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#20 Browser

mozaicfm:

#20 Browser

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第20回のテーマはブラウザです。

今回は @takoratta さんをお迎えして、ブラウザは今どうなっているのか、そして、その進化は Web の進化とどう関わっているのかにつて議論しました。

Guest

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  • プラットフォームロックインの功罪
  • ブラウザと標準化

沢田:サーバーサイドエンジニアの沢田です。

増井:会社では主に「シェフ」と呼ばれています。

沢田:今はサーバーサイドの担当で、サーバー側は全部Rails (Ruby on Rails)なので、RailsでAPIをひたすら書いているみたいな感じです。もともとJavaScriptが好きで、趣味でブラウザ拡張とかをいっぱい書いたりしてます。仕事としては、トレタに入る前にサーバーサイドをずっとやっていて、産業技術総合研究所、俗に言う産総研の研究プロジェクトを長くやっていて。サーバーサイドの経験は10年ぐらいです。

増井:シェフが趣味で作ったブラウザ拡張の「AutoPagerize」を使っている人は結構いるよね。あれどれくらいダウンロードされている?

沢田:Chromeのエクステンションストアみたいなところだと、ユーザー数が17万6,000って出ている。それがどういうユーザー数なのか、イマイチ分かんないんだけど。

増井:少なくとも17万ダウンロードぐらいはされているわけね?

沢田:Chrome以外にSafariとOperaとFirefoxがあって、それを足したら20万ぐらいダウンロードされてると思う。

増井:そういう意味では、JavaScriptの人としてのほうが有名だよね、世間的には。

沢田:サーバーの仕事って、表にそんなに出していないから、知っている人は少ないと思う。

考え事するとき歩き回る癖

sanographix-memo:

考え事をするときそのへん歩き回ってる人がたまにいる。どのくらいの割合でいるかは知らないけど、僕は物心ついた頃からその癖がついており、歩き回り歴20年とちょっとくらいになる。

歩くことに根拠は特になく、考えがまとまりやすい「気がする」程度なんだけど、椅子に長時間じっと座っていられない性格もあって、なんとなくそうしている。

そういえば、何度かカフェに行って仕事するのに挑戦してはみたがいまいち集中できなかった。今思うと、カフェだと気軽にうろうろできないのが原因だったのかもしれない。

ちなみに、外を散歩することはあまりない。考えが思いついたときにすぐ机に向かって取り掛かりたいので、家の中で歩きまわりたいのだ。といっても部屋の中では動ける範囲などたかが知れており、何度も同じ場所を行ったりきたりして、ペットショップの動物みたいな気持ちになる。

実家にいた頃の考え事する場所は和室で、畳の縁の上だけを歩いて部屋をぐるぐる周るといったことをやっていた。

自分もこの癖があるなぁ。だいたい同じ感じ。

広告ブロックについての私見

youkoseki:

(以下の文章はできるだけ公正に、というかどちらかというと自分へのメモとして、書いたつもりだが、私自身がモバイル広告業界で働いているので、見方にいろいろな偏りがあるかもしれない)

 iOS9で導入された広告ブロックの仕組みはすでに大きな話題になっているし、これからさらに普及していきそうだ。ユーザとしてはただインストールすれば広告が消えるわけで、すでに無料アプリもあり、導入に対する目立ったデメリットはなにもない。

 一部パワーユーザの導入に留まるという見方もあるようだが、「とりあえずこれ入れておけばいいらしいですよ」という感じで、老若男女がインストールする日も近いのではないだろうか。なんの根拠もないようなバッテリー節約アプリでさえあれだけ流行ってるのだから。

 その結果、モバイル広告業界は、検索型からディスプレイ型、ネットワーク型まで、例外なく被害を受けるだろう。いま人気の広告ブロックアプリは海外産で、日本の広告を捉えきれていないが、ほどなく国産のブロックアプリも出てくる。

 流行り廃りの激しい広告業界のこと、広告ブロックアプリの実際の普及如何に関わらず、これでモバイル広告はもうダメだという風潮が先行すれば、業界の構図は予想以上にドラマチックに変化していくのではないか。

 余談だが、広告ブロックアプリは無料で展開し、広告メディアからのフィルタリング解除のほうでマネタイズする人達も出てくるに違いない。PCの広告ブロックではすでにそういうビジネスモデルが成り立っている。

 広告ブロックアプリは、広告そのものだけでなく、各種のトラッキングツールにも影響を及ぼす。Google Analyticsはその筆頭だろうが、その他のコンバージョン計測やリターゲティングなどの広告ツール、あるいは広告に関係のないユーザの動向分析ツールまで。最悪の場合、iPhoneユーザは各種ツールで計測できない幽霊のような存在として諦めなければいけなくなるかもしれない。私のようなリサーチャーには悪夢である。

