2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧
会議の内容は、インターセックスの子どもの権利をまもるために法をどう使えるかという話。 わたしは法関係のブログをいくつも欠かさず読んでいるくらいのアマチュア法学ファンなんだけど(というか、分野に関係なく世の中の仕組みについての理論のファンとい…
映画「それでもボクはやってない」監督・周防正行氏と、糸井重里氏の対談、(1)〜(15)まで。 発言内容から、いくつかだけピックアップ。 痴漢は、もしかしたら韓国と日本だけの犯罪かもしれない。 エレベーターのドアが開いても、女性が1人で乗っていたら、…
ひきこもっている人の一部が、監視カメラの熱烈な支持者であるのは、こうした理由だと思う。 自分の存在を社会的に承認してもらう機会は、「犯罪をしていない」という消極面にしかないが、それについては絶対的な自信がある、と*1。 しかし、「何が犯罪的な…
とにかく観にいってよかった。 「証拠がない」ことの理不尽さ。 事情をよく知らないまま、力のない状態に追いやられることの怖さ。 このブログをご覧くださっている方々と、ぜひ話題共有したいです。 公開期間がそろそろ終わってしまうようなので、お早めに…
小田晋氏は、自己愛的な若者が心底憎いのだと思う。 その憎悪を小田氏が持つのは仕方ない。 問題は、それが権力として機能してしまうこと。(多数だったり医師だったり) 「病気として治療すべきである」という話と、「正常であるくせに病気のフリをするから…
シニカルな人がどういう言葉の使い方をするかを如実に示しているので、長いがそのまま引用する。(強調は引用者) 三浦: 小田さんはニートの問題は今後、どういうふうに発展してゆくと思っていらっしゃいますか? 小田: 有効求人倍率が一倍になったという…
小田: でも、やはり地域共同体は重要だと思うんですよ。 (略) ニートの連中に関しては、準拠集団をつくらなきゃいけないし、準拠集団をつくるのをいやだと思わないようなオリエンテーションを与えていくべきだと思います。 準拠集団の自発的形成を模索す…
小田: ぼくが共同体の価値の回復を言いたいのは、たとえばこういうことがあるからです。 (略) NHKの「ふるさとの伝統」を主題としたドキュメンタリー番組。 田舎でいまでもお祭りの習慣が残っているところで、そのお祭りを受け継ぐように大人たちが子ども…
三浦: (全共闘の)頃にいちばん流行っていたのは「オルグするにはデモに連れていけばいい」ということだった。 まずデモに連れていく。 説明なんて抜きですよ。 デモに行って、向こうに機動隊が見えて、わっと機動隊に追いかけられれば、つぎの日からもの…
三浦: ヴィジョンをはっきり提示できなくとも、駄目なものは駄目だということをはっきりさせなくちゃいけない。 小田: ぼくはシニカルですからそこまでは言えないんです。 自分を「シニカル」といいながら、 キャンプによる野外学習については*1、次のよう…
小田: とくに父親の存在が問題になる。 レヴィ=ストロースのいうところの「冷たい社会」*1、近代化以前の社会では父親は子どもにとっては雇い主であり教師であるわけです。 農業や漁業とかがそうですね。 たとえば歌謡曲で家族らしい家族を歌うときは、北…
小田: 「自己実現病」「自分探し病」といえるかもしれませんが、要するに特別な生き方をしないと生きている価値がないという考え方です。 情報化社会の生んだ病理です。 自分の存在価値を自分の情報化によって決めるという発想はクリストファー・ラッシュが…
三浦: 「心の病の現在」で一貫して小田さんが主張しておられることは、個人の精神病理が自己像の問題と密接にかかわっているのと同じように、社会の精神病理もまたあるべき社会像に密接にかかわっているということです。 あるべき社会像をはっきりさせない…
小田: あのころの新左翼思想は、労働者と農民に依拠して革命をなそうとした。 ところがいまや労働者も農民も・・・・ 三浦: 貴族になっちゃった。 小田: そう、中産階級になっちゃった。 革命の原動力にはならない。 したがって、その中には入らないホー…
