アクセンチュアと野村総合研究所、両方で内定が出て迷ったらどちらに入社すべきか?
野村総合研究所(NRI)とアクセンチュアは併願する人も多く、どちらかも内定が出る人もいると思います。
両方内定が出た場合はどちらの会社に行くのがいいでしょうか?
どちらも一長一短で、その人の価値観次第です。
両社ともに給料が高く、野村総合研究所の場合はクビになることはないため、30歳まで会社に辞めなければほぼ確実に年収1000万円は超えます。
アクセンチュアは生き残れば20代で年収1000万超える可能性も十分にあります。
では、どういう価値観の人がどちらの会社に合っているかを見ていきましょう。
雇用リスクを気にする人、クビになりたくない人
雇用リスクを気にする人は野村総合研究所(NRI)に行きましょう。
NRIは基本的に社員をクビにしない会社です。
よほどのことがない限りは雇用を守ろうとします。
「よほどのこと」というのは犯罪を犯すとかそういうレベルであって、「仕事ができない」とか「勤務態度が悪い」くらいではクビになりません。
アクセンチュアはあっさりとクビを切られます。
ハードワークしなければ見捨てられます。
黙っていても仕事が振ってくるわけではなく、積極的に手を上げてプロジェクトに参画し、貢献しなければ居場所がなくなります。
なので、元々IT知識がない文系出身の方などは初めはNRIに行って、ある程度仕事に慣れてからアクセンチュアに転職した方が無難だと思います。
文系は最初は苦労しますから。
自分に自信がある人、年功序列が嫌な人
NRIもアクセンチュアも、受けるような人は自分に自信がある人でしょうが、その中でも「俺はダントツで優秀に違いない」「どこまでも頑張れる」「自分を試したい」という意気込みがある方はアクセンチュアに行きましょう。
自分次第でどこまでもチャンスがあります。
アクセンチュアでは年齢に関係なく、実力次第で大きな仕事に取り組むことができます。
NRIは年功序列の会社です。
年次で仕事を判断される傾向があります。
「◯年目だから体制図上ではこのポジションにしよう」
といった判断がなされがちです。
オープンワークでは「NRIは若いうちから裁量が大きい」などと書く人がいますが、たくさん残業して大きな裁量をもらった気になっているだけです。
基本的にはプロジェクトマネージャーの計画に従って、協力会社のメンバーに仕事を振るのが若手の業務です。大きな仕事とは思えません。
なので、若いうちからチャンスを掴みたい!成長したい!という人はアクセンチュアに行きましょう。
モダンな技術に興味がある人
技術志向の人には両社ともおすすめはできません。どんな技術を使うかはプロジェクト次第だからです。
技術が好きな人は確実にモダンな技術に携われるウェブ系企業に行きましょう。
どちらかで選ぶならば、アクセンチュアの方が圧倒的にデジタルで成功しています。
中途採用が多いため、良い意味で会社の外の文化が社内に反映されていきます。
また、デジタル分野で成功した企業を買収し、自分たちの「手の内化」しようと試みているため、プロジェクトによっては最先端の技術に触れることができますし、 自分で手を動かすこともできます。
開発スタイルはアジャイルがメインで、開発環境もモダンなツールが揃っています。
リリースも自動化され、ソースコードは当然Gitで管理され、VueやReactのようなフロントエンドのフレームワークや、Firebaseなどを使ってサーバレスの開発にチャレンジするプロジェクトもあります。
一方、NRIはデジタル化を自分たちでやろうとして、失敗しています。
そもそも生え抜きの社員にはモダンな技術の知見がなく、外の人に対しても開かれていないため、現代の知見が社内に還元されていません。
完全なるガラパゴスの中で、謎の社内フレームワークや謎の社内バージョン管理システム、テストを自動化する平仮名の社内ツールを使っていたりします。
これらの社内システムを使った経験は、他社では全く活かせません。
新卒至上主義の社風も悪弊の一つです。
社外と隔絶された環境で、古くなった自分たちの開発スタイルやツールに気づくことができないでいます。
プロジェクトによってはCOBOLのおもりをさせられるケースも多く、モダンな技術を身に付けるのは非常に難しい、相当な運ゲーであると言わざるを得ません。
「テクニカルエンジニア枠」で入社した人も同じです。