 せめてもの救いは、広告ブロックアプリがモバイルブラウザのSafariでのみ機能すること。いわゆるアプリ内ブラウザ(WebView)では今まで通り広告が機能しているようだ。とはいえ、WebViewはそもそもSafariとはCookieなどを直接共有できない、広告業界にとっては難しい場所であることには変わりない。今後アップルは、こうした部分にもブロッキングの手段を提供していくのだろうか。誰にも分からない。

 当然、Googleは自社のChromeブラウザに誘導したいだろうが、広告ブロックができないと知ってもユーザは利用するだろうか。一部の媒体は、自ら広告ブロックアプリを提供するかもしれない。もちろん、自社の広告はホワイトリストしておくのである。いずれにせよ、広告ブロックの波は拡大こそすれ、縮小することはないだろう。

 なぜこんなことになってしまったのか。アップルとグーグルをめぐる戦略的視点に想いを馳せても良いが、シンプルな回答としては広告ブロックを多くのユーザが欲していたということに尽きる。これはさらに二つの問題に分けることができる。ひとつは、悪い広告は自主的に排除されなかったこと。もうひとつは、ユーザーは良い広告からの便益さえ感じることができなかったこと。

 いつからか、モバイルの広告には、いかがわしい広告、邪魔な広告が蔓延するようになった。画面全体に覆いかぶさるように出てきて、小さなバツマークをクリックしないと消えないもの。画面の下部にひょっこり出てきて、スクロールしてもついてくるもの。かなり直截的なアダルトコミックの広告。

 私の子供はまだ幼いが、もし将来スマートフォンが欲しいと言われたら、出会い系アプリより、課金型ゲームより、いかがわしい広告が不安になるだろう。アプリや課金はコントロールできるが、広告はコントロールできないからだ。

 もちろんPCのブラウザ上にもそうした厄介な広告はたくさんあったが、より日常的に、よりパーソナルに利用するスマートフォンでは、嫌な広告はさらに嫌なものとして感じられるだろう。

 広告業界の大半の人間は、そうした広告がモバイル広告全体の価値を毀損することを認識していたはずだ。そうした広告を実際に排除するため努力してきた媒体も少なくないだろう。しかし、そうした広告を受け入れる広告ネットワークがあり、そうした広告ネットワークの受け皿となるウェブサイトがあれば、広告の流通は成り立ってしまう。

 デジタル広告業界は、今では誰もが広告主になることができて、誰もが広告を直接運用することができ、誰もが広告スペースを卸すことができるようになったが、皮肉にもこの「業界の民主化」が広告の品質を押し下げ、品質のコントロールを許さなかったと言える。

 中には良い広告があって、ユーザもその便益を受けていたはずだ。しかし残念ながら、ユーザはそれを信じない。広告が良いコンテンツを提供しているとき、人はそれを広告と感じない。たとえば、旅行の計画中に、お得な旅行パッケージのリターゲティング広告が出てきて、それをクリックし、コンバージョンが発生しても、多くの人はそれを広告と気付かないまま終わる。

 今回の広告ブロックに関する騒動でも、何人かの「パワーユーザ」が「どうせ自分は広告をクリックしないし、広告の影響を受けないから」と言っているのを目にした。はっきり言えば、そんなことはありえない。また、例えクリックされなくても、その商品のことを覚えていて、あとでコンビニで手に取ってみたり、アマゾンで注文するようなことがあれば、それは広告の影響なのだ。

 しかし多くの人はそもそも自分がネットで視界の隅に入ってくる広告に影響されているとは信じない。ある意味では広告はそれだけ自然に馴染むことができるという逆説的な証左でもある。

 結局のところ、そうした自然な広告から、誰もが嫌がる広告まで一括りにしたところ、広告とは邪魔なものだという低い水準に落ちついたのが一般の見方で、それゆえに広告ブロックアプリが歓迎されているというのが現状なのだろう。媒体ごとで品質を上げる試みはあっても、モバイル広告全体の品質を上げていけなかった、業界全体の敗北とも言える。

 今後は、広告らしい広告ではブロックされるというので、いわゆるステマ、広告を広告と明記しないような種類のネイティブ広告がさらに注目を集める可能性もある。なんだか悲惨な話だが。それとも、ステマ的なフォーマットは自動的に検知してブロックするような、よりインテリジェントな広告ブロックが実現していくのだろうか。

