師匠!

 昨日は師匠のところにご挨拶に行ってきた。なにしろ右手が不自由なんで電車を乗り継いで行くのに不安があった。でも、履きなれたスニーカーで、荷物もiPadも持たず、いつもなら鉛筆やフリクションボールペンを何色か鞄に入れていくんだけど、シャーペン1本だけにして、鞄を極力軽くした。

 それでもね、右手を自由にすると人や電車内のものに接触すると、これまた痛いし悪化させてもいけないので、首から太めのベルトで右手を釣るようにして出かけた。「ゴルゴ13が胸元の銃を出す直前のような恰好だ」とお仲間に言われましたが、包帯を巻いた手を晒すのもなんですしね(笑)。

 で、お邪魔をしたのが呉智英さんのお宅。プロフィールでは評論家を名乗っておられるが、そんな生易しいものではない。マンガ研究の第一人者であり、知の巨人であり、封建主義者であり、今孔子と言われる呉智英夫子。これはご著書にも記述があるので書いてもいいと思うけど、御年78歳になられる。「もうそこいらじゅうが悪いんだ」と自嘲しながら言われるが、10年前とまったくお変わりなく、年齢を感じさせない。肌の艶はいいし、名古屋市内ならどこでも自転車で走って行かれる元気さ、スリムで背筋の伸びた体形、うらやましい限りでございます。

「頭がボケてきた」とも言われるが、ず~っとボケ続けているワシャと比べれば、「罪と罰」の登場人物がスラスラと出てきたり、10月にお亡くなりになられた楳図かずおさんの話などは聴きごたえがあった。

 さっそく呉さんが絶賛する『わたしは真悟』をさっそく購入して読むことにする。さらに、呉さんが楳図かずおへの追悼文を雑誌『フリースタイル』第62号に出されているのでそちらも購入しなければいけない。

 おっと、そろそろ病院に行く時間になってしまった。

 それでは呉先生のありがた~い話は続きとします。