タイトルの通りです。自分とは違う投票行動をした人を尊重する。
※暑中お見舞い申し上げます
選挙の後は、他人の投票先をくさすコメントをネット上ではしばしば見かけるんですよね。私の観測範囲だと、東京都知事選挙、大阪府知事選挙(最近は大阪市長選挙もセット)なんかは鉄板で、「あんな○○な候補に投票するなんて、東京/大阪の人間は○○だ」みたいなコメントは毎回見かけます。
今回の選挙でも、「自民党/野党に投票するなんて○○だ」というのもあれば、特定の候補者に投票したことを「頭が悪い」「民度が低い」としているのも散見しました。Twitterでちょっと検索すると、大量にRTされているものがありますから、この種の行動をする人は一定数いるのでしょう。
私自身はこれまでにも書いてきた通り富裕層であるため、自民党に投票したほうが良いのだけれど、自民党の最近のやり方は適切ではないと考えているため、野党に投票するという投票行動をし続けています。投票先の多様性を意識して、女性候補者の多い野党を選ぶインセンティブがあるというのもある。
私は野党に投票したけど、与党に投票した人をくさすことはしません。
くさしたところで、他人を変えることはできないですしね。むしろ、バカにされたことで反感を持って、余計に考えを変えないというのが自然だと思います。逆効果。
あとは、他人の言動というのを原則的に尊重するようにしていますし。感覚的には、自分が好きではないエンタメ作品を支持する人を尊重することや、自分の子どもたちを無条件に受け入れるのと同じですね。
ただ、犯罪行為やいじめ・DV・ハラスメントを含む暴力、そして、他人の表現の自由を制限しようとするような言動(例えばヘイトスピーチ)は許容しません。その意味で、他人の投票行動をくさす発言までは許容するけど、「民度が低い」というところまで至ったものはヘイトスピーチに限りなく近いように認識します。
私の理解では、他人の行動をくさすのは、他人の行動によって自分が攻撃されたと思うときにやりがちだと考えています。エンタメで、自分とは違う推しのキャラやアイドルを持つ人を攻撃するのは、自分が推しているキャラやアイドルが否定されている感じがきっかけですよね。あれに近いなと。
政治の場合は、自分の考えとは違う党に投票することは、まわりまわって自分の不利益になることはありますから、余計に他人の投票によって自分が攻撃されたという意識が持ちやすいのはあると思います。消費税増税とか、分かりやすい。
いつも書いている通り、加害者の被害者意識にも近い。他人をバカにした時点で加害者になっているけれど、本人は被害者のつもりで他人をバカにしている。
繰り返しですが、ヘイトスピーチに辿り着かない範囲で、他人の投票行動をくさすことを私は許容します。ただ、その目的が他人の投票行動を変えさせることであればあまり上手い方法ではないと考えているので、例えば、エンタメ作品でやるように、自分の推しをアピールするような方向でのやり方が得策ではないかと勝手ながら思う次第です。
そもそもでいえば、私は投票する人をもっと増やすのが大事だと考えているので、選挙の楽しさは、微力ながらこれからも書いていきます。自分の一票が効く(かもしれないと考える)のは楽しいので、当落上の候補に投票するのはお勧めです。
以上です。
いよいよ本格的に夏休みが始まり、親御さんの中では苦労されている方も多いと思います。皆様、ご自愛くださいませ。
追記
同じタイミングでphaさんが選挙のことを書かれていて、当落線上の候補の扱いをどうするかが面白いことを触れられていました。せっかくなのでリンクしておきます。
今回の選挙が楽しめたのはいくつか要因がある。
まず、候補者にこいついけすかないな、通ってほしくないな、というやつがいて、その人が当落線上にいて、通さないためにはどうしたらいいかを考えたら、自分の投票にも価値がある感じがしたこと。
あと、私がいつもラジオを聴いている荻上チキさんも、Twitterで、
東京は六人区。僕は、トップをひた走る数人を除けば、武見、塩村、山岸、音喜多の「誰に落ちてほしいか」は決まってる。だからこそ考えて投票しないとなー。明日の情勢分析みつつ、「6位争いしている人のうち、滑り込ませたい方」に投じる予定。 https://t.co/u9qcCLwQlu
— 荻上チキ (@torakare) July 19, 2019
こんなTweetをしてました。東京は4人が3つの議席を争うというのははっきりしていたから、通常以上にexcitingだったかもしれませんね。