新書)。副題に「ダークサイドの心理学」とある。マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムといったダークな性格について特性や測定方法を紹介、仕事の相性、職場での行動、人間関係、異性との付き合い方などを分析し、どんな問題に結びつきやすいか、さらにその気質は遺伝か環境かなど広範な論点にも言及した内容だ。
著者はナルシシズムの研究を長く続けてきたパーソナリティー心理学、発達心理学が専門の心理学者だ。ビジネス書というより心理学の教養書という趣だが、手に取っていくビジネスパーソンが多いという。ダークな性格は誰しも部分的には抱えており、その表れが強い人が職場で問題を起こしたり職場の人間関係を難しくしたりということがビジネスシーンでも起こっているためだろう。
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