特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『大学入試と議員選挙は抽選に』(サンデル先生)と『パンナコッタのオリーブオイル掛け』(笑)。

 朝5:30にフジテレビをつけてみたら、殆どのCMがACになってました。ざまあみろ(笑)。

 時間が勿体ないのでボクはテレビは殆ど見ないし、見るとしてもNHKかTBSだけ、あとはテレ東の深夜ドラマくらいしか見ません。
 大衆扇動ばかりやっているフジテレビもテレビ朝日もさっさと潰れてしまえ、と思っています。こんなテレビ局↓要らない。資源の無駄。


 飲み会が死ぬほど嫌いなボクですら、フジテレビの人が呼んだアナウンサーと一緒に会食したことがあります。女性だけでなく男性アナウンサーも来ることもあるし、清廉潔白な会食です(笑)。スタジオや社屋の球形ドームの最上部にある役員室も案内してもらった。レインボーブリッジを一望できる豪華な部屋はさすがバブル企業、と思いましたよ(笑)。
 それはともかく、アナウンサーの人は話はうまいし取材などの現場ネタもあるから、確かに場は盛り上がります。

 民間会社だから接待くらいはあるでしょう。接待そのものより鹿内、日枝と老齢の実力者が2代続けて何十年ものさばっているフジテレビの閉鎖的な体質が問題です。だからテレビ局なのにテレビ取材お断り(笑)、みたいなバカな記者会見をやったりする。

 フジだけでなく『接待があったかどうか』なんて騒いでいるマスコミは相変わらずズレている。テレビ局が東電同様 規制に守られた独占企業であることが問題なんです。自浄体質がない。

 いよいよアカデミー賞への正式ノミネートが決まったこの話↓が典型ですが、日本の組織自体が外圧がないと変われない。自浄能力がないのはフジテレビだけじゃなく共産党だって一緒です(笑)。
 日本の歴史そのものが外圧でしか変わってこなかったんじゃないですか。それで良く対米自立とか言えると思います(笑)。

 フジテレビに今回のきっかけとなった株主提案をしたのはアメリカのアクティヴィスト(ハゲタカファンド)、ダルトンです。
 ボクに言わせればフジより、ダルトンの方が遥かにひどい。そこいら中の企業の株を買ってお前らの現金を配当しろというコピペ提案を送っているカネの亡者、新手の総会屋みたいなものです。

 先日も他のハゲタカファンド(オアシス)が大日本インキが持っている立派な美術館を潰したばかりですが、

www.tokyo-np.co.jp

 連中が言ってるのは従業員の給与や投資を削ってでも現金よこせ、株価をあげろということです。そういうハイエナ連中をアベノミクスの円安や経産省コーポレートガバナンスコードとか言って、のさばらせた。

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 何が『Buy My アベノミクス』だ、この国賊。円安で外国人株主が増えて、今や日本の富が毎年5兆円も海外流出してるんですよ。
  
www.afpbb.com


 ただ、問題の本質は、世の中はどこまで市場原理を受け入れるべきか、ということです。世の中全体と比べれば、安倍晋三がどうとか、トランプがどうとか、自民党がどうとかは些細な問題です。

 新自由主義はなんでも市場原理で物事を解決しようとする。維新や斎藤、石丸などが典型ですが、いわゆる日本で『改革』と言われているものは国や自治体の役割を最小化して市場原理に任せる、民営化しようというものです。要は給料が高い公務員を首にしてパソナ派遣社員に任せろ、と(怒)。
 一方 既存の野党は立憲も国民民主も共産党も組合がベースですから、公務員を守る(笑)。だから民間勤務、特に雇用が不安定な人からは、野党は公務員という既得権益層を守っているように見える。それもわかる。

 確かに日本の政府や自治体にも問題はある。だけど市場に任せること=民営化がそれに代わる解決策でしょうか。そんなものが改革?バカじゃねーの(笑)?
 格差は人の正常な判断すら狂わせる。


