(828)キンショウジョウインコ 黒目がちのつぶらなひとみ
2025年04月15日 09時00分

キンショウジョウインコのオス。黒い目がかわいい
高知市の動物園「わんぱーくこうちアニマルランド」。インコ舎の方からギャアギャアと、やかましい声が聞こえてくる。ベニコンゴウインコだ。並んでいるケージをのぞいて歩く。
キンショウジョウインコという鳥がいた。頭から胸が赤く、背中や翼が緑、背中には青もまじる。「こちらはオスです」と担当の井上春奈さんが教えてくれる。いっしょにいるメスは全体に緑色でおなかが赤い。
「黒目がちのつぶらなひとみに、美しいすがたが魅力です」。たしかにオスもメスも、黒い目がかわいい。その目が何か、もの言いたげだ。
「鳴き声もきれいです」。井上さんがそう話す間にも、ベニコンゴウの大声がひびく。「ああいう声ではなくて、鈴を鳴らすみたいな声です。でも繁殖期ぐらいしか鳴かないんです」。この日は鳴き声が聞けなかった。
「それに性格もおだやかなんですよ。どちらかと言えば、ぼーっとしているタイプです」
メスは水浴びが好きだ。「夏場にホースで水をかけてやると、じーっと浴びて、ビシャビシャになってもよろこんでいます」。オスは逃げてしまうそうだ。
英語名はオーストラリアン・キング・パロット。「キングの名前が付くほど、英語圏の人たちを魅了した鳥なんだと思います」(文・写真、佐々木央)=2024年5月配信

せなか側の青色がよく見える
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ささき・ひさし 記者。2008年からこの連載を始めた。著書に『ルポ動物園』(ちくま新書)『未来なんか見えない』(共同通信社)、編著書に『岐路から未来へ』(柘植書房新社)『自死と向き合い、遺族とともに歩む』(全国自死遺族連絡会刊)『18・19歳非行少年は、厳罰化で立ち直れるか』(現代人文社)など。