 月並な結論になるが、結局はなぜ広告が必要なのか、それがユーザにどのような便益があるのか、訴えていくしか道はないのではないか。いままで説明もなしに広告を置いて、それもたくさん置いて、ユーザがなにも言わないのを良しとしてきたのが、今回のいわば「反撃」を呼び込んだのではないだろうか。

 最悪な広告ばかりですみませんが媒体として生きていくためにはこうして稼ぐしかないのです、と赦しを乞うのか。あるいは適切な広告を適切なターゲティングで配信することによりユーザにも良いコンテンツを提供することができる、と胸を張るのか。

 いわゆるアドテク方向にどんどん舵を切るデジタル広告業界が、そうしたhumanizationにどれだけ力を割くことができるのか分からない。しかしユーザがブロックという力を得た以上、儲かるのであれば嫌われたままでも良いという態度では、早晩生きていけなくなるというのが、あまり楽観的ではない私の見方である。

“ところでブラウザ開発者はレンダリングの時間を DOM の遅さに数えない。なぜならレンダリングはレンダリングモジュールの仕事だから。 プロファイル結果に DOM のオーバーヘッドが見つからず困っていた開発者は純粋な DOM の遅さについて気にかけていた。 でもウェブ開発者が文句をいう DOM の遅さは大半がレンダリング由来だったりする。”

先日からお伝えしておりました通り、「livedoor Reader」は、本日12月1日よりサービス運営元がLINE株式会社から株式会社ドワンゴへと変更になりました。

それに伴いまして、サービス名称が「Live Dwango Reader」に変更となります。なお、ドメインの変更、システム移管も今後実施予定となっております。期日など詳細が確定次第、ご報告いたします。

【重要】livedoor Reader 運営元変更のお知らせ|Live Dwango Reader 開発日誌

「ドメインの変更」で多くのLDR関係のUser Script、拡張機能などが動かなくなるだろうな。その内のどれくらいが新しいLDRに対応してくるのか…。 TombfixでもExtractorやパッチなどが影響を受けるので、迅速に対応できると良いな。

2014年シングル売り上げ上位20位が酷すぎる状況に・・・ : はちま起稿

Keyboard Control for Chrome™ - Chrome ウェブストア

インターネット先生の次回作にご期待ください

youkoseki:

140文字で書けたことをわざわざ長文に書き直すのですが。

十代後半の私がインターネットに繋がったころ、というのはもう18、19年くらい前になるわけですけど、今はなきインターネットマガジンで、これからは地方の時代、みたいな特集があったはずなんです。探しても見つからないけど。

だってインターネット、すごいでしょう。電子メールがあれば仕事でもプライベートでも誰とでもやりとりできるし、ネット通販で物も買えちゃうし、面白いウェブページはたくさんあるし、もうわざわざ都会に出ていく必要なんてないというか、高知あたりで消耗せずに炎上していたほうがいいというか。いざというときは電話することだってできるわけで。

えっ、今はビデオ会議システムってのがあるんですか? 暇潰しに世界中の動画も見られるんですか? 無料で? スマートフォン? 公衆無線LAN? GitHub? Slack? もう日本中どの都道府県のスタバでもドヤ顔しながら仕事して生活できるじゃないですか。え? みんな東京にいるんですか? ナンデナンデ?


私がむかし想像してたインターネットと違うな、と思うわけです。ニコラス・ネグロポンテが「アトムがビットになる! ビーイング・デジタル!」とか言うのを信じてたんですけど。だってみんなWIREDを読んで、攻殻機動隊とlainを観て、いつかは僕もデジタルな存在としてネットに融合できると思ってたわけでしょう。ところが蓋を開けてみると、むしろアナログな現実社会がデジタルを飲み込みつつある。WIREDは中年向けのファッション誌になってる。

メリッサ・メイヤーは自宅勤務をするなと言うわけ。ポール・グレアムは投資するスタートアップをわざわざ狭いシリコンバレーに集めるわけ。フェイス・トゥ・フェイス・コミュニケーション! ネットワーキング! コネ! 日本のIT企業は六本木や渋谷に集まり、アメリカでは次のシリコンバレーは大都市サンフランシスコだとか言われてる。ミートアップ! 飲みにケーション! おつかれさまです!

