id:washburn1975 さんのところの戦争映画ベストテンに参加します。
1. クエンティン・タランティーノ監督『イングロリアス・バスターズ』(2009)
第二次世界大戦が部隊の歴史改変戦争モノ。とにかくポストモダンな戦争映画なのだが、そういうことなしに見ても確実に面白い。
2.デヴィッド・リーン監督『アラビアのロレンス』(1962)
アラブ独立闘争を舞台にした一大叙事詩。リマスター版で映画館で見た時の、あの砂漠のものすごく遠くから人が近づいてくる場面の美しさはちょっと筆舌に尽くしがたい。
3. ヴィクター・フレミング監督『風と共に去りぬ』(1939)
アメリカ南北戦争が舞台の一大ロマンス。基本的には戦争のどさくさにまぎれて汚いこともしながら儲けて生き延びようとする女の愛を描いたお話。アトランタ陥落の場面では、撮影のためにその前に使った大作映画群のセットを流用して燃やしたとか…
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4. オーソン・ウェルズ監督『オーソン・ウェルズのフォルスタッフ』(1965)
シェイクスピアの『ヘンリー四世』2部作の映画化なのだが、見せ場であるシュルーズベリーの戦いの場面が物凄く、中世の見苦しくて暴力的な戦闘をシャープに撮っている。騎士は鎧が重すぎてひとりで馬にも乗れないので上からつり下げてもらったり、転んでもひとりでは起きられなかったりするし、一般兵士の死に方は泥まみれで折り重なってぶっ倒れるなど本当に悲惨。『プライベート・ライアン』などはこの戦闘場面の影響下にあるらしいのだが、180人くらしかエキストラが雇えず、編集で何千人もいるように見せているらしい。
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5.デヴィッド・リーランド監督『スカートの翼ひろげて』(1998)
第二次世界大戦下のイギリスにおける女子農業部隊が主人公で、戦闘場面がほとんどない戦争映画。男が皆兵隊にいってしまったため労働力がえらく不足して田舎が困ったことになるという地味な主題を扱っている。戦争のせいで階級やジェンダーの障壁が部分的に取っ払われ、女性たちが身分や出身地域の違いを超えて交流するようになるというのは、男性が主人公の戦争映画だとけっこう出てくると思うのだが、女性が主人公の映画だとちょっと珍しいかも。
6.アン・リー監督『楽園をください シビル・ガン』(1999)
アメリカ南北戦争におけるミズーリ州の田舎でのゲリラ闘争を描いた作品。昨日まで隣人だったような人たちが殺し合う悲惨な戦闘の映画で、『風と共に去りぬ』なんかの戦争描写とはひと味違う。
7.バスター・キートン、クライド・ブラックマン監督『キートンの大列車追跡』(1926)
アメリカ南北戦争を主題とする列車アクションコメディ。サイレント映画なのだが、ぶっとんだアクションとギャグは今見ても全然古くなってない。
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8.ケン・ローチ監督『麦の穂を揺らす風』(2006)
アイルランドの独立戦争と内戦を描いた作品。これまた『楽園をください』同様、隣人や兄弟が争う悲惨な内戦描写が…
9.ビセンテ・アランダ監督『リベルタリアス/自由への道』(1996)
スペイン内戦で戦ったワーキングクラスのアナルコフェミニスト民兵たちを描いた作品。最後はかなり悲惨。
10.ハワード・ホークス監督『僕は戦争花嫁』(1950)
第二次世界大戦でヨーロッパに派遣されたアメリカの女性兵士が地元で任務を一緒にやったフランスの男性兵士と結婚するが、アメリカ軍は男性兵士が現地で女性と結婚した場合は想定していたものの、女性兵士が現地男性と結婚する場合のことは想定していなかった。そのせいで妻とアメリカに行くことが難しくなった花婿のロシャール(ケーリー・グラント)は女装して渡米しようする!
おまけ:テレビドラマがOKなら、『ブラックアダー』第四シーズンの第一次世界大戦描写と『ゲーム・オブ・スローンズ』のブラックウォーターの戦いを入れます。