グーグルのサーヴィスは“無料”で使い続ける:「15GB制限」を超えないための3つのステップ

Gmailに代表されるグーグルの個人向けサーヴィスは、ストレージ容量が15GBまで無料で利用できる。この制限を超えずに無料で使い続けるには不要なファイルを削除することになるが、これを効率よくこなす便利なワザがある。Gmail、Google ドライブ、Google フォトそれぞれについて、手順を伝授しよう。
Googleサービスを無料で使うための3原則:15GB超過の対策は?
SEAN GLADWELL/GETTY IMAGES

Google アカウント」を新規作成すると、15GBのクラウドストレージが無料でついてくる。この容量は「Gmail」「Google ドライブ」「Google フォト」という主要な3つのサーヴィスで共有することになり、15GBの制限を超えると「Google One」の有料プランに登録する必要が生じる。料金は月額1.99ドル(日本では250円)でストレージ容量100GBのプランから用意されている。

だが、この無料ストレージを賢く利用したり、クラウドに保存しておく必要のあるファイルが大量になかったりすれば、無料で割り当てられる15GB以内に収めることは可能だ。そのための手順とコツはGmail、Google ドライブ、Google フォトでそれぞれ少し異なるので、以下で簡単に説明していこう。

なお、グーグルのサーヴィスで使用中の容量を知りたい場合は、こちらのページにアクセスしてGoogle アカウントにログインしてほしい。

ちなみに、仮に15GBの制限を超えるようなことがあっても、ファイルがいきなり消えるわけではない。新しいファイルを追加できなくなるだけだ(グーグルによると、Gmailではメールを受信できなくなることがあるという)。そこからファイルを追加するには空き容量を確保するか、Google Oneの有料プランを利用する必要がある。

1: Gmailで不要なメールを効率よく削除

メールは一つひとつのサイズが大きいわけではないが、何年も使っているGmailアカウントの場合はまとまった量になっているかもしれない。これを片付けるひとつの方法は、古いメールを探し出して消去することだ。

Gmail上部の検索ボックスに「older_than:1y」と入力すると、1年以上前のメッセージを見つけることができる。「1y」(1年)の数字を変更できるほか、例えば「older_than:3m」(3カ月以上前)、「older_than:6m」のように、m(月)でも指定できる。

この「older_than」で古いメールを絞り込んだら、メールリストの上の左側にあるボックスをクリックしてすべてを選択し、「この検索条件に一致するすべてのスレッドを選択 」をクリックする(検索結果が少ないと後者は表示されないかもしれない)。「削除 」ボタン(ゴミ箱のアイコン)をクリックすると、選択したメールが消去される。あるいは「ゴミ箱」フォルダに移され、30日たったら消去される。

Gmailの機能を活用して、重要でないメールを判断できる。GMAIL VIA DAVID NIELD

添付ファイルのサイズが大きいメールがGmailの受信箱で大きな容量を占めていることもある。検索ボックスに、例えば「has:attachment larger:10m」と入力すると、添付ファイルが10MBより大きいメールを見つけることができる。先ほどと同じようにリストの上の左側にある選択ボックスをクリックしてすべてを選択し、「削除 」をクリックして削除する。

必要なくなったメールをラベルで取り除く方法もあるが、これは受信時にラベルを付けて重要度を指定してきた場合の話だ。重要ではないメールの判断をグーグルのアルゴリズムに任せてみたい場合は、「label:unimportant」で検索しよう。ニュースレターや頻繁にはやりとりしていない連絡先からのメール、宣伝メールなどが表示されるはずだ。

要注意なのは、迷惑メールもストレージ容量にカウントされていることだ。迷惑メールフォルダのメールは30日が過ぎると自動で消去されるが、1カ月で大量の迷惑メールがたまり、クラウドストレージのかなりの容量を占拠していることもある。Gmailのインターフェイスの左側にある「迷惑メール 」を選び、「迷惑メールをすべて削除 」をクリックすると迷惑メールフォルダが空になる。

