登録日:2025/02/14 (金曜日) 14:46:01
更新日:2025/02/16 Sat 00:38:31NEW!
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デイノニクス(Deinonychus)は、前期白亜紀に北アメリカ大陸に生息していた竜盤目コエルロサウルス類ドロマエオサウルス科の小型肉食恐竜。
誤解されやすいが、ディノニクスではなくデイノニクスが正しい。小さい「ィ」じゃなくて大きい「イ」である。スペルを見れば分かりやすいか。
▽目次
◆概要
1964年に古生物学者のジョン・オストロムによって発見された、ヴェロキラプトルと並んで小型肉食恐竜の代名詞のような恐竜。
実はそれよりも前の1931年に古生物学者のバーナム・ブラウンが同種を発見し、非公式に「ダプトサウルス」と名付けていたのだが、後にオストロムが発見して「デイノニクス」と名付けた化石と同種と判明したため、「デイノニクス」に統一された。
一時期はデイノニクスはヴェロキラプトルの一種と考えられていたが、現在では否定されている。
全長は約3.5メートル。まあまあ大きく感じるが、あくまで尻尾を含めた長さであり、高さは成人の腰ぐらいしかない。大型犬ぐらいのサイズ感だと考えればだいたい合ってる。
身体的特徴などからジョン・オストルムが「恐竜恒温説」を唱え、いわゆる「恐竜ルネッサンス」と呼ばれる変革のきっかけとなった恐竜である。
発見当時は恐竜は現生の爬虫類と同じく変温動物だと考えられていた。しかし、デイノニクスはその骨格などから、活発かつ俊敏に動いて獲物に襲い掛かる肉食恐竜であることが予想され、「変温動物ではそのような動きを行うことは難しい」→「じゃあ恒温動物だったんじゃね?」という説が興った。これが恐竜ルネッサンスである。
「恐竜には羽毛があったのか?」という論説に関し、このデイノニクスにはほぼ間違いなく羽毛が生えていたとされている。
こいつ自身に直接そういう証拠があった訳ではないが、こいつに近い種であるミクロラプトルには現生の鳥のような正羽の痕跡が見つかっており、同様に近縁種であるヴェロキラプトルやダコタラプトルにも羽毛が生える部位が発見されている。
そのため、デイノニクスにも羽毛が生えていたであろうというのが現在の学説である。
上記の通り、デイノニクスは恒温動物であった可能性が高く、羽毛が生えていたという説もそれを補強する情報となっている。
最大の特徴はなんといっても後ろ足の人差し指についた大きな鉤爪。俗にシックルクローと呼ばれる。
学名の Deinonychus はギリシャ語で「恐ろしい爪」という意味であり、このシックルクローが由来になっている。
鋭さや大きさもさることながら、指の可動域も広く、かなり自由に動かすことができた。
これに加え、前足にも鋭い爪を持っており、それらを使って獲物を狩ったり、崖や木などに引っかけてよじ登ったりしていたらしい。
ちなみに、シックルクローはネコの爪のように収納でき、自由に出し入れすることができたようだ。
◆生態
テノントサウルス一体の周りに複数のデイノニクスが集まった化石が発掘されていることから、群れを作って狩りを行うと考えられている。
テノントサウルスは全長約7メートル、体高も3メートルはあるので自分たちより二倍以上大きな大型の獲物にも襲い掛かったことになる。
しかし、近年では「集団で一匹の獲物を襲ってたにしては妙に返り討ちに遭ってるのが多くない?」「こいつら年齢で食べる餌が変わってるっぽい……?」といった理由から実は集団で狩りをする訳ではないのではないかという説が浮上している。
シックルクローを使用した狩りの方法は諸説あり、おもに「シックルクローで獲物を直接切り裂いて狩りをしていた説」と「直接攻撃に使っていたのではなく押さえつけるために使っていた説」の二種類がよく議論されている。
後者の説は実験によってシックルクローが想定されていたよりも鋭くなく、斬るのに適していなかったという結果を基に立てられた説だが、その後の研究によって当時の実験の内容に含まれない要素によって鋭さが再確認されているため、結局どちらが正しいかははっきりしない。
他にも、攻撃方法も引っ掻いて斬撃武器として使うパターンと獲物に突き刺す刺突武器として使うパターンなど、デイノニクスに関する議論は数多く、未だ確定はしていない。
◆フィクションでのデイノニクス
