ThinkPadから異音が発生!原因・対処法から修理の流れまで解説!
パソコンを使っていたら異音が出て驚いたという経験がある人は少なくないでしょう。音が鳴り続ければ気になりますし、「どこかが壊れたのではないか」という不安にも襲われます。しかし、「異音」イコール「故障」というわけではありません。修理が必要な場合もありますが、自力で直せることもあります。今回は、Lenovo製のノートパソコン「ThinkPad」から出る異音について、原因と対処方法、加えて修理する場合の流れについてまとめました。
異音の原因はFan Error
ThinkPadから出る異音の原因として、もっともよくあるものが「Fan Error」(ファンエラー)です。パソコンには「ファン」と呼ばれる扇風機の羽根のような形状の部品が組み込まれており、ファンエラーとはこのファンが正常に動かなくなった状態のことを指します。パソコンの電源を入れると、内部の部品が通電によって熱くなります。しかし、熱がこもりすぎると誤作動を起こしかねません。そこでファンが扇風機のように回って空気を動かし、熱を逃がしているというわけです。もしも、ファンに異常が発生して動かないようなことがあると、パソコンの内部がどんどん熱くなってしまい、本格的な故障につながりかねません。
そこでThinkPadでは、ファンに異常があるときに熱によって故障しないよう、前もってFan Errorを出して強制的にパソコンが作動しないようにしてくれるというわけです。「Fan Errorが出てパソコンが動かなくなる前から異音がしていた」ということであれば、ファンに異常が発生している確率はかなり高いでしょう。そもそもファンは高速で回転するため、異音が発生しやすいパーツだといえます。ThinkPadから異音がして気になるときは、まずファンの異常を疑ってみましょう。
Fan Errorの原因
Fan Errorが発生するファンの異常として1番に考えられるのは、ファンもしくはパソコンの内部にほこりがたまっていることです。ほこりのせいでファンがしっかり回らない、うまく空気の流れを作ることができないといった現象が起きると、結果的に内部に熱がこもりがちになります。オフィスや家庭では、どれだけきれいにしていても、目に見えないようなほこりが空気中に舞っています。ファンはパソコンの内部から外部へと空気を送り出す役目をしているため、外気に触れやすく、もっともほこりが付着しやすい部品だといえるでしょう。
つまり、パソコンを普通に使っているだけであっても、ほこりが原因で不具合を起こす可能性があるというわけです。パソコンの液晶画面や外装は汚れたら目につくうえに掃除も簡単ですが、ファンや内部は見えにくく、気づかないうちに想像以上に汚れていることがあります。ほこりのほかに、ファンを構成する部品が変形していたり破損していたりすることが原因となっている場合もあります。
修理対応 | 出張/持込/宅配(出張の当日サポートは予約枠が早く埋まるため、お急ぎの場合はなるべく早い時間にご依頼ください) |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン修理 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
Fan Errorの対処法
「Fan Error」が出てThinkPadが動かない、立ち上がらないときはどうすればいいのでしょうか。対処法を紹介していきます。
ファンの掃除
Fan Errorが起こる原因として、ファンにほこりがたまって汚れていることが考えられます。そのため、ファンを掃除することで症状を改善できるかもしれません。とはいえ、パソコン内部に組み込まれているパーツですので、掃除するためにはパソコン本体を分解する必要があります。分解せずに外から通気口を掃除機で吸うことで改善することもありますが、この方法ではごく一部のほこりしか取り除けないため、効果はあまり期待できないでしょう。
分解する前に、必要なものをあらかじめ用意します。ドライバーが必須ですので、使われているネジの種類を確認して合うものを準備しましょう。掃除道具は除電ブラシ、エアダスター、ピンセット、掃除機、綿棒といったものを使います。さらに、マスクや静電気防止のための手袋があるとなお安全です。精密機器のため、静電気には十分気をつけなくてはいけません。静電気が起きやすい服装は避け、分解する前にはドアノブなどに触れて静電気を逃がしておきます。
道具が揃って準備ができたら、電源コードとバッテリを取り外しましょう。そのうえでパソコン底面にあるネジを外し、キーボードを外せるようにします。元の状態に戻せるか不安なときは、段階ごとに写真を撮って画像を残しておくといいでしょう。キーボードを外すとファンが見えるので、汚れぐあいを確認しつつ掃除をしていきます。エアダスターを使うときは、吹き飛ばしたほこりがパソコン内部に入り込んでしまわないよう、内側から外側に向かって吹きつけます。また、掃除機でほこりを吸う場合、吸引力が強すぎると部品などを吸い付けてしまい危険です。吸引力が控えめなハンディクリーナーなどを活用するといいでしょう。
エアダスターや掃除機で取り除けないしつこいほこりは、綿棒やピンセットを使ってきれいにしていきます。ファンを完全に取り外すと細かいすき間なども掃除できますが、難易度は上がります。ファンの掃除が終わったら、キーボードを元通りにしましょう。パソコン底面から外したネジもしっかりと締め、電源コードやバッテリを装着し、電源を入れてパソコンの状態を確認します。
ファンの交換
