知らない人は時間をロスしている。『聴覚系脳番地』活性化が、忙しい人の才能を目覚めさせるワケ

考えている女性

「資格を取りたいのに、仕事が忙しすぎて……」
「スキルアップは必要だとわかっているけど、まとまった時間が取れない」

そんなジレンマを抱えるビジネスパーソンは少なくないはずです。毎日の仕事に追われ、気づけば1年が過ぎ去っていく——。自己投資のために使える「時間」が、どこにも見つからない。しかし、本当に時間は「ない」のでしょうか？

あなたのまわりで、着実に成長を遂げている人たちがいるはずです。彼らは特別な環境にいるわけではありません。むしろ、日常的な行動を少し変えるだけで、確実に知識とスキルを積み上げているのです。

その秘密は、「耳」の活用にあります。じつは、あなたが知らないうちに流れ去っている貴重な時間が、耳からの学習によって大きな可能性を秘めているのです。昨今、ビジネスパーソンの間で注目を集めているオーディオブックによる学習は、その代表的な例と言えるでしょう。

この記事では、「聴覚系脳番地」という観点から、耳からの学習がもたらす驚くべき効果と、具体的な活用法についてご紹介します。これを知らないままでは、あなたの潜在的な才能と貴重な時間を無駄にしてしまうかもしれません。

聴覚系脳番地が脳を鍛える——耳学習の意外な効力

「文字を目で追って読書するほうが早いんじゃないか……？」

多くの人がそう考えるかもしれません。しかし、オーディオブックサービスを運営する株式会社オトバンク代表取締役会長で『超効率耳勉強法』著者の上田渉氏によると、意外にもオーディオブックによる耳からの読書は、インプットの効率が非常に高いとされています。

具体的な数字を見てみましょう。日本語で文字を読むスピードは1分間400〜600文字程度です。対して、オーディオブックの2倍速再生なら1分間600〜700文字をインプットできます。*1 つまり、慣れれば目で読むよりも耳で聞くほうが、同じ時間でより多くの内容を学べるのです。

さらに興味深いのは、インプットの速さだけではありません。前出のオトバンクの調査によると、「耳で聴く学習が合っているビジネスパーソンは約7割もいる」ことが明らかになっています。*2

なぜ、耳から聞く行為は学習に適しているのでしょうか。その答えは、「聴覚系脳番地」という概念に隠されています。

医師で株式会社脳の学校代表の加藤氏はこう語ります。

ラジオを聴き続けることで、記憶系脳番地※において最大で2.4倍、聴覚系・理解系脳番地※において最大で2倍成長したことが明らかになり、「ラジオを聴く」という行為が、脳の成長に有益な働きをもたらしていることが実証されました。

※脳番地とは：弊社（編集部註：株式会社脳の学校）代表加藤俊徳医師が提唱する脳の分類法。左脳・右脳を合わせて約120区画に分かれている脳を、聴覚系／記憶系／思考系／視覚系／理解系／伝達系／感情系／運動系の8系統のエリアに大別する。*3

つまり、音声情報のみをインプットすることによって、脳の記憶に関わるエリアを活性化させ、脳自体を鍛えられるのです。このことからも、オーディオブックを使って耳から学ぶ行為が、非常に効果的な学習方法であることがわかります。イヤホンを装着する女性