2: Google ドライブで不要なファイルを削除する

ウェブ版のGoogle ドライブのメイン画面で左側にある「保存容量 」のリンクをクリックすると、アカウントのすべてのファイルが、大きい順に表示される(大きい順になっていない場合は、右上の「使用容量 」リンクをクリックする)。大きな書類や動画など、意外に容量が大きいファイルが見つかることもあるだろう。

ファイルを削除するには、ファイルを選択し、右上にある「削除 」ボタン(ゴミ箱アイコン)をクリックして「ゴミ箱」フォルダに移動させる。移動したファイルは30日が過ぎてから完全に削除されるが、メイン画面の左にある「ゴミ箱 」をクリックして「ゴミ箱を空にする 」をクリックすれば、30日を待たずに完全に削除できる。

ファイルは、WindowsならCtrlキー を、Macならcommandキー を押したままクリックしていくことで複数まとめて選択できる。ファイルを処分する作業をスピードアップするには非常に有効だ。また、ファイルかフォルダをひとつまたは複数選択した状態で右クリックすることでも、「削除 」メニューが見つかる。こちらのほうが早いという人もいるかもしれない。

Google ドライブでは、ファイルの種類を選択できる。GOOGLE DRIVE VIA DAVID NIELD

あとはGoogle ドライブのフォルダを見ていき、必要なくなったものを見つけるしかない。もう使わないファイルやフォルダがないだろうか。ほかの場所にも保存してあり、重複しているファイルがないだろうか。Google ドライブをコンピューターと同期させている人は、ウェブ版ではなくWindowsやmacOSでデータを見ていくほうが見つけやすいかもしれない。

削除するファイルを探すときには、ウェブ版のGoogle ドライブの検索機能が便利なことがある。上部の検索ボックスの右端にある「検索オプション 」ボタンをクリックすると、容量が大きい可能性がある動画や音声のような特定の種類のファイルや、必要なくなっている可能性がある更新していないファイルを探すことができる。

3: Google フォトの写真はアプリから削除

Google フォトは、アカウント容量を占拠している不要なファイルの削減にかなり役立つ。ところが、そのための主なツールがウェブ版にはない。AndroidかiOSの「Google フォト」アプリを開く必要がある。

Google フォトのアプリで「ライブラリ 」「ユーティリティ 」とタップすると、ブレた写真や画質がよくないものを除去する提案が表示されるはずだ。消去する写真は、表示させて確認してから判断できる。

また、「検索 」をタップして下にスクロールしていくと、カテゴリーがいくつか自動で生成されている。「スクリーンショット 」なら、削除して構わないファイルが入っているのではないだろうか。

Google フォトのウェブ版を開き、「設定 」の歯車(上部の右)、「容量を解放 」とクリックしていくと、すべての画像を最大1,600万画素に、動画はすべて最大1,080pの画質に圧縮してくれる。空き容量はかなり増えるが、元の画質の写真と動画は入手できなくなるので注意してほしい。

ファイルがオリジナルの画質である場合、圧縮することが可能だ。GOOGLEPHOTOS VIA WIRED JAPAN

Google フォトの便利な検索機能も活用したい。「レシート」のような言葉や「2000年3月」のような古い日付を検索すると、もういらない画像や動画が見つかるだろう。クリックして「削除 」ボタン(ゴミ箱アイコン)をクリックすれば、アカウントから消去できる。

最後に豆知識をお伝えしておこう。Google フォトでは、わざわざ重複するファイルを探して削除する必要がない。というのも、モバイル版もウェブ版も、そもそも重複するアップロードができないようになっているのだ。Google フォトにすでにあるファイルと隅々まで同じ写真や動画をアップロードしようとすると、すでにあるファイルに誘導される仕組みになっている。

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TEXT BY DAVID NIELD

TRANSLATION BY RYO OGATA/GALILEO