ファンを掃除してほこりを取り除いてもエラーが解消されないときは、ファンそのものに不具合が発生していたり壊れていたりする可能性があります。ファン自体が正常に動作しないのであれば、新しいものに取り替えるしかありません。こういった場合に考えられる解決方法は、「メーカーであるLenovoに修理を依頼する」「自分でファンを交換する」「修理サービスを行っている業者を利用する」の3つです。パソコンが保証期間内であれば、まずLenovoに修理を依頼するといいでしょう。保証内容に沿ったサポートが受けられます。
保証期間が過ぎている場合は有償での修理になるため、そのほかの選択肢も視野に入ってくるのではないでしょうか。なるべく修理費用をおさえたい場合、自分でパーツを買って交換すれば、出費はパーツ代だけで済みます。しかし、ノートパソコンはデスクトップパソコンよりも内部に空間がなく複雑な作りになっているため、パーツを交換するのにはある程度の知識や技術が必要です。分解することでメーカーの保証対象外になってしまう可能性も高く、リスクがあることを覚悟しておかなければならないでしょう。パソコンパーツの交換は、メーカーのほかにパソコン修理を請け負っている業者に依頼することもできます。価格や利便性を比較して検討するといいでしょう。
「ESCキー」でFan Errorを回避
ThinkPadでFan Errorが出てしまうとパソコンが起動せず、使うことができません。しかし、Fan Error の画面が出たタイミングでキーボードのESCキーを押すと、Fan Errorをスキップしパソコンを強制的に起動させることができます。修理に出す前にデータのバックアップを取りたいときなどのために、応急処置の方法として覚えておくと便利です。ただし、ファンに異常がある状態で起動させることになるため、この状態で長時間使うのはやめましょう。パソコン本体が許容範囲を超えて熱を持ち、ファンのみならずCPUやHDDなど別のパーツまで傷めてしまいかねません。あくまでも一時的に起動させるための方法です。
Fan Error以外の異音の原因
パソコンの異音といってもさまざまな種類があり、原因もファンに異常が起こるFan Errorばかりではありません。ここでは、ファン以外の原因で発生する異音の原因について紹介していきます。
HDD
データを保存するためのHDD(ハードディスクドライブ)は、ファンと並んで異音が発生しやすいパーツです。HDDは内部の部品が駆動してデータの読み書きをする仕組みになっており、正常な状態でも部品が回転する音などが出ます。この場合の異音は、システムの不具合やHDDを構成する部品の劣化・損傷などが原因で起こります。システムの不具合でHDDから異音がするときは、ファームウェアやドライバーをアップデートしたり、OSを最新の状態に更新したりして様子をみてみましょう。念のためウイルスに感染していないかもチェックします。
システム的な不具合が見つからないのに異音が出続けるときは、HDDそのものが破損・劣化し、物理的に故障している可能性があります。特に通常と異なる機械音や金属音が発生するときは要注意です。物理的な故障の場合、使い続けることによって症状が悪化するため、すぐに使用を中止しましょう。起動するからといって放置しておくと、致命的な傷がついたり、部品が外れたりしてまったく動かなくなる可能性もあります。HDDから異音がするときは、起動するうちに保存してあるデータを抜き出して早めに修理したほうがいいでしょう。
CD,DVD,Blu-rayドライブ
CDやDVD、Blu-rayディスクを挿入するドライブから異音が発生することもあります。CDやDVDを読み込むためのドライブは、中でディスクが高速回転するため、正常に動作しているときでも音は大きめです。しかし、ブーンという駆動音がいつまでも鳴りやまないときは、中でディスクの位置がずれているなどの理由で読み込みが終わらず、エラーが発生している可能性があります。そんなときはディスクをいったん取り出して再度挿入してみましょう。それだけで解決することも少なくありません。
それでも読み込み音がずっと続くときは、ディスクの表面に汚れや傷がついていて読み込むことができなくなっている、ドライブ側のレンズが汚れているといった原因も考えられます。傷や汚れのないディスクであれば正常に読み込める、というときは、ディスク側に原因があります。傷や汚れのないディスクも読み込めない場合は、市販のレンズクリーナーなどでドライブの内部にあるレンズをクリーニングするといいでしょう。
その他の異音の対処法
パソコンから異音が出るという現象は珍しいことではありません。しかし、異音が出る場所や原因はさまざまで、ピンポイントで原因を突き止めるのは難しいこともあります。異音の原因がわからないときは、手順に沿ってパソコンをメンテナンスしてみましょう。まずパソコンの電源を切り、電源コードやACアダプター、バッテリなどをすべて取り外します。マウスなどのデバイスを接続している場合は、それらの機器もすべて外しておきます。そのうえで、できる限りの場所を掃除しましょう。
パソコンの不具合は、ほこりが原因となっていることが少なくありません。掃除をするだけで症状が改善することも多々あります。きれいに使っていても内部にほこりやチリが付着するのは避けられないため、掃除は重要です。パソコン内部のほこりは、熱がこもる原因にもなります。掃除が終わってもパーツが熱を持っている場合は、パソコン内部が完全に冷えるまで待ちましょう。熱が冷めたところで電源コードやバッテリを装着し、電源を入れます。異音などの問題は、たいていの場合、こういったメンテナンスで解決できます。もし、ほこりを取り除いても異音が出続ける場合は、メーカーや修理業者に相談したほうがいいでしょう。
ThinkPadから異音がする場合の修理やサポートはこちら。
困ったら修理に出そう!
