リビングのウォールディスプレイ、少し変わりました。
橋本洋美さんの個展で気に入った原画を二点、購入したので。
(立体作品も二点買ったのですが、其れはまた、次の機会に。)
額を並べ替えたら、ど真ん中に微妙なスペースがぽっかり空いちゃって…
困ったな…、という段で、そう云えば、随分以前に購入したものの箱に入れたまま飾れずにいた、サン・テグジュペリの「星の王子様」をテーマにしたヒグチユウコさんのリトグラフ「大切なバラ」があった事を思い出し。
無事、落ち着きました。
さて、今夜の翻訳は、これ、意外とやっていなかったですね、リュック・ベッソン監督の超人気作「LEON」から、「Shape Of My Heart」を。
LEONの世界観って、ウラジーミル・ナボコフ原作、或いはスタンリー・キューブリック監督作品「LOLITA」的要素が濃厚なのは勿論なんですが、個人的に、何方かと云えば星の王子様寄りだと思っていて。
つまり、少年の心のまま成人した男と、幼くして大人にならざるを得なかった少女。
バラの花の名は…マチルダ。
孤高のレオンの世界に突如舞い込み、彼の心に咲いた…たった一輪の、特別で、大切なバラ。
He deals the cards as a meditation
And those he plays never suspect
He doesn’t play for the money he wins
He doesn’t play for respect
He deals the cards to find the answer
The sacred geometry of chance
The hidden law of a probable outcome
The numbers lead a dance
I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart
He may play the jack of diamonds
He may lay the queen of spades
He may conceal a king in his hand
While a memory of it fades
I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart
That’s not the shape, shape of my heart
And if I told you that I loved you
You’d maybe think there’s something wrong
I’m not a man of too many faces
The mask I wear is one
But those who speak know nothing
And find out to their cost
Like those who curse their luck in too many places
And those who fear are lost
I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart
That’s not the shape of my heart
That’s not the shape, the shape of my heart
Shape Of My Heart/Sting
https://youtu.be/NlwIDxCjL-8
男はカードをディールする
彼の纏う無我を極めた空気が、恰も瞑想に見る其れなのは
彼のポーカーには、一切の「迷い」の文字が存在しないからだ
ポットに積み上げられたチップが、其れ程迄に彼を惹き付け、闘争心を駆り立てる、と?…いや、其れは違うね
無論、勝利の美酒なんぞ、眼中にすらないだろう
彼がボードに戦いを挑む理由はただ一つ…其処に、不確かな問に対する厳然たる解を求めんとする余りにだ
神聖な幾何学の世界にのみ存在する、揺るぎ無い鍵をね
人生で巻き起こる様々な出来事を、カードから飛び出し得るエニーハンドに準え、其の裏に隠された法則を掴まんと、藁をも掴む心地で渡り合い、賭けに出る
そんな彼の掌を舞台に、数字達が舞い描くのは、数式という名のダンス
…スペード。此れが意味するものは、兵士が掲げる剣だ。戦いに備え、牙は常に砥いでおけ、と
そしてクラブは…兵器。それも戦争用。戦いは今後、戦争の様相を呈するという事か
お次は…ダイヤ。獲得し得る金だな…つまり、此のゲームは勿論、今回の仕事にも俺は勝つ。それも、鮮やかにな…
だが、どれもこれも違う…俺が本当に欲しいのは、こんな答えじゃない。俺の心に沿う形をしちゃいない…
彼の手札は…ダイヤのジャックか?
或いはスペードのクイーンでレイダウンするか?
袖の下でキングの切り札迄をも手中にしていたというのに、あろう事か其のナッツを失念し、フォールドする…そんな、まさかの展開もあるかもな…
またスペードか…重々承知しているさ、兵士にとり、剣は魂に等しい…牙は常に砥ぎ澄ましているとも
クラブ…戦争兵器。戦いは更に熾烈さを増す…覚悟せよ
ダイヤは賞金。此のゲームは当然、今回の仕事にも、俺は再び芸術的勝利を収めるというわけだ
嗚呼!然しどれもこれも、俺が望んだものじゃない。
其れとも何か?俺のハートにしっくりくるハートなど、此の世には存在しない、無駄な悪足掻きは止せ、希望など棄てろとでもいうのか…
では一旦、此処で仮定するとしよう…例えば俺が「君を愛している」と、君に告げたとして
…君の答えは?