 1月18日の日経で哲学者のマイケル・サンデル先生が『社会の格差や分断を埋め、リベラルや民主主義が復権するためには、もっと社会としての熟議が必要ではないか』と述べています。

www.nikkei.com

 サンデル先生はトランプのようなクズが再び政権に就いた原因は『民主党政権が労働者に目を向けなかったから』としています。
 実際はバイデンはグリーン・ニューディールなど重要な政策をやってはいるのですが、効果が出るまで時間がかかるし意味を理解するのも難しい。バイデンはそれを一般の人たちに説明することができなかった。
 それと対照的なのがF・ルーズベルトで、彼は『ニューディール』という言葉を作りだしてラジオで労働者に絶えず語り掛けていた。その違いだ、と。

 左翼、リベラルが市民から遊離しているのはアメリカだけではありません。
 欧州の左翼も頭がカルト化した日本の左翼も一般市民から遊離しています。その結果、ポピュリストが台頭する。多くの場合 安易なナショナリズムが利用されるから、ドイツやイタリア、フランスのように極右も台頭する。人間は嘘でもいいから、何らかの連帯感を求めるものです。

 しかしバカウヨや山本太郎共産党ポピュリズムなんか現実の役には立ちません。その結果 日本もアメリカも金持ちや血縁の寡頭政治になりつつある

 労働者を搾取する政治家に労働者が投票する、この悲喜劇(笑)。

 サンデル先生は『大学は、一定の学力がある入学希望者のくじ引きにすればいい』、『国会も二院制の議会の片方はくじ引きにしたらどうか』と提案しています。陪審員は抽選で選んでいるのだから立法機関の一部の役割も担えるのではないか、というのです。

 サンデル先生の提案は『新自由主義能力主義以外の価値観』を取り入れるということです。それは『人間や労働の尊厳を取り戻す』ことにも繋がります。どう考えたって、高給で知られる大多数の株屋や銀行、広告代理店、コンサル、それに政治家より、介護や福祉に従事しているケアワーカーの方が社会的な貢献は大きいに決まっているじゃないですか。
 (特に日本では)自民党だけでなくバカばっかりの野党や下手な左翼リベラルより、抽選で選ばれた国会議員の方がよっぽどいいかもしれません。


 
 サンデル先生は『民主主義が求めるのは完全な平等ではなく、異なる背景を持つ人が混ざり合うことだ』と言っています。そこから(民主主義に必要な)熟議が生まれる。そして図書館、公立学校、公園などの公共空間は人々の連帯感を築き、市民社会が互いに責任を負う存在であることを思い起こさせる


 21世紀に市民の連帯をいかに作っていくか。人間嫌いのボクは連帯とか気持ち悪く感じるところもあるのですが(笑)、カネがすべての市場原理が支配する世の中になるのも困る。

 カネや能力主義も重要だし、合理主義を無視することはできません。でもこの世界にはそれ以外のものも必要です。
 ネットには真偽入り混じった情報が溢れ、時代遅れのイデオロギーにも頼れなくなった今、人々の連帯をどう作っていくか、は世界的に大きな課題かもしれません。


 以前 通っていた自由が丘のイタリアンが半年間の休業の後 オーナーシェフ氏は再開業の準備に入っています。
 店の若い子たちは店の復活に備えて自由が丘デパートの飲み屋を昼間だけ間借りしてパスタ屋をやっているというので行ってきました。

 自由が丘デパートと言うのは戦後の闇市の商業者が組織を作り、1953年に作られて今に至るまで増築を重ねてきた建物です。この写真は1955年当時のものですが、デパートは中央奥にあります。


6:自由が丘の商業地としての発展 ~ 自由が丘・田園調布 | このまちアーカイブス | 不動産購入・不動産売却なら三井住友トラスト不動産

 こちらは植木等主演の62年の名画『日本無責任野郎』で描かれたこの辺り。
 余談ですが、この頃の映画を見ると今のインド映画みたいに、将来への希望が満ち溢れている気がします。見ていて、何かまぶしい(笑)。お金もかかっているし。


荻窪東宝 東宝映画のロケ地を訪ねる

 これが今の自由が丘デパート。中には日本の偉人、故緒方貞子さんが御用達にしていた安くて美味しいハンガリー料理屋も入っています。築80年近い建物の中で個人経営の小さな店が今も沢山 営業しています。