自力でできる対処法をあれこれ試しても状況が改善せず、異音がおさまらない場合は、修理に出しましょう。ここでは、パソコンを修理に出すときの流れや、修理会社に預ける前にしておいたほうがいいことについて紹介していきます。
修理の流れ
パソコンを修理に出すとなると、どのような手続きが必要なのかわからないことに不安を感じる人もいるのではないでしょうか。ここでは、修理を手配する際の手順について解説していきます。まずは、手元にあるパソコンの製品名やシリアルナンバーといった機器の情報を確認しましょう。一般的に製品名はパソコン本体にプリントされていることが多く、シリアルナンバーは裏面などに貼りつけられているラベルに記載されています。メーカーに修理を依頼する場合は、あわせて保証が切れているかどうかといった情報も調べておくとスムーズです。
機器の情報を把握したら、修理受付のコールセンターへ電話で問い合わせます。どんな機器を使っているのかと、どういった不具合が出ているのかを説明し、実際に発している異音を聞いてもらいましょう。音だけで故障内容の見当をつけてもらえることもあります。修理に出すことが決定したら集荷に来てもらう日時を決め、配送業者に引き渡します。このときの伝票の控えなどは、最低でも修理が終わるまでは保管しておきましょう。修理が完了すれば、不具合が解消されたパソコンが返送されてきます。
修理に出す前にすべきこと
修理を申し込んだとしても、宅配業者に引き取ってもらうまでに時間を要することがあります。引き渡す前に、しておいたほうがいいことを済ませてしまいましょう。何よりも優先したいのは、データのバックアップです。パソコンのSSD(ソリッドステートドライブ)やHDDに入っているデータを、万が一に備えてオンラインストレージや外付けHDDなどにコピーしておきます。ファンの修理だけであれば、データなどはそのまま戻ってくることがほとんどですが、トラブルが絶対にないとは言い切れません。輸送中に思わぬ衝撃が加わったり、修理ミスが発生したりしてデータが消えてしまうこともあり得ます。バックアップを取っておくに越したことはありません。
また、故障の状況をよりわかりやすく正確に伝えるために、パソコンの症状を動画や音声で記録しておくといいでしょう。動画や音声はスマホで簡単に録画・録音することが可能です。これは、修理業者に電話口で症状を伝えるときなどに役に立ちます。電話口で実際にパソコンを起動させるという方法もありますが、何らかの偶然でそのときだけ症状が出ないこともあり得ます。動画や音声で記録してあれば、あわてずに済むというわけです。
パソコンの電源をオンにするところから撮影・録音し、どの段階でどんな症状が出るかを明確にしておくと修理を依頼する際のやり取りがスムーズになります。
PCホスピタルはThinkPad異音トラブルのサポートが可能です
Lenovo製のThinkPadから異音が出るという不具合の原因や対処方法についてご紹介してきましたが、お手元のThinkPadから異音が出るという悩みは解決したでしょうか。
いろいろ試してみたけれど症状が改善せず、問題が解決できなかった場合は、ぜひPCホスピタルに修理をご依頼ください。
修理対応 | 出張/持込/宅配(出張の当日サポートは予約枠が早く埋まるため、お急ぎの場合はなるべく早い時間にご依頼ください) |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの修理実績を当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン修理 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得