「どうしたの?急に…貴方らしくないわよ?」そんな、戸惑いだったりするのかな
からかっているとでも?
俺は全く以って、そんな器用な種類の男ではないというのに
だからそんな俺でも、唯一被る事が出来るこの仮面を被って生きている…ポーカー・フェイスという名の仮面をな
ああ…そうだったな、口は災いの元
つまり、ポーカーの何たるかを知らぬ痴れ者には須らく、身から出た錆を喰らう運命が待ち受けている
そして事あらば無闇矢鱈に己の不運を嘆いてばかりいる奴等同様
恐怖心に打ち勝てぬ臆病な腰抜け野郎では、勝機など如何なる勝負にも、端から有る筈もない
スペード…此れで三度目。兵士は二刀流に飽き足らず、懐刀迄をも携えたというわけか…備えあれば憂い無し。確かに、其れは俺の流儀に等しいな
そしてクラブ…戦争兵器の暗示。今後、激戦地となるは必定か
お次は…またダイヤだ。金、金、金…か。此のゲームは勿論、俺には仕事にも、常に勝利の女神が微笑んでいるらしい
けれど、どれもこれも違うんだ
俺が欲しいのは、こんな歪なものじゃない
刺々しいスペードとワンペアを成す、スペードを逆さにした様な柔らかなハート
どす黒い血に塗れ、穢れたこんな俺にも寄り添ってくれる、鮮やかな真紅のハート
ポーカーフェイスの仮面を脱いだ本当の俺の愛に沿う、真実の愛…
俺のささやかな望みは、ただ其れだけなのに…
リビングのウォールディスプレイ、少し変わりました。
橋本洋美さんの個展で気に入った原画を二点、購入したので。
(立体作品も二点買ったのですが、其れはまた、次の機会に。)
額を並べ替えたら、ど真ん中に微妙なスペースがぽっかり空いちゃって…
困ったな…、という段で、そう云えば、随分以前に購入したものの箱に入れたまま飾れずにいた、サン・テグジュペリの「星の王子様」をテーマにしたヒグチユウコさんのリトグラフ「大切なバラ」があった事を思い出し。
無事、落ち着きました。
さて、今夜の翻訳は、これ、意外とやっていなかったですね、リュック・ベッソン監督の超人気作「LEON」から、「Shape Of My Heart」を。
LEONの世界観って、ウラジーミル・ナボコフ原作、或いはスタンリー・キューブリック監督作品「LOLITA」的要素が濃厚なのは勿論なんですが、個人的に、何方かと云えば星の王子様寄りだと思っていて。
つまり、少年の心のまま成人した男と、幼くして大人にならざるを得なかった少女。
バラの花の名は…マチルダ。
孤高のレオンの世界に突如舞い込み、彼の心に咲いた…たった一輪の、特別で、大切なバラ。
He deals the cards as a meditation
And those he plays never suspect
He doesn’t play for the money he wins
He doesn’t play for respect
He deals the cards to find the answer
The sacred geometry of chance
The hidden law of a probable outcome
The numbers lead a dance
I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart
He may play the jack of diamonds
He may lay the queen of spades
He may conceal a king in his hand
While a memory of it fades
I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart
That’s not the shape, shape of my heart
And if I told you that I loved you
You’d maybe think there’s something wrong
I’m not a man of too many faces
The mask I wear is one
But those who speak know nothing
And find out to their cost