私、そういうアナログさが嫌でインターネットに来たわけですけど。だってコミュニケーションや人脈がそんなに重要なら、生まれたときから勝ち組と負け組があるわけじゃん? インターネットって、そういう格差をリセットするものだと思ってたわけですけど。


愚痴るつもりはないです。たぶん。ただ、いつかデジタルがアナログを飲み込んでいくという、今となっては恐らく間違っていた理念だけは忘れずにいたい。「会って話すのが一番だよ」とか「デジタルデトックス」とか「旅に出よ」とかは言わずに死にたい。ネット世代の人間が年を食うなり突然「経験値が重要」「場数を踏め」みたいなことを言うのは本当に恥ずかしいことじゃないですか。そのアナログデータをデジタル化して次世代に残すのがお前の仕事だろうが。

まさかウェブ2.0がウェブの終わりで、ユーザージェネレイテッドコンテンツがまとめサイトのマネタイズで行き止まりになるとは思ってなかったですけど、インターネットのどこを向いても群衆の叡智はどこへ消えたんだって話ですけど、それでもこれからデジタルの巻き返しがあって、頑張れば私が死ぬころにはネットの海を彷徨えるかもしれない、と思いながら今日もネットを巡回する。みんなテレビと芸能人、予測変換の話をしている。


僕たちのインターネットはまだ始まったばかりだ!

正しく読まれない前提でブログ書く

sanographix-memo:

ブログを書き始めてから何年か経つけど、時折思うことがあって、誤解なく読者に伝えるのは難しいなぁと感じる。

以前、同人誌をコミケで売りますという旨の告知記事を書いて、Twitterとかで記事への反応調べたことがあった。で、記事に書店委託しますと書いてあるのに「欲しいけど委託しないのかな〜」とかいう反応を見かけた。

また、ブログとは違うんだけど、以前ぼくの作ったTumblrテーマがGigazineで記事になったとき、それをライブドアニュースがまとめてたんだけど、「シンプルな日記が書けるサービス」と紹介されてて、Tumblrテーマ作っただけなのに新サービスだと誤解されてた。

どちらも、おいおいもっと記事ちゃんと読んでくれよ、と言いたくなるのだけど、よく考えると自分も大抵の記事は斜め読みしていて、きっと同じような誤解を日々しているに違いないから、他人のことは言えないのだった。

だから、最近記事書くときは発想を切り替えてて、誰にでも誤解なく正確には伝えられない、そういうものである、という前提でブログ書いてる。

この前提で文章書こうとすると、例えばある文章に対して、まあきっと読者は分かってくれるだろうとは思わずに、もしかしたらこういう勘違いをさせてしまうかもしれない、と思うようになって、幾分慎重になれる。しかし所構わず警戒してしまうと、冗長で回りくどい文章になるので、この部分はちゃんと伝えたいので絶対誤解されたくない、という箇所をいくつか決めて、そこだけ特に慎重になるようにしてる。見出しをつけるとか、段落で区切ってみるとか。

ブログは、Facebookとかと違って、性質上、誰が読むか分からない。だから、どこからリンク辿って来るかの文脈も皆バラバラだし、ぼくのことを知ってる人も知らない人も読みに来る。なかには、ぼくに敵意を持つ人も読むかもしれない。そういう多様なクラスタの人々全員におれの記事を正確に読んでくれ、みたいに課すのは無理だと思っているので、ここだけはちゃんと読んでほしいけど後は適当にどうぞ、という気持ちでいる。


ところで記事とは特に関係ないけど、この本最近読んだけど面白かった。演劇とコミュニケーション教育を専門にする著者の本で、世の中いろんな考えの人がいるのだからはじめから分かり合うというのは無理で、意見を擦り合わせてみんなでなんとかやっていきましょうよ、って感じの話で、現実的で良かった。

XMLHttpRequest#responseURL について

xkansan:

今年の2月に WHATWG の XMLHttpRequest (XHR) の仕様に追加された responseURL プロパティが、先日 Firefox に実装された (https://bugzil.la/998076) のでそのことについて書く。

responseURL は XHR のリクエストに対するレスポンスの URL を文字列で返すプロパティで、リダイレクトが発生した場合は最終的なリダイレクト先の URL を返すようになっている。つまり Greasemonkey の GM_xmlhttpRequest にある finalUrl で取得できる情報と同じものを取得できるプロパティだと言える。

responseURL が XHR の仕様に追加される以前の状態でも、 xhr.responseType === "document" の場合に xhr.response.URL 経由で finalUrl と同じ情報を取得できることは 1年前に書いた通り 。ただ、xhr.response.URL と比較して xhr.responseURL には以下のような利点があると考えている。

  1. XHR で取得したレスポンスの形式によらず取得できる

    xhr.response.URLxhr.responseType が “document” の場合のみ取得可能で、その他の場合には使用できない。一方で xhr.responseURL の場合は xhr.responseType の設定によらずレスポンスの URL を取得可能になっている。