前述の通り小型肉食恐竜の代名詞とも言える恐竜で、集団で素早い動きで獲物を襲う姿がよく描かれる。
1976年に発表された『デイノニクス編』(アニメでは'79年版21話『永遠に眠れ 恐竜デイノニクス』)で登場。
しかしその正体は…。
- 古代王者 恐竜キング
「2006年冬季限定 ディノラマバージョンII」にて最高の強さである強さ2000の恐竜にして、初のシークレットカードとして収録された。
こちらはディノニクス表記となっている。
過去にピクルが見たことがある恐竜として登場。
武蔵との戦いの際にその俊敏さと鋭い斬撃を思い返し、「奴らはT-REXのように大きくも強くも無かった、だから死体を力づくで奪い取ることはせず、生きている獲物に全力でぶつかっていった」と回想している。
- ゾイドシリーズ
小型肉食恐竜型ゾイドといえば長年ヴェロキラプトルやアロサウルスが主流で、デイノニクスに日の目が当たることは中々なかったが、『ゾイドワイルド』で遂にデイノニクス種のギルラプターが登場。
シックルクローを模した背中の爪「ウイングショーテル」で敵を斬り刻む「瞬撃殺」が必殺技。
ライバルキャラのドレイクの相棒として、物語を通して活躍した。
更に、次作『ゾイドワイルド ZERO』では一時的ながらメイン悪役フランク・ランドが搭乗し、第3作『ゾイドワイルド戦記』ではカスタムタイプのギルラプターLCがゼノレックス登場までの繋ぎとして序盤の主役機を担当、と、シリーズを通してかなりの好待遇であった。
- デジタルモンスターシリーズ
恐竜型デジモンの究極体の一種に「ディノレクスモン」が登場している。
名前と設定から察するに、モチーフは「デイノニクス+T-REX」か。
後ろ足から伸びる長い鉤爪が特徴で、究極体デジモンとしては比較的シンプルな恐竜らしい造形をしている。
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▷ コメント欄
- 時代考証を無視していい作品だと、ポジションを割とヴェロキラプトルに取られがちな印象 -- 名無しさん (2025-02-14 16:37:23)
- ↑ 小型肉食恐竜と言えばデイノニクスで育った世代なので、ジュラシックシリーズはその点が許せぬ -- 名無しさん (2025-02-14 16:50:55)
- ジュラシックシリーズの真ヴェロキラプトル -- 名無しさん (2025-02-14 16:56:44)
- ゾイドワイルドではギルラプターとして見事ライバルに就任した上に戦記では序盤の主役機まで担当する破格の好待遇 -- 名無しさん (2025-02-14 17:02:19)
- 中型犬サイズのヴェロキラプトルがやたらデカく描かれがちなせいで出番がない -- 名無しさん (2025-02-14 17:59:15)
- 成体と幼体で食生活が全然違うのは親が給餌せず子供は最初から独立して生きているからだっけ。まあ少なくとも統率の取れた群れを作ってる感じではなさそう -- 名無しさん (2025-02-14 18:14:19)
- どっちかっていうとポジション的なライバルはユタラプトルじゃないかって気がせんでもない、こっちはジュラシックパークのラプトル系より一回りデカいし -- 名無しさん (2025-02-14 19:08:27)
- デイノスクス(ワニ)ではない。 -- 名無しさん (2025-02-14 19:21:11)
- 昔持ってた図鑑でやたらダイナミックでかっこいいポージングで印象に残ってる -- 名無しさん (2025-02-15 01:18:25)
- ラプトルは本来七面鳥サイズなので、ジュラシックパークのアレはデイノニクスかユタラプトルのような大型のドロマエオサウルス類と思われる -- 名無しさん (2025-02-15 07:59:49)
- デイノニクスやヴェロキラプトルのお陰で、ドロマエオサウルス科の恐竜は総じて現生のイヌ科動物特に(狼やリカオン)みたく高度に統制された群れで狩りするイメージが定着してるけど、最近の研究だと現生動物なら狐やコヨーテ、もしくはイタチ科動物に近い地位くさい。 -- 名無しさん (2025-02-15 14:30:09)
- サメやワニみたいに一つの獲物にどっと群がるタイプの群れのようで -- 名無し (2025-02-15 15:03:25)
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