小田: ぼくは、精神医学は人々の安全を保障し、人々に安心を与えるための技術だと思っているんですが、それがそうは簡単に思えなくなった。 (略) 首つりの足を引っぱるような世紀末思想が蔓延した。 三浦: それは今でもあると思いますよ。 精神医学は人…
小田: 石川弘義さん*1が、一九八〇年頃、自己愛性人格がとても増えているといっていました。 自己愛性人格というのは現代人のひとつの適応パターンだというのです。 自己愛者は、自分の才能とか魅力とかに誇大な幻想をもっていて、それが傷つけられるのを嫌…
小田: 子どもが成人しても親に寄生すること、いわゆる「パラサイト・シングル」をもっとも許容するのが日本です。 低いのがアメリカです。 アメリカでは、かなりの富豪でも思春期をこえた若者がうちにいると父親が自立を促します。 場合によるとピストルを…
小田: ぼくは現代の日本の精神病理のひとつの特徴は「水増し正常化」にあると考える。 精神病理の核心が薄らいでいって、たしかにここの症例も薄らいでいっている。 (略) 三浦: 「水増し正常化」というのは衝撃的な言葉ですね。 異常と正常の境界が曖昧…
発売は2006年4月。 この特集自体は本当にひどいものだが、議論の雛形を示す資料として、以下のインタビュー(というか対談)を大まかに見ておく。*1 ニートは労働問題ではない ――「自分探し病」という罠 小田晋×三浦雅士 このやり取りでは、『ニート ひきこ…
私が観ながら独り言を怒鳴ってしまった『アカルイミライ』の監督、黒沢清氏がゲスト。 podcastingで、すべて聞けるようになっています。 映画 『叫』――とにかく怖いらしい。 ぜひ観に行くつもりです。 「Part5(外伝2)」、リスナー「とっくり侍」さんの投稿よ…
コメント欄まで含めて。
特集: 「格差」時代の自治体の役割 「無業者問題 〜自治体に何を期待するか ひきこもり問題を中心に」 として、寄稿させていただきました。 【追記】: 同誌2004年7月号には、永冨奈津恵「ひきこもり支援の現状から 〜今、自治体に求めたいこと」が掲載され…
普通、われわれは、こう信じている。 チャレンジャーの乗組員が死んだのは、爆破の瞬間だった、と。 だが、実際にはそうではなかったのだ。 宇宙飛行士たちが死んだのは、乗員キャビンが海面に叩きつけられたときだったのである。 彼らを乗せたキャビンは、…
「当日の講演資料」(講演者ご本人のブログ) レポート全文をコピー&ペーストでメールに落とし、色を変えながら熟読。 東氏のアップされている当日資料もわかりやすく勉強になる。 働かない、働きたいけど働けない そういう人が居る 近代では無理やり働かせ…
「こういう場合には、〜〜するべきなのに」という共通了解は、人によって、世代によって、まるで違っている。 後期近代の「島宇宙化」がもたらす帰結の一つは、お互いの礼儀を尽くした作法がお互いを不愉快にするということだと思う。 場面場面で自分を演じ…
既存の意識化のロジックに支配された場では、私は自分のフィールドを立ち上げることができない*1。 自分の努力が維持されない。 社会化のための「約束」のフィールドは、基本的に私を拒否している。 言葉を組織できずからっぽのまま人の間にいるのは、本当に…
症候的に反復される強迫的な空虚は、文字化のオブセッションとかかわる。 前提を文字化せずにいられないために、暗黙の共通了解を破壊してしまい、繰り返し反感を買う。 自分を解体するロジックが違う。 つまり、倫理的な模索のスタイルがちがう。
意識のかこつアリバイに耐えられない。 そのことは、震災時の《享楽》と関わる*1。 痛みが関係を立ち上げるべきなのに、日常が痛みを抑圧している。 日常というナルシシズム。 消費しあいっこのフェティシズムが維持する*2。 *1:【参照1】 【参照2】 *2:ブロ…
私は、「人間関係のための暗黙の共通了解」を維持するのが極端に難しい。 しかしそれが逆に言えば、関係性のロジックを分節化するオブセッションにもなっている。