  2. 機能が実装されているかを調べるのが楽

    xhr.responseURL の場合、最近になって仕様に追加されたことから "responseURL" in (new XMLHttpRequest()); の様にしてプロパティの存在が確認できれば、その UA では機能が仕様通り実装されていることを期待できる。一方で xhr.response.URL の場合、Document オブジェクトに URL プロパティが存在するのは当然なので、機能が仕様通り実装されているかどうかを調べるにはその存在を確認しただけでは不十分で、実際に適当な URL に XHR でリクエストして調べる必要がある。

今のところ responseURL は Firefox Nightly のみの実装ではあるのだけれど。XHR でリクエストした際の URL と xhr.responseURL の比較によってリダイレクトを検出できるので、 リダイレクトについての情報を提供しない壊れたAPI と言われていた XHR が、ようやく仕様と実装を含めてまともになり始めた、と言えるのではないかと思っている。


ところで https://bugzil.la/998076 の実装担当は自分なので、「responseURL プロパティが、先日 Firefox に実装された」みたく他人事として書くのは虚偽記述法っぽい。 まあなんというか、そういう感じ。

超新星

今の会社に入るとき、きっと何かすごいことが起こるという曖昧な期待があった。何かすごい事を起こすという星としての野心と、何かすごい事に立ち会えるという星好きの希望が混じり合っていた。

去年 Blink がフォークした日、WebKit という星座の中に紛れ込もうと軌道を進めていた星の自分は身を焼かれる思いをした。天体愛好家の私は歴史的瞬間の興奮に身を震わせ成り行きをみつめた。何かちょっとした事を起こす淡い希望は燃え落ち、何かすごい事件がおきた。

閃光が去ったあと、私は落ち込んでいた。けれどそれは大星座が終わる失望だけでなく、撮り逃した決定的瞬間への落胆でもあった。フォークという決断はどのように生まれたのか。言い出した当人はどうやって周囲のステークホルダーを巻き込んだのか。何が起きたのか。いくら情報共有を徹底されたところで、空気は海を渡らない。もっと近くで見たかったのに!

そのあと半年ほどはいまいちやる気がおこらず、ぼんやりと働いた。そしてふと、バーンと引っ越したら良いかもしらんと思いたち西海岸の田舎に転勤してみた。場所を変えれば気分も変わるかな、くらいのつもりだったけれど、今思えば二つ目の落胆が背中を押したのだろう。(このへん融通が効く今の勤務先には感謝している。)

今の仕事は引っ越し前と特に変わっていない。でも前とは違う楽しみがある。いま私のいるチームは Web Components を出荷すべく色々やっている。 Web Components に対する世の中の反応は、期待もあれば懐疑もある。今はその温度を肌に感じられる。標準化の会議には家から車でいけるし、ウェブ開発者コミュニティや同業他社への売り込みにも紛れ込める。

あるいはウェブの風評をみながら同僚たちと一喜一憂する。たとえば 自分の開発している HTML Imports をあの Steve Soundersプレゼンでディスっている!しかしその批判は織り込み済みにつき最新の仕様では直してあるぜやーいやーい!すかさず誰かが Twitter で反論・・・みたいな流れは太平洋時間にいる方がリアルタイムに盛り上がれる。

この盛り上がりと仕事の進みは直接関係ないというかついった見てないで働けと思わなくもないし、多くの人にとってはどうでもいいことに違いない。むしろ自分の書いたウェブ標準やコードを四方八方からつつかれるのは結構ストレス。しんどい。それでもなお、テクノロジが生まれる瞬間を内側から見る興奮は私にとって代え難い。

緊急セキュリティアップデート

nihongo:

重大なお知らせです。インターネット全般で幅広く使用されている、暗号化を利用するテクノロジーを危険にさらす極めて深刻な脆弱性「Heartbleed(心臓出血の意)」が発見されました。これはTumblrにも影響を及ぼ可能性があります。

現在のところ侵害されたという証拠は見つかっておらず、ほとんどのネットワークと同様Tumblrチームも即刻問題の修復に取りかかっています。

これは、今まで信頼してきたロックアイコン(HTTPS)のサイトで、パスワード、個人のメール、クレジットカード情報などに不正な使用を目的とする人々がアクセスできる危険があったということを意味します。

この事態を見くびることは禁物です。仮病を使って会社を休んでも、時間を作って今まで使っていたパスワードを変更しましょう。特にこの脆弱性により影響を受けやすいメール、ストレージ、オンラインバンキングなどは特に変更の必要があります。

これからこの件についてはニュースなどでさらに取り上げられることでしょう。対策をたてしっかりと身を守りましょう。