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 こんな店でした。ボクの顔を覚えていた店の子が、店の中から『×さん(ボクの名前)』と呼んでくれたから良かったけど、知らなければ中々入りにくい。

 昼間だけど、まず、泡をもらいました。

 カリフラワーのフラン
 中には雲丹が入ってました。これ、異常にうまい。

 リポリータ
 10種の野菜とインゲン豆にパンを加えたスープです。イタリアンはこういう家庭料理が一番おいしい。

 ピーマンの肉詰め
 メニューでみかけたので、どんなものを出してくるのかと思って頼んでみました。下にはシェリーを煮詰めたソースが敷いてあります。前の店と異なり若い子が自由にやってみたい、ということらしい(笑)。

 野菜のパスタ
 上に載っている発酵バターを溶かしながら食べます。質が良いからそういうことができる。麺は手打ちです。パスタマシンではなくて手で伸ばした、と言ってました。あちらの小麦粉は硬いので力が要ります。若い子ならでは、です(笑)。

 同じく牛頬肉の手打ちパスタ
 普通はトマトや赤ワインで煮るんでしょうが、香り高いミントの葉で食べるというのが面白かった。自由が丘の農家が作っているミントだそうです。

 柚子風味のパンナコッタ。お菓子にオリーブオイルがかかっているのは初めてでしたけど、爽やかな香りでしたからOK、でした。鮮度の問題があるから、家だと良いエキストラヴァージンのオイルは使い切れない。店で食べるしかありません。

 丁寧に作った、手間がかかったものばかりで、完全に採算度外視、市場原理とは正反対の料理でした(笑)。やっぱり一生懸命作ったものは尊い
 美味しかったし、お腹が一杯になりました。

これは快作!:映画『室町無頼』

 今日は大寒。早く暖かくなるといいですね。
 暫定的なものとは言え、ガザで停戦が実現したのはほっとしました。しかし、イスラエルは約束を守らない国ですからね。

 連中が犯してきた犯罪がなくなったわけでもない。

 イスラエルの連中はこの先 ずっと責任を問われ続けるのでしょう。憎しみの連鎖なんて人間の愚かさの象徴だとは思うけれど、これは止めろと言っても無理だと思う。


 
 一方 日本はこれだもんなあ。詳しく書きたくないくらい、民度低い。救いようのないバカばっかり


 と、いうことで、池袋で映画『室町無頼

 舞台は1461年、室町時代中期、足利義政の時代。“応仁の乱”前夜。 大飢饉と疫病が起こり、京都では2か月で8万人が飢え死にし、路傍には無数の死骸が転がっていた。そんな中でも大名達は庶民に重税を課し、高利貸は暴利をむさぼり、借金のかたに女性たちが売り買いされていた。室町幕府は庶民を救おうともしない。そんな中 腐った世の中を変えようと、国家権力に戦いを挑んだ者たちがいた。

muromachi-outsiders.jp

 昨年の胸が痛くなる傑作「あんのこと」の入江悠監督のメジャー新作です。

 初めての、それも東映の時代劇。タイトルロールに東映のマークが出るだけで熱い(笑)。主役は大泉洋、共演は長尾謙杜、松本若菜堤真一武田梨奈など。
 大泉洋って北海道で悪口を言うと張り倒されるくらい人気らしい(笑)。でも、あんまり好きじゃないんだよなあ。長尾なんとかと言う人は旧ジャニーズの人みたい。

 原作の小説『室町無頼』は2016年に出版され、同年に「本屋が選ぶ時代小説大賞」で大賞に選ばれたベストセラー。著者の垣根涼介は23年に直木賞を受賞したばかりだそうです。全然、知らん(笑)。

 舞台は室町時代ということで、あまり馴染がありません。逆に固定観念に囚われない自由な創作ができてよいのかも。
 映画は実際に1462年に起きた寛正の土一揆を描いています。
 大泉洋が演じる実在の主人公、蓮田兵衛は日本史上、初めて武士階級として一揆を起こした人物だそうです。

 入江監督ならではのリアルな描写は健在です。
 大飢饉と疫病によって路上には無数の死体が積み重なっています。冒頭 鴨川に大量の死体が捨てられている光景は思わずギョッとします。
 高利貸は困窮する人々に金を貸し付け、借金を返せない人は人身売買され、娼婦や奴隷にされています。