古いシステムのおもりをする人は一定数います。
そういうプロジェクトに当てられた場合は、新しい技術など当然ありえないわけで、古い価値観、古い考え方、時代遅れの知識しかないプロジェクトマネージャーが作ったプロジェクト計画書に従って、化石を見守る仕事で一日を潰します。
技術に関われる数少ない部署は、NRIデジタル、NRI福岡、クラウドなんとか部です。
そこ以外に配属された人は技術的なスキルを身につけるのは厳しいでしょう。
「DX」と名前のついた部署が乱立していても、やっている内容はCOBOLだったりします。
市場価値を高めたい人
市場価値を高めたい人はアクセンチュアに行きましょう。
ひっきりなしに中途が入ってくるので、否が応でも市場価値を意識させられます。
人は転職を経て、自らの市場価値を意識するものだからです。
アクセンチュアでは、自分にはどんなスキルがあって、どんなバリューを出していけるのかを常に意識して、社内でもアピールしていかないと居場所がなくなります。
「何ができるか」を意識するということは、職務経歴書に書けるような経験につながるということでもあります。
NRIの場合は、転職市場で評価してくれる会社ももちろんありますが、他社で流用できるような「専門性」は身につきません。
中にいる人も「市場価値」などというものは意識していません。
年功序列・終身雇用を前提に、社内でどんなポジションを得ていくかが主な関心です。
「◯◯さんは◯◯MMの大規模プロジェクトのPMをやってきた人だ」
とか、どれだけ大きな工数のプロジェクトマネージャーをやったかで評価されます。
それらは「めぐり合わせ」や「運」に左右される要素が大きく、またプロジェクトマネージャーをやったからといって他社に流用できるスキルが身につくわけではありません。
誰がやってもプロジェクトは炎上しますから。
「やったぜ」と言えるだけです。
転職市場で評価されたい人
どちらの会社でも転職サイトに応募したら「ハイクラス」として大量のスカウトメールが届きます。
どの業界に転職したいかにもよりますが、同業のシステムインテグレータへの転職は比較的容易です。
ただし、年収が下がる可能性の方が高いでしょう。
年収を上げて転職するパターンは、最近ではほとんどの人が外資ITへの転職です。
AWSやGoogle Cloudチームへ転職する人が目立っていますが、年収を上げたい人の行き先はだいたい外資ITというのは覚えておきましょう。
一部、コンサルティング会社へ転職する人もいます。
ウェブ系に転職する人もいますが、ほぼ確実に年収は下がります。
転職市場でより評価されるのはアクセンチュアです。
というのも、アクセンチュアではプロジェクトごとに「何をやったか」「どんなバリューを出したか」を評価されるため、それがそのまま職務経歴としてアピールできるからです。
社内での価値を意識することが、転職市場での価値につながります。
NRIでは社内での評価と転職市場の評価はかけ離れていて、形式的な社内評価とドライな社外評価は結びつきません。
また同じプロジェクトに5年、10年と居座り続ける人も多く、経験の幅が広がらないのも注意が必要です。
保守・運用・エンハンスといって、古いシステムのオモリを延々とさせられます。
そのシステムに限り、業務知識に詳しくはなりますが、他で全く応用がききません。
異動で無価値になるような一部分でのエキスパートになります。
つまり、転職市場で評価されるような人材にはなりにくいです。
どちらもハードワーク、残業多すぎ
NRIにいこうとアクセンチュアに行こうと、どちらも残業時間は異常に長くなります。
19時に帰ると早帰り。
20時に帰るときも「お先に失礼します」
21時以降に会社を出たらまぁ許されるかな、という感じです。
大事な話を20時以降の残業組でし始める文化もあり、早く帰りたい人にはとにかく不利な会社です。
日中はひたすら会議しているのも残業の原因です。
平日のプライベートを充実させたい人はどちらの会社にも行かないほうがいいです。
合コンでのネームバリューは高いので、マッチングアプリではモテるかもしれません。
どちらの企業の人の当たりが強く、ストレス耐性が必要です。
アクセンチュアでは中途採用の質問でストレス耐性に関する内容が必ず聞かれます。
日中ずっとストレスフルで、夜遅くまで明かりが灯るような環境に余裕で耐えられる人でないと、出社が嫌になるでしょう。