労基法が淡々と改正するよ
社会人なら必ず知っておくべきたったふたつの労基法改正
2010年4月1日から一部改正された労働基準法が施行されます。これによって、仕事のあり方が大きく変わる……かもしれないということをみなさんご存知でしょうか?(知った顔してますけど今さっき知りました)
なにが変わるの?
なにが変わるかは以下のとおり。
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
(中略)
第三十七条第一項中「ない。」の下に「ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」を加える。
(中略)
○4 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。
一 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
二 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)
三 その他厚生労働省令で定める事項
(以下略)
か、書いてる意味わかんねー
で、どういうこと?
要約すると、主にこういうことが書かれています。
- 労働者の声「残業を減らしたいんや……。」
- それじゃあ1ヶ月で残業時間60時間を超えたら賃金割増し!
- 労働者の声「有休をちゃんと使いたいんや……。」
- それじゃあ時間単位で有給休暇が取得していいよ!*1
ここがわかりやすい↓
厚生労働省:労働基準法が改正されます(平成22年4月1日施行)
残業減るし、有休使えるし、最高ですね!!!!
で、実際どうなるの?
まあ正直、そんなカンタンに残業減るかっつう話なんですけれども、実際はおそらく中小企業では「適用猶予」となっており、今すぐに労働環境を変えろという話にはならないので劇的な変化は望めないかと。大企業ないし労基法改正分を適用する中小企業については、まず「残業減らせ!」の合唱になるかと思います。そんなすぐに仕事を減らせるわけではないですから。
ただ、逆に捉えれば、周りの空気を気にせずがんがん残業してしまえば残業代をガッポリもらえますし、その上で時間単位での有休を取得すれば昼間からブランデー片手にシャム猫をかわいがる、みたいな優雅な暮らしもやろうと思えばできますので、そのあたりは各自うまいことやればいいと思います。現実的には難しいですけど。
労働基準法についてとてもカンタンに理解できる本
どちらもオススメの本です。今回の法改正にも対応していますので、要チェックです!
最新 知りたいことがパッとわかる 改正 労働基準法がすっきりわかる本
- 作者: 多田智子
- 出版社/メーカー: ソーテック社
- 発売日: 2009/11/11
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 107回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: 石井孝治
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2007/11/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 14人 クリック: 316回
- この商品を含むブログ (66件) を見る
ケーススタディ:とある大企業の端くれの場合
ちなみにぼくが所属する会社は大企業の端くれみたいな会社ですが、去年の後半あたりから早々に「残業は抑えましょうねー早く帰りましょうねー」といった上からの圧力が徐々にかかってきています。あーおそろしい。
ウチのようなSIerは「システム=人件費」みたいなものなので、抑えれば抑えるほど経営的には良くみえるわけですが、現実はそう簡単ではなく、システムの品質を上げる為の人件費は「コスト」ではなく「投資」だったりするので、コストを削減さえしておけばよいというわけでもないのが難しいところ。銀の弾丸が転がってないか、経営陣は必死に探し回っております。
少し脱線しましたが、将来的にはどの企業においても確実に影響を及ぼす法改正ですので、4月度の給料明細とともによーくチェックしておきましょう。
*1:ただし1年に5日分まで