 しかし室町幕府の面々は無能で享楽の日々を過ごすばかり。
 そんな世の中で己の腕と才覚だけで混沌の世を生きる蓮田兵衛(大泉洋)は倒幕と世直しを画策し、立ち上がる時を狙っています。

 天涯孤独で奴隷として売られ、夢も希望もない日々を過ごしていた才蔵(長尾謙杜)は、兵衛と出会ったことで武術の修行に励むようになる。

 兵衛のもとには才蔵を始めとした様々な無頼=アウトローたちが集まり、幕府権力と高利貸に対して暴動を仕掛けていく。そんな彼らの前に、兵衛のかつての悪友・骨皮道賢(堤真一)率いる幕府軍が立ちはだかります。

 良い意味で、超大作です。豪華とは思いませんが、製作費がいくらかかっているのか心配になります(笑)。
 建物などのセットはやたらとでかいし、それを平気で爆破したり、火をつけたりする(最近の映画はそのようなシーンは殆どCGです)。東映の京都撮影所に大規模セットが組まれただけでなく、実際に平安神宮が使われていたりする。

 何よりも画面に映っている人がやたらと多い。インド映画も顔負けで、ハリウッド映画にも負けていない。邦画とはとても思えません。
 クライマックスとなる一揆のシーンはCGも使ってはいるんでしょうが、自主製作出身の入江監督の得意技、何年も前からSNSでボランティアを募ったエキストラの出演がめちゃめちゃ効いています。なんと、学生を中心に延べ5000人だそうです。
 映像も、常に土埃が舞う市中や美しいともいえる夜の一揆は非常に印象的です。素晴らしい。IMAX版で見たのは大正解でした。


 
 企画は随分前からあって、脚本も担当した入江監督の4年間の文献調べと3度もの撮影中止を乗り越えて、8年がかりで撮ったそうです。しかし、コロナ禍における格差社会への怒りを表明した前作『あんのこと』とテーマははっきり繋がっています。前作『あんのこと』の主人公の仇をとろうとしているようにすら見えます。

 ここで描かれているのは庶民による国家権力への戦いです。『民のために使わんで、何のための税じゃ~』って台詞は、勿論 今の事を言ってるでしょ(笑)。

 登場人物たちは自分たちを『虫けら』と呼びます。
 入江監督は自主製作のデビュー作『サイタマノラッパー』からずっと、名もなき市井の人たちを描いてきました。

 格差や貧困がはびこる中で生きる『虫けら』のようなダメダメな人たちです。ボクも一緒です。
 そのサイタマノラッパーの主役の一人だった水澤紳吾や入江監督作品の常連の般若、それに前野朋哉らが一揆に参加して『俺たちは虫けらだ』と言っているのには思わず、胸が熱くなりました。

 例え勝ち目がなくても、『虫けら』たちは権力に向かって立ち上がる
 

 東映の京都撮影所で撮った作品ということで、どうしても昨年の大傑作『侍タイムスリッパー』と比べてしまいます。『侍タイムスリッパー』で『今はもう作れない』と詠嘆されていた本格時代劇が、ここでは本当に演じられています。奇跡じゃないかと思いました。

 ただ殺陣だけはちょっと違う。殺陣は同じ人が担当したそうですが、これが初めてという大泉洋の殺陣は文字通り鬼気迫るようだった『侍タイムスリッパー』とは比べるべくもありません。まあ、映画の方もそれをカバーする撮り方はしています。

 でも、全体のアクションは悪くありません。とにかく一揆のシーンは映像も音響も本当に素晴らしい。それどころか、感動的ですらあった。涙が出た。ここで泣かせられるとは思わなかった。
 この映画の真の主人公は、文字通り名もなき人たちです。

 また副主人公とも言える長尾謙杜は演技はともかく、アクションは素晴らしくて、段々と説得力ある存在になっていく。二階堂ふみちゃんを始めとして、役者を育てるのに定評がある入江監督の演出が生きています。

 ボクの好きな武田梨奈ちゃんは喉を潰された朝鮮人の弓の達人の役なので台詞がなかったのは残念でしたが、カッコ良かったです。体幹の違いというか、この人が出てくると画面が全く変わる。動きがマジなんだもん(笑)。