Like those who curse their luck in too many places
And those who fear are lost
I know that the spades are the swords of a soldier
I know that the clubs are weapons of war
I know that diamonds mean money for this art
But that’s not the shape of my heart
That’s not the shape of my heart
That’s not the shape, the shape of my heart
Shape Of My Heart/Sting
https://youtu.be/NlwIDxCjL-8
男はカードをディールする
彼の纏う無我を極めた空気が、恰も瞑想に見る其れなのは
彼のポーカーには、一切の「迷い」の文字が存在しないからだ
ポットに積み上げられたチップが、其れ程迄に彼を惹き付け、闘争心を駆り立てる、と?…いや、其れは違うね
無論、勝利の美酒なんぞ、眼中にすらないだろう
彼がボードに戦いを挑む理由はただ一つ…其処に、不確かな問に対する厳然たる解を求めんとする余りにだ
神聖な幾何学の世界にのみ存在する、揺るぎ無い鍵をね
人生で巻き起こる様々な出来事を、カードから飛び出し得るエニーハンドに準え、其の裏に隠された法則を掴まんと、藁をも掴む心地で渡り合い、賭けに出る
そんな彼の掌を舞台に、数字達が舞い描くのは、数式という名のダンス
…スペード。此れが意味するものは、兵士が掲げる剣だ。戦いに備え、牙は常に砥いでおけ、と
そしてクラブは…兵器。それも戦争用。戦いは今後、戦争の様相を呈するという事か
お次は…ダイヤ。獲得し得る金だな…つまり、此のゲームは勿論、今回の仕事にも俺は勝つ。それも、鮮やかにな…
だが、どれもこれも違う…俺が本当に欲しいのは、こんな答えじゃない。俺の心に沿う形をしちゃいない…
彼の手札は…ダイヤのジャックか?
或いはスペードのクイーンでレイダウンするか?
袖の下でキングの切り札迄をも手中にしていたというのに、あろう事か其のナッツを失念し、フォールドする…そんな、まさかの展開もあるかもな…
またスペードか…重々承知しているさ、兵士にとり、剣は魂に等しい…牙は常に砥ぎ澄ましているとも
クラブ…戦争兵器。戦いは更に熾烈さを増す…覚悟せよ
ダイヤは賞金。此のゲームは当然、今回の仕事にも、俺は再び芸術的勝利を収めるというわけだ
嗚呼!然しどれもこれも、俺が望んだものじゃない。
其れとも何か?俺のハートにしっくりくるハートなど、此の世には存在しない、無駄な悪足掻きは止せ、希望など棄てろとでもいうのか…
では一旦、此処で仮定するとしよう…例えば俺が「君を愛している」と、君に告げたとして
…君の答えは?
「どうしたの?急に…貴方らしくないわよ?」そんな、戸惑いだったりするのかな
からかっているとでも?
俺は全く以って、そんな器用な種類の男ではないというのに
だからそんな俺でも、唯一被る事が出来るこの仮面を被って生きている…ポーカー・フェイスという名の仮面をな
ああ…そうだったな、口は災いの元
つまり、ポーカーの何たるかを知らぬ痴れ者には須らく、身から出た錆を喰らう運命が待ち受けている
そして事あらば無闇矢鱈に己の不運を嘆いてばかりいる奴等同様
恐怖心に打ち勝てぬ臆病な腰抜け野郎では、勝機など如何なる勝負にも、端から有る筈もない
スペード…此れで三度目。兵士は二刀流に飽き足らず、懐刀迄をも携えたというわけか…備えあれば憂い無し。確かに、其れは俺の流儀に等しいな
そしてクラブ…戦争兵器の暗示。今後、激戦地となるは必定か
お次は…またダイヤだ。金、金、金…か。此のゲームは勿論、俺には仕事にも、常に勝利の女神が微笑んでいるらしい
けれど、どれもこれも違うんだ
俺が欲しいのは、こんな歪なものじゃない
刺々しいスペードとワンペアを成す、スペードを逆さにした様な柔らかなハート
どす黒い血に塗れ、穢れたこんな俺にも寄り添ってくれる、鮮やかな真紅のハート
ポーカーフェイスの仮面を脱いだ本当の俺の愛に沿う、真実の愛…
俺のささやかな望みは、ただ其れだけなのに…