スピカぴかぴかましゅまろパクパク

日記(のようなもの)を毎日更新!!

『ショウタイムセブン』を観ました ※ネタバレ注意

eiga.com

 

映画.comさんからの解説を引用

午後7時、ラジオ局に1本の電話が入り、その直後に発電所で爆破事件が起こる。電話をかけてきた謎の男は交渉人として、ラジオ局に左遷された国民的ニュース番組「ショウタイム7」の元キャスター・折本眞之輔を指名。これを番組復帰のチャンスと考えた折本は生放送中の「ショウタイム7」に乗り込み、自らキャスターを務めて犯人との生中継を強行する。しかしそのスタジオにも、すでにどこかに爆弾が設置されていた。自身のすべての発言が生死を分ける極限状態に追い込まれた折本の姿は、リアルタイムで国民に拡散されていく。

 

 

映画は現実とどれだけリンクしているかは重要な要素になったりする。あまりに現実離れしていても冷めるし、かといってリアルすぎても娯楽作品として楽しめない。そのバランスが大事なのに、タイミングが悪かったのか、フィクションのはずの『ショウタイムセブン』は、逆に現実に負けてしまったように思う。

最近のフジテレビ騒動ね。

 

この映画は、リアルタイムで物語が進行していくという仕掛けがあり序盤はその緊張感で引き込まれる。しかし問題は中盤以降。広げた風呂敷をたたみきれず、犯人の主張も一貫性がなく、結局「何がしたかったんだっけ?」というモヤモヤが残る。せっかく序盤のワクワク感があったのに、最後の失速具合がもったいない。

 

特にラストの展開は、最近のニュースと照らし合わせるとリアリティがなさすぎる。テロリストに番組を乗っ取られたのに事件解決後は「はい、次のニュースです」みたいな空気感。いやいや、そんなわけないでしょ? 現実ではテレビ局のスキャンダル一つで三日三晩の大騒ぎ。ましてや番組が乗っ取られるレベルの事件なら、ワイドショーは数週間は食いつくし、SNSは大荒れする。そう考えると、映画の結末があまりにも淡泊で「これ、リアルを描きたかったんじゃなかったの?」と首をかしげたくなる。

 

もう一つ気になったのは、予告とのギャップ。予告編では「阿部寛が血まみれに?撃たれた?死にそう?」と観客に思わせる演出だったのに実際はそんなシーンはない。ないことはないが全然違う文脈で使われている。いわゆる予告詐欺だ。もちろん予告編と本編が違うのはよくある話だけど、あまりにも煽りすぎると逆効果。観客が勝手に期待値を上げた分肩透かしを食らったときの落胆が大きくなる。

 

総じて、『ショウタイムセブン』は序盤の勢いは良かったものの、最後の失速とリアリティの欠如が足を引っ張った作品だった。タイミングが悪かったと言えばそれまでだけど、映画が現実に負けるのは少し寂しい。次はフィクションならではの「説得力」のある作品に期待したい。