 実際は画面の中に出ている誰よりも強いだろうって思いながら見てました(笑)。

 松本若菜って人は初めて見ましたが、きれいな人ですね。

 天災、物価高騰、政治不信、疫病、広がる格差で不安な世界。そんな中にあって、名もなき『虫けら』が国家権力に命懸けで「NO」を突きつけ、次代の扉をこじ開けていきます

 随所で女性たちがしっかり戦っているのが描かれるのも流石、入江監督です。

 黒澤明岡本喜八今村昌平マカロニウェスタン様々な過去の作品にオマージュを捧げながら作られた見事なエンタメ作品です。主人公たちの常にユーモアを忘れない戦い方はボクの大好きなロバート・アルドリッチ先生のものでもある。

 監督本人が言う通り、黒人居住区での暴動を描いたスパイク・リーの『Do The Right Thing』や権力と戦い続けるロックバンド『Rage Against The Machine』も入ってます。

 ボク自身が大泉洋堤真一に興味がないせいもありますが、人物像を掘り下げた人間ドラマではありません。インタビューで大泉洋西郷隆盛大久保利通を引き合いに出していたように主役の二人も何度も見れば味が出てくるような人物像ではありますが、この映画の主役は『群衆』です。
 この映画は、名もなき人々の躍動を映像も音楽も一体となって描いた傑作だと思う。溢れんばかりの表現欲です。

 誰が見ても楽しいエンターテイメントでありながら、日本映画でこれだけはっきりと国家権力への戦いを描いた作品があるでしょうか。史実でもこの一揆は徳政を勝ち取っています。
 胸が熱くなります。素晴らしい。『AI崩壊』や『ネメシス』、『22年目の告白』など入江監督のメジャー作品では断トツです。音も映像も凄い迫力だったので、出来ればIMAXで。


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『日本の真の問題』(日経『荒波をこえて』)と『題して「ジンギスカン」』

 神戸の地震から30年。
 震災の当日 午前中はまだ、東海道新幹線は動いていました。ボクは午前中に大阪まで行って、午後には勤務先の営業所の給与などのデータをサルベージするために裏道から非常線を突破して(笑)尼崎周辺まで入ったので、あの時のことは忘れ難い。

 遠くで煙がいくつか上がっていました。煙の下には建物の下敷きなどでまだ人がいたケースもあったと、後で聞きました。

 そんなことがあったんです。30年経ったとはいえ、兵庫県民は犠牲者の数すらわからない奴が知事でいいんでしょうか?

 一昨日のこのニュース↓、三浦瑠麗みたいな脳味噌カラッポの東大バカを持て囃してたマスコミは反省しないんでしょうか。三浦瑠麗は詐欺会社を共同経営してたはず。初犯で実刑っていうんだからよほど悪質と判断したんでしょう。

 これ↓を不思議に思わない奴がいる、のもボクには信じられません。
 政策はないって、政党じゃない(笑)。こんなバカは報道する必要ない。

 三浦瑠麗だけでなく、石丸(京大)や斎藤(東大)、維新の吉村(京大)とか、ボクは顔を見るだけで虫唾が走ります。結局 学歴って関係ない。こういうバカ連中は平気で嘘をつくし、他人の意見を聞かず自分の都合を押しつけるだけで、他人と会話できない。
 
 社会として将来の目指すべき方向性を議論したり共有しないから、カスみたいなポピュリストがはびこる。与野党含め、既存政党への不満からです。政治家やマスコミの責任は大きい。


 、将来の方向性の話です(笑)。
 先週も触れた日経新年の論考『荒波をこえて』、最初に岩井克人教授が日本全体の総論を述べ、『じゃあ、どうすればよいのか』という各論が続きました。
 その中から、カリフォルニア大教授のシェーデ氏と政策研究大学院教授の北尾氏の話をご紹介したいと思います。

 最近話題になっているシェーデ教授の論考は企業戦略なので詳しくは書きません。「日本企業はGAFAのように規模は追えないのだから、得意分野に特化することで競争力を高めていく『舞の海戦略』を目指せばよい」というお話です。

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 昨年はNHKにも出演しています。

www.nhk-ondemand.jp

 この人が指摘する『日本は低成長という代償を支払ったものの、社会の変化をスローにすることで社会の安定を選択することができた』はまさに目からうろこ、です。
 リーマンショックのようなことがあっても日本の企業は雇用を守ったし(その皺寄せは非正規に行きましたが)、欧米に比べれば倒産も少ない。経済成長率は低かったが失業率も貧富の差も比較的低く、社会の分断も欧米よりは激しくない。

 政府や経産省、それにマスコミは何でもかんでもアメリカの真似をしようとしますが、日本は胸を張って自ら社会の安定を選択していることをもっと大事にするべきではないか。

 安倍晋三が進めたコーポレートガバナンスコードなど株式市場の改革なんかまさに愚の骨頂で、アベノミクスの円安で外国人株主が増えた結果、毎年4兆円もの配当が海外流失しています。

 先進国が通貨安で自国を安売りしても、経済が良くなるなんてことはない。

 バカげた話です。日本に本当の右翼はいないのか(笑)。


 一方 政策研究大学院の北尾教授は『日本の真の問題は高齢化ではなく、政策が時代遅れなこと』と指摘しています。政策が社会の変化についていけない、というのです。

www.nikkei.com

 内容を要約します。

・日本の一人当たりGDPはG7最下位、世界34位にまで低下した。今や、日本は停滞の教訓を学ぶ対象である。

・低所得層や老後への支援は重要だが、日本の最優先課題ではない。近年行われている住民税非課税世帯へのバラマキは大半が裕福な高齢者層に届いてしまい、むしろ格差を拡大させている。貧困層の支援は生活保護など福祉として行うべきで、うまく機能していないのなら福祉制度の整備を進めるべきだ。日本で平均資産が最も多いのは高齢者で、貧困が深刻なのは20~50代の若年層である。

一時的な給付金や消費税廃止などのバラマキは、将来の成長を阻害する。バラマキでは企業は設備投資や雇用拡大を行い生産力を強化しないし、減税やバラマキに伴う事務コストは将来の増税に結びつくからである。

日本の問題は高齢化ではなく、社会変化のスピードに政策や制度が追い付いていないことである。例えば平均寿命が延びたにも関わらず、年金支給年齢すら変わっていない。持続的な経済成長には労働者と企業の生産性を高めるしかない。政府が企業に賃上げを求めても成長にはつながらない。

・政府が将来の成長分野やベンチャー企業を予測することは不可能である。政府ができることは高校教育義務化や大学などの高等教育の環境整備など人的資本への投資の強化を行い、国民のスキルの底上げを加速させることだ

 共産党やれいわなどアホ野党が主張している減税なんて愚の骨頂ですが、給付金や補助金などのバラマキもコロナのような緊急事態には息継ぎにはなるけど、継続的な経済効果はありません。バラマキで一時的な需要が増えても企業は国内に設備投資しないからです。せいぜい派遣社員を増やすくらいでしょう。

 貧困層への支援は重要ですが、高齢者支援のように『福祉』としてやるべきことと教育など『投資』としてやるべきものは区別して考えるのは当然です。今の日本では将来リターンが返ってくる『投資』の方が優先順位は高いに決まっています

 少子高齢化は止められないのだから、日本が経済成長をするためには働いている人の生涯所得を高めるしかありません
 経済成長なんかしなくていいという考え方もありますが、ある程度は成長しなければ教育、医療や介護の費用は賄えないし、食糧もエネルギーも輸入できない(笑)。経済成長をするためには生産性を上げるしかない。
 生産性を上げるとは無駄を削ることに加えて、高付加価値な仕事をすることです。

 冒頭に挙げたように、東大ですらアホを量産する日本の社畜教育に税金をつぎ込んで効果があるのか、という気もしないではありません。
 でも北尾教授が言っているように、政治の役割は『教育により人々のスキルを底上げし、人々が自律的に成長の源泉を見出すよう後押しする。多様性を尊重し、挑戦を促し、失敗を受け入れ、自由に伸びる環境を作る』はその通りです。

 日本の政治は与野党ともに戦後からずっとバラマキばかりで、社会の変化に追いついていない。それが諸悪の根源。
 
共働きが多数なのに第3号被保険者制度が残っているのはもちろん、選択的夫婦別姓すらできなくて、自由や自律も減ったくれもないでしょう(笑)。

 政府がやることは教育とセイフティーネットで多様な人々が自由に自律的に成長していける環境を整備することです。ところが自民党だけでなく言論の自由を認めないファシスト共産党まで、日本の政党は多様とか自由とか自律とか程遠い(笑)。与野党ともに時代遅れ
 そりゃあ、こうなります↓(笑)。北尾教授が言うように『持続的な経済成長には生産性を高め、生涯所得と生産力を増やす以外に道はない』のですから。


 新年最初 の外食は虎ノ門でした。
 銀座で映画を見た後イザベル・ユペールの新作「不思議の国のシドニ」でしたがサイテーでした(怒)。名優イザベル・ユペールを使って、良くこんな酷い映画を作れた、と感心した)(笑)、お正月でもやっている虎ノ門ヒルズへ行ったのです。

 と、言っても、以前から毎月通っていた自由が丘(現在 休業中)のイタリアンの姉妹店です。
 自由が丘の店は選りすぐりの材料を『料理命』のオーナーシェフが趣向を凝らす手の込んだ料理ですが、こちらは自由が丘と同じ材料を焚火焼きにして自家製の発酵調味料でシンプルに味付けする、というカウンター形式のお店です。


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 いつもどおり、最初は泡。銘柄も自由が丘とは違います。

 お通しは発酵野菜のスープを使ったポタージュ。カリフラワーだったかな。自由が丘はコンソメでした。

 こちらは自由が丘と同じ、特殊な(笑)農園の野菜を使ったバーニャカウダ
 普通 バーニャカウダのソースはアンチョビですが、こちらは肉を磨り潰したもの。ソースも美味しいですが、野菜自体が甘いのでソース無しでも全然OK。

 カジュアルな店ということもあって、オープンキッチンの中に居るのは殆ど20代ばかりです。それでも休業中の自由が丘の店に居たマネージャーに挨拶されたりして、初めて来たような気はしませんでした。

 こちらは軽い、ネッビオーロ。エレガントです。ボクはネッビオーロが一番好き。

 アナゴの炭火焼き。上には西洋わさびとすりおろしたチーズ。こういうシンプルなものは美味しいです。下には炭火焼きのレンコン。これもうまい。

 王様シイタケという巨大なシイタケの上にサルシッチャ(ソーセージです)を載せて焼いたもの。

 ここでワインはちょっと重くなって、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ

 じゃーん。メインはです。モモとロース、異なる部位を藁で燻しています。

 それがこうなります。題して『ジンギスカン』。
 美味しい野菜と異なる食感の羊。それにジンジャーと発酵調味料のソースがかかっています。滅茶苦茶うまいし、ヘルシー。

 勿論 甘いものは欠かせません(笑)。
 こちらはこの店風にアレンジしたババ。別添えのラム酒をかけて食べます。この店に限らず、ボクはババが大好きなんです。

 もう一つ、パンナコッタ
 杏仁が入っていたかもしれない。手作り感満載の味でした。

 お正月ということもあって、お客さんは渋い年配の人ばかりでした。さすが、良い客層を掴んでいるのでしょう。
 20席もない店に中国人の子供連れが二組来ていました。ジャージに下駄ばきみたいな恰好でしたから、虎ノ門ヒルズの超億ションにでも住んでいるのでしょうか(笑)。
 共産党の政治を嫌って中国人の富裕層が日本に続々と移住しているとは聞きますけど、現物は初めてみた(笑)。

 言うまでもなく、そういう人たちは大声でベラベラ喋ったりしません。マナーはちゃんとしているし、味も判っている。
 奥さんは日本人みたいで、子供が話している言葉は日中英チャンポンでした(笑)。きっと学費が毎年何百万円も掛かるインターナショナルスクールにでも行かせるのでしょう。ちなみにインターへ子供を行かせている知り合いに聞いたら、彼女の学校では成績上位は殆どが中国人の子供だそうです。
 うーん、美味しいものを食べていても、時代の趨勢から無